2015年3月25日から6月29日まで東京・六本木にある国立新美術館にて「マグリット展」が開催され、とても話題となりました。
現在は京都市立美術館にて、7月11日から10月12日のまでの間、開催中です。
私も期間中に一度は足を運びたいと思いつつ、新美には行きそびれてしまい、京都へは行けたらいいなぁと思います。
マグリットとハイデガーとドイツ語の思い出
マグリットといえば、思い出すことが一つあります。
それは、大学生の頃、私は一般教養で哲学を履修しました。
なんとなく面白そうだと思っただけで、シラバスもろくに読み込まずに履修してしまいました。
その哲学の授業では毎時間、一枚の絵画を取り上げ、ハイデガー『存在と時間』を参照しながら、先生が作ってくださったドイツ語で書かれた資料を読みながら進むものでした。
日本語で書かれた『存在と時間』を読みこなすだけで四苦八苦な上に、びっしりとA4用紙に並んだドイツ語……。
もちろん、私はドイツ語を理解できません。
無用のノートと役立つ複写
これはえらいことだと、必至でひたすら先生の話を書き留めるだけで精一杯でした。
結局、単位認定のレポートを提出できず、単位を貰えなかったのですが……。
一所懸命に書いたノートは、同じ授業を取っていた学生数人のお役に立てたので良かったのかな?と思うようにしています。
授業の最後には、その日取り上げた絵画についての簡単なレポートをその場で書いて提出する必要がありました。
私はこれがなかなか得意で、何度か先生に褒められ、単位こそ落としてしまいましたがその後の学習の励みになりました。
まだ見ぬ「赤いモデル」
その、授業で取り上げられた絵画の中に、マグリットの有名な「赤いモデル」がありました。
人間の足の形をした靴の絵です。
確か、靴は足であるが足は靴ではないとかそういうことをレポートに書いた気がします。
マグリットの絵画は、2009年兵庫県立美術館で開催されていた「だまし絵展」ではじめて実物を見ました。
昨年、2014年の「だまし絵展Ⅱ」では、例の「赤いモデル」も展示されていたらしく、足を運ばなかったことが悔やまれます。
後々になって「見とけばよかった」と後悔しないように、現在開催中の京都市立美術館へは、足を伸ばしてみようかと思います。
『もっと知りたいマグリット』を読んだよ
本書ではフルカラーでマグリット作品が紹介されています。
パラパラと年代別のマグリット作品を眺めていて、思い出にふけってしまいました。
自分の思い出の中に、このような様々な作品が宿っているのだなぁと気付きました。
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もっと知りたいマグリット 生涯と作品
もっと知りたいマグリット 生涯と作品
南 雄介/著/監修、 福満 葉子/著
東京美術
(2015)
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