
歴史的史跡を訪問したり、歴史関連の本や資料を手に取ることが好きです。
しかし、なかなか人前で「歴史好きです」と名乗ることができません。
その理由はとても単純で、「歴史に詳しくないから」です。
「歴史が苦手です」と言ってもいいかもしれません。
歴史系の本を読むのは好きなのに、歴史が苦手…相反することのように思えるかもしれませんが、どちらにも当てはまっているのが私です。
歴史苦手の原因は地理にアリ?
なぜそんなことが起こるかというと、私が地理が苦手だからではないかと思います。
中学高校の授業でも地理は苦手で、今でも苦手意識が先に立ちます。
一応、日本の都道府県くらいは覚えては居ますが、県庁所在地はややあやふや。
大きな市や、有名な市町村でも、名前は聞いたことがあっても、どこにあるのか知らないことが多いのです。
恥ずかしながら私は長年、鎌倉市は九州にあるものだと思いこんでいました。
なぜだか分かりませんが、鎌倉幕府は九州に置かれたものだと思い込んでいたせいです。
この間違いに気付いたのは、二十歳前後になってからでした。
世間知らずが招くチンプンカンな土地勘?
私は旅行経験が少なく、あまり遠くへ足を運ぶこともなかったため、国内旅行事情もほとんどわかりません。
この、世間知らず的世界観が、地理の苦手意識を生んでいるのかな?と考えています。
なぜなら、自分で行ったことのある場所なら、どんな場所か自分の目で見て知っているので、本に書いてある情報とともに、かつての経験と相まって記憶されてゆきます。
私にとっては、ヴィジュアルの情報が重要なのでしょうか。
「見たことがある」か「見たことがない」かが、記憶や思考で大きな差を生んでいる気がします。
未だに鎌倉は未知の地
鎌倉に関するとんでもない勘違いも、自分が行ったことのない土地だったり、縁もゆかりもなにも持っていなかった理由もあったのかもしれません。
知識を増やすということは、特定の物事を知るだけでなく、それに関連する事項に一つでも多く「縁もゆかり」も作ってゆくことかもしれませんね。
鎌倉はアクセスもしやすい場所ですし、気候のいい時期に一度は訪れて見たく思います。
自分に縁が生まれれば、これまで以上に今後の歴史理解や、学習も有意義になるでしょう。
『運慶と鎌倉大仏』を読んだよ
『運慶と鎌倉仏像』では、有名な仏師・運慶作と言われる像を中心に、鎌倉時代に作られた像が紹介されています。
運慶といえば、私は奈良県・東大寺の金剛力士像を思い出します。
とてもダイナミックで、荒々しく力強い印象です。
この本で取り上げられている像たちも、鎌倉仏像のイメージである立体的にデフォルメされ、表情豊かな姿で、パラパラと見ているだけで眼福です。
お寺に安置されている像は、薄暗く厳かな雰囲気の中に静かにあるので、隅々まで見ることは難しいでしょう。
博物館や美術館で展示されているものは、細部まで見れるので、また違った印象です。
更に、写真に撮られたものは、肉眼では捉えられないような細かな造作まで発見できるので、肉眼では確認できなかった発見があります。
それぞれに特徴が違うので、様々な角度から鑑賞できると嬉しいですね。
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運慶と鎌倉仏像 霊験仏をめぐる旅
運慶と鎌倉仏像―霊験仏をめぐる旅
瀬谷 貴之
平凡社
(2014)
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