齋藤孝『社会人に必要な9つの力』|社会人らしさ、誰に教わった?

社会人らしくできていますか?

誰も教えてくれない「社会人」力。

齋藤孝さんの新刊、ぜひ読みたい

齋藤孝先生の著書をこれまで数冊読みました^^

どの本も面白く、楽しく最後まで読めました。そして勿論、その内容に気付かされることや、心に引っかかるものがあり、収穫のある読書でした。

『社会人に必要な9つの力』は2016年3月に発売された新刊。ぜひ読みたいなぁと手にとりました。

即戦力の“社会人”講義

本書『社会人に必要な9つの力』は、もともと齋藤孝さんが大学の講義で教えていた、学生向けの社会人講座。それを元に書籍化されたそうです。

ですから、これから社会にでる人へ向けた「社会人」になるために必要な力が紹介されています。もちろん、すでに社会人の人たちにも、知っておいてソンはない“9つの力”。

それはコミュニケーション力だったり、仕事を“勝ち取る力”だったり、実践的なものばかり。確かに、与えられるものこなすのも大事だけれども、自分から“取りに行く”力はなかなか発揮できていなかったかも……と、あさよるも思い至りました。

奇抜さナシ。地に足ついた実践的メソッド

『社会人に必要な9つの力』は、真新しい、斬新なメソッドではありません。どれも、過去に聞いたことのある話かもしれません。ですから「画期的な」「これまでにはない」新しい発想を求めている人には不向きでしょう。

三色ボールペンを使った読書法や、雑談力、コメント力など、齋藤孝さんがこれまでに提唱されていたメソッドが大集合。バラバラに散らばっていた“力”が「社会人」というキーワードに集まって、より抽象度の上がった内容です。

『社会人に必要な9つの力』から派生して、他の書籍へと読み進めてゆくのも良いでしょう^^

難しさナシ。だけど実践しなくちゃ

『社会人に必要な9つの力』。一つ一つの“力”は難しいものではありません。すでに出来ている人もいるでしょう。けれども、それらが9つ集まることで、大きな力となります。

そして、それを実践しないと意味がない!「知ってる」「わかってる」と思うだけではなく、実際に「やってみる」ことで意味をなすでしょう。

1.聞く読む力

社会人にまず必要な力として、人の話を聞くこと、本を読むこと。特に「人の話を聞く」というのは、ただ聞くのではなく「面白そうに聞く」力が重要です。

学校の先生はいわば喋りのプロですから、基本はみんなお話が上手な人たちだし、生徒が面白くない顔をしていてもプロですから話し続けます。だけど、いざ社会へ出ると「先生」の能力を持っている人ばかりではありません。

ですから「面白そうに聞く」「頷きながら聞く」力は、社会人にとって基本能力なんですね。さらに、相手に「好意を示す」ことも大事。慣れていないとサラッとできません。

「面白そうに人の話を聞く」力は、知的好奇心が旺盛ならば、案外簡単なのかもしれません。知的好奇心は読書量でほぼ決まるんだそうです。

ですから、まずは人の話を聞くこと、本を読むことが挙げられています。

2.伝える力

社会人になると必要なのは「時間の感覚」です。自分の時間が有限なのはもちろん、相手の時間だって有限です。ですから、他人の時間をムダに使ってはいけない。時間泥棒は嫌われます。

そのために必要なのは「伝える力」。

要点を短時間でまとめて伝える。持って回ったまどろっこしい言い方や、要領を得ない話を延々にすることは、相手の時間を奪っていることに気づきましょう。

3.クリエイティブ力

クリエイティブなコミュニケーションに必要なのは「コメント力」。一緒にいる意味が生まれる、生産性がある、とでも言えばいいのでしょうか。そういう間柄が望ましいですね。

自分が話すときの話力も大切ですが、リアクションの力も重要です。

4.情報収集力

情報の量と生産性は比例するんだそう。情報を集めるのに必要なのは、アンテナの感度を上げること。それには、先にも挙がった知的好奇心も大きく影響しますね。

アンテナ感度を良くすると同時に、意識の変化も大切です。自分の意識を高めるには「紙に書く」ことが推奨されています。目標を紙に書き、見える場所に貼っておく。

「え、めちゃ普通…」って思いますが、多くの人は一つやろうとすると、ほかのことを忘れてしまうものです。「紙に書く」これも基本中の基本ですね。

5.コミュニケーション能力

会議や議論の場では、自分の考えを自分の言葉で伝えられる準備が必要です。日本語のみでなく、英語でも。

自分が学んだことも仕舞い込んでしまわず、いつでも取り出せるように準備をします。

大事なのは、言いたいことを言うのではなく、どうすれば相手から言葉を引き出せるか。すなわち「何と言えば相手は気持ちよく話してくれるかなぁ」と、目的を忘れないこと。

6.交渉力

「妥協する」ことは大事です。“妥協”と言うと悪いイメージに捉える人もいるかもしれません。決して、悪いものではなく、お互いに折り合いをつけ、お互いに「納得した」と言えば、どうでしょう。

自分の利益と相手の利益を把握し、「交渉力」が試されます。

7.チーム力

会社はチームですが、全員がリーダーの自覚を持ちます。全員がリーダーだと、人任せにせず、自分の言動にも責任を持ちます。何をすればいいか、何が問題なのか、が共有されている集団です。

そのためにも、なんでも話し合える土壌作りも大切ですね。

8.修正力

報告、連絡、相談。「ほう・れん・そう」とよく言いますが、ここでは「テン・修・確」が推奨されています。テンションが高い、修正力、そして確認。

テンションは……テンションの低い新人って嫌なもんです。テンションの高さって、結構人間関係にも影響があるんですね。修正力はその名のとおり、間違いはすぐに認めて修正できる力です。そして、確認力。確認したことを記録として残しておくことも大事です。

9.メンタル力

最後はメンタル。

『社会人に必要な9つの力』では「勝負感覚」とも紹介されています。

「知りません」「できません」と言わず、「これならわかります」「こうすればできます」と言えることが大事です。あくまで大事なのは、何かしらのアイデアが「思いつく」ことです。

そして「覚悟」。そして「勝つことに慣れる」。

眼から鱗の“社会人”力、あるかも

『社会人に必要な9つの力』で紹介される「力」を、あさよるなりにザックリまとめてみました。

ご覧のように、一つ一つの力は真新しいものではありません。一般的によく言われていることもあれば、齋藤孝さんが以前から提唱されていることもあります。

しかし、「社会人」というテーマを掲げることで、これまでバラバラに語られていた事柄が、一つのテーマとして集まると、目からウロコな部分もあるやも!?(あさよるは大いにありました)

社会人に必要な力って、これまで誰かに教わりましたか? もし、独自に手探りしているのであれば、ちょろっとこういう本を読んでみるの、オススメです。

もちろん、齋藤孝さんの著書ですから、スラスラと読みやすいのも嬉しいです。

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社会人に必要な9つの力

目次情報

はじめに――一人前の社会人になるために

第1章 アウトプット型の聞く読む力

社会人として通用するには必要な力がある/まずは相手に好意を示す/アウトプット型の聞く力/知的好奇心を鍛錬するには本を読むしかない/再生する力を持って聞くとなす/知識は自分の中にため込まず共有する/読書を「技」にしていく

第2章 要件を15秒で伝える力

ストップウォッチを使えば、時間の密度が高くなる/新聞を味方につける要約力/15秒で要件は伝えられる/雑談は人間同士のおつきあい/相手に意識の線「蜘蛛の糸」を張ろう/相手に伝えるには、イメージを言葉に乗せること/対話に必要なのは、ライブ感とクリエイティブ力

第3章 クリエイティブな関係で生む力

相手との間に新しい意味を生み出す/ディスカッションは全員参加が基本/練習すれば、誰でもクリエイティブになれる/相手の出方を見る臨機応変さも必要/相手が誰であっても明るい場を作る/ポジティブにほめる「コメント力」を鍛える/アイデアは永遠に生み出せる/評価基準は明確でフェアであること

第4章 意識の量を増やす力

情報をキャッチするには、まず意識すること/アンテナがたつと等比級数的に知識が増える!/新聞の切り抜きで社会情勢が見える/社会の根っこにあるのは「再生産」/意識の量と仕事の出来は比例する/できることを枝にして自動化する/知識を死蔵させるな/周りを見ることができれば「気が利く人」になれる

第5章 世界で闘う力

大事なのは積極的コミュニケーション能力/タフなメンタリティーを作る/アウトプットを想定してインプットする/質問は、相手を気持ちよくさせる内容を/上達するには、とにかく見て真似をする/議論のコツは「クリアな論点」「冷静さ」「代案の準備」/自分なりの価値判断を身につける

第6章 「妥協」を「納得」に変える交渉力

交渉に必要な3つのこと/常に代替案の「BATNA」を持て/材料と「BATNA」があれば、交渉はうまくいく/「妥協」ではなく「納得」と考える/「まあいい」の真意は「それはダメだ」/どんな場でもコミュニケーションできる能力を/交渉で見えるのは「現実」

コメント

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