

こんにちは。ブレブレに生きている あさよるです。コロコロと違ったことに熱中してたりするので、いつ出会ったかによって あさよるの印象がえらく違っているような気がします……それくらいブレブレ!
だから「ブレない生き方」って言葉は耳に痛い反面、すごく憧れる生き方でもあります。それ、知りたいです!
著者は齋藤孝さん。以前、あさよるネットでも紹介した『読書力』を読んで、齋藤孝さんが若い人、学生との向き合う気持ちや、そこに込められているメッセージを知って、もっと読んでみたいと思いました。
『読書力』|社会人力とは?教養とは?
〈ブレない生き方〉ってどんな生き方
本書『ブレない生き方』は、12人の偉人たちの生き方を知り、ブレない自分のスタイルを築くためのヒントとできる一冊です。〈ブレない〉とはどういう状態か、それはなぜ大切なのかは、冒頭の「まえがき」で以下のように説明されています。
二〇代は、世間に通用する自分の技を磨く時期だ。世間や社会に出ないで、修業期間として、深く自分の世界に「沈潜」するのもいい。「てんでなってない!」と厳しく言われ、反発を覚えながら「自己修正回路」を作っていくのも、二〇代から三〇代にやっておきたい作業だ。(中略)
三〇代は、社会と自分を上手にすり合わせて自分の仕事のスタイルを確立する時期だ。社会性の足りない二〇代はまだ許容されるが、社会性のない三〇代に世間は冷たい。社会の暗黙のルールを自己内ルールとして身に付ける必要がある。
他者の暗黙のリクエストを感知するアンテナを張り巡らし、柔軟に対応していく。この力を「社会的コミュニケーション力」と呼びたい。これは、友達と楽しく話すコミュニケーション力とは異質なものだ。と言うより、全くレベルの違う高度な力だ。
この感知力なしで「ブレていない」という状態は、孤立しているか、ズレているだけのことだ。
p.4-5
二〇代は修業期間として、それぞれ深く潜ったり、自分流でやってみて叱られてもいい。そうして社会性と「社会的コミュニケーション力」を身につけていく期間です。三〇代は自分と社会とをすり合わせて自分のスタイルを築く時期です。このとき、社会性のない三〇代は冷遇されます。ただのズレた人になってしまうのです。
〈ブレない〉とは、「高い社会性と自分のスタイルを確立した状態」を言います。
すごい人のすごい生き方
あなたがブレずに生きるのヒントになるかもしれない12人の日本史の偉人たちが登場します。
伊達政宗は豊臣秀吉に怒られてあわや切腹か?という絶体絶命に追い込まれます。しかし、政宗は大胆なハッタリやパフォーマンスで一命を取り留めます。秀吉を前に、政宗の知略や肝の坐った対応に、秀吉にも評価されたのでした。
北斎は熱心に他の流派からも学ぼうとしたあまり、師匠から破門されてしました。そこで北斎は誰により練習を重ね、単独で絵師として生きようと決めたのです。浮世絵とは畑違いの琳派に習ったりと、トップクラスの技術を身につけようとしました。逆境をチャンスにした北斎の絵は、現代にも残っています。
北里柴三郎はペスト菌を発見し「日本の細菌学の父」と呼ばれる偉人です。北里はコツコツと地味な実験に実直に取り組み続け、与えれたミッションをこなし、上司から信頼を勝ち得ていました。また人をリスペクトする北里に、福沢諭吉も動かされ彼を援助します。北里の真面目で誠実な態度が、彼の道を切り開いたのです。
みなさんご存知の西郷隆盛は、不遇な時期が長く左遷に継ぐ左遷で、島流しにも会います。普通はそこでおしまいなのに、西郷は歴史の表舞台へ出てくるのです。彼は「肚」で判断します。また、彼は情にあつく、「情」や「肚」という、現代人がないがしろにしがちな要素を持った人物でした。
菊池寛は生活を営むため、職業として作家を選んだような人でした。経営者のようにマーケット感覚を持ち合わせ、世間の需要に敏感でした。またイエスとノーをはっきり言う人で、そのために自分の基準を持った、まさにブレない生き方をした人です。
北辰一刀流を江戸に開いた千葉周作は、剣術や武の教えをシステム化し、合理化しました。無暗に練習すればよいものではなく、理を重んじ、カリキュラムを作りました。情報の整理、公開により剣術が近代化を迎えます。
鳴かず飛ばずだった画家・藤田嗣治は、パリへ渡り成功します。パリでは奇抜な服装で身を包み、自身の宣伝にしました。また時間を守り、自分自身を律しました。世界の中でアイデンティティを築いた藤田の生きかたです。
平賀源内は次々と転職しあらゆることに手を出した人です。しかもどれも「そこそこ」。しかし、彼は成功しました。一芸に秀でる人もいますが、源内はどれも「そこそこ」だったからこそ、人々に愛されたのでしょう。
破天荒で型破りの南方熊楠はうまく肩書きがつけられない人物です。女性に縁遠く、お金はなく、学歴も低い。こう言うと世間的には失敗な人生に思えますが、南方熊楠は博物学者であり知識人でした。沈潜しないと手に入らない世界があるのです。
鷗外は一族の期待、家長としての期待、エリートである期待、政府の期待、作家としての期待と、背負いきれないくらいの期待を背負っていました。そこで彼は周囲を攻撃し、敵もたくさん作りました。反論を小説にしました。自分は自分で、世間とのズレと、抗うのではなく受け入れることで、鷗外はブレない生き方をしたのです。
高橋是清は36歳で経営に失敗し破産しますが、その後彼は工事現場の事務員から日銀総裁になり、総理大臣になりました。是清は、現在の仕事に不平不満を言っていると、自分自身が疲弊してしまうと言います。そして、チャンスに備えて準備をしておく。とてもシンプルな教訓です。
著者は秀吉の「グランド・デザイン力」、大きな枠組みそう想像する力を評価しています。刀狩り、バテレン追放令、太閤検地は、その後の江戸時代をつくる大きな基礎となりました。費用対効果を考え、闘いマニア的な作戦をや、「戦わずして勝つ」やり方を採用し、数字や理論をプランに盛り込みました。スケールアップに欠かさない要素です。
伝記を読まなかった人のために
さて本書『ブレない生き方』で紹介される12人の偉人たちの成功体験は、子どもの頃に伝記で読んだことある方も多いでしょう。本書はたぶん、伝記に触れる機会の少なかった20代や学生向けの書物だろうと思います。
伝記というのは、過去の著名な人物の半生のうち現代の我々の価値観で〈善し〉とすることのみをを綴った物語です。だから伝記を読むと「現代の倫理観・価値観」と「模範的な物語」がよくわかります。……と書くと穿りすぎ?w でもそうだよねw
で、これって、先に紹介した、「ブレない生き方」の重要要素〈社会的コミュニケーション力〉を作るものです。
あさよるは個人的に、偉人伝って子どもの内にどんどん読んでおいた方がいいと思っています。んで、大人になるまでの間に「こいつクズじゃんかwww」「マジ鬼畜ェ……」とか適度に裏切られたり真実を知ってほくそ笑む、というステップを踏んでおくことで、作り話に騙されにくい大人になるw
まぁ、なにより面白いし、世代を超えて共有する物語って大事じゃないかな。
ここで挙げられる12人の偉人たちも、知っている人にとっては超有名人だけど、知らない人にとっては知らない人物でしょう~。本書は伝記というほどのボリュームでもないし、いくつかのエピソードだけつまみ食いするような内容です。教養、一般常識手的な感じで読んでおくとよいやも。
自分は誰タイプ?
本書は読了後、自分はどのタイプか考えてみるのも発見があるかも。
あさよるは、読了後改めて考えると南方熊楠タイプに憧れるし、そっちへ行こうとしているかもしれません。世間的には評価されないし、お金もない道w 次点で平賀源内だけど、彼のように人気者になれないし、なりたくないかもな~。カッコいいと思ったのは北里柴三郎ですな。で、「ないわ~」と思ったのは、森鷗外w
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