『子どもの防犯マニュアル』|子どもにスマホを持たせて大丈夫?

こんにちは。夜遊びをやめたあさよるです。最近ね、遅い時間に外にいるのが怖いって感じるようになって、夕方には家に帰りたくなります。若い頃は怖いもの知らずで夜遊びしてたのにねぇw

安全とか、防犯への意識って、人によってかなり差があるんじゃないかと思います。SNSを見ていても、あさよるから見ると危なっかしくて見てられないような投稿をしている人もいます。「危ないよ」って説明しても、「そんな人いるわけない」「考えすぎw」とあさよるが非常識扱いされてしまったこともあります(´;ω;`)

今日読んだのは『子どもの防犯マニュアル』。親御さんや保護者の立場の人は読んでほしいのですが、「防犯」の知識は大人でも使えるものだと思いました。

子どもの行動・思考パターンを知る

『子どもの防犯マニュアル』は全5章で構成され、第1章では連れ去り犯罪に遭わない備え。第2章ではスマホ・インターネットを使った犯罪に巻き込まれないための心得。第3章では通学・通塾の身の守り方。第4章では防犯グッズの扱い方について。そして第5章は、多くの人と関わることが防犯に繋がることが紹介されています。

本書は小中高生の親御さんや保護者へ向けられた本です。ですから、大人がどうやって子どもを守るのか。親の行動や助言、親が与えたスマホが、犯罪に巻き込まれるきっかけになっています。

子どもへの防犯教育というよりは、大人の側の心得と、正しい対策が指南されています。

どうして知らない人について行っちゃうの?

「知らない人に声をかけられたらどうするの?」と尋ねると「ついていかない!」と子どもは答えます。しかし、「車の中にニンテンドースイッチがあるんだけど、君にあげるよ」なんて言われると、車の中を覗いちゃう子がいるんですって。それは、オモチャに気が取られているからじゃないんだそうです。

子ども、特に小学生低学年くらいの子は、「車の中を覗くくらいだったら大丈夫」「パンチでやっつけられる」「走って逃げればいいや」と楽観的に事態を捉えているんだそうです。大人と子どもの体の大きさの違いや、パワーの違いがまだよく分かっていないんですね。

だから、「知らない人についていってはいけない」ことだけでなくって、「大人の力には敵わない」「車の中に引っ張り込まれたら」「後ろから押し込められたら」と、体格差や力の差を教えておくことが大事そう。パパやママと力比べをしたり、シミュレーションしておくのがよさそうです。

スマホ、インターネット。テクノロジーを知る

インターネットを子どもが利用することで、トラブルに遭遇したり、犯罪被害に遭うきかっけになることが多いそう。子どもはネットリテラシーもまだありませんし、少しのイタズラ感覚で友達の個人情報をネットに書き込み、加害者になることもあります。写真や動画が拡散されて、取り返しのつかないことになることもあります。

インターネット上にアップロードした写真や動画、文章は〈完全に削除することは不可能〉と考えておいても、考えすぎてはありません。友達へあててLINEグループで画像を投稿したり、SNSに投稿した情報は、誰が見ているかわからない。誰が保存しているかわからない。

……これは、大人でも不注意な人がいます。子どもにネットリテラシーを教えるなら、大人が勉強しないといけないことです。

不用意に、何の対策もせずにスマホを子どもに与える親もいるんだそうです。あさよる的には、これは虐待なんじゃないかとすら思います。道具というのは、便利なものほど使い方によっては危険でもあります。私たちは刃物を使ったり、火を使ったり、自転車に乗ったり、道具を使うとき、必ず親から子へ使い方の手解きをしますよね。スマホだって、手解きすべきだし。危険なものはガードしないといけません。

これも、スマホを使うためには、機械の使い方を親が学ばないといけません。子どもに無関心で、なんでもかんでも欲しいものを与えるのではなくて、親がよくそれを知って、制限を設けながら少しずつ道具を使いこなせるよう指導しようと、本書でも語られています。

ネットでトラブルに巻き込まれるリスクは誰にでもあると考えておくくらいでちょうどいいと思います。
例えば、次のようなトラブルがあります。

・ワンクリック詐欺、架空請求
・懸賞やネットショッピングの詐欺
・出会い系、ID交換掲示板
・学校裏サイト、ネットいじめ
・売春、援助交際、性風俗
・喫煙・飲酒・薬物などの情報
・問題のある写真のSNSへの投稿

p.96-97

ネットのトラブルは、誰しもが被害者にも、加害者にもなってしまうリスクがあります。

「なんでも話せる環境」の力

防犯習慣を身につけるには、小学生の内からがいいと紹介されていました。なぜなら、思春期の多感な時期に差し掛かってから突然、親が防犯についてレクチャーしても、反発されたり、親への不信感になってしまうことがあるからだそう。……あさよるも、自分の反抗期を思うと……わかりますw

あと、日ごろからどんな些細なことでも報告できる環境づくりも必要です。通学路で道路工事が始まったとか、気になる出来事があったとか。

親子間でコミュニケーションが上手く取れていないと、例え外で怖い思いをしても、それを両親に話さないんだそうです。

子どもが危ないことをしたとき、頭ごなしに叱るのも、子どもからの報告を妨げます。叱りたい気持ちはいったんグッと呑み込んで、とりあえず子どもの話を最後まで聞くよう指南されていました。ちなみに、子どもは危ないことをわざわざします。それは、成長過程で誰にでもあることです。

子どもは、大人からすると「どうしてそんなことするの?」と首をかしげたくなるような不可解な行動をとることがよくあります。(中略)発達心理学においては「自らの成長発達のために、必要不可欠な考えや行動を起こさせる諸衝動」と考えられます。
大人自身も過去に経験したはずのものですが、たいてい覚えていません。
防犯の第一歩は、「大人が子どもについてよく学ぶこと」ですから、子どもならではの行動パターンを学ぶことで、無意識にとる危ない行動を予測し、子どもに対して注意を促すことができます。

(中略)

〈子どもが好きな行動パターンの例〉
・住宅の壁の間や細い道をくぐり抜ける
・橋や階段の下にできるような狭い空間に入りたくなる
・自分の体がぴったりと収まりそうな空洞に入りたくなる
・手が届きそうな高さにあるものには飛びつきたくなる
・高いところにのぼって周りを見渡したくなる
・穴があると飛び越えたくなる
・幅の狭い石段などを平均台のように渡りたくなる
・ブロック歩道なんで「同じ色のブロックだけ踏む」などルールを作って遊びたくなる
・チェーンやロープが渡されていると、座ったり、ぶら下がったりしたくなる
・不安定に揺れそうな台や石に乗りたくなる
・窓のように空いている穴をのぞきたくなる
・壊れたものやガラクタをつい触りたくなる
・水を手足で触りたくなる
・等間隔の柵に手や棒を当てて歩いて、リズムカルな音を確かめたくなる
・壁によじ登りたくなる

p.59-61

子どもの行動パターンはなかなか読めませんが、子どものやりがちなことを先回りして予測できれば、防犯や安全の役に立ちます。大人も、子どもの心を思い出せるといいんですけどね……

防犯はきっと「生きていく力」なんだろう

以前、子どもに防犯教育をしている様子を見て「かわいそう…」と思ったことがありました。それは、人から腕をつかまれたり引っ張られたとき、大きな声で「やめて!」という練習をしている様子を見たときでした。「子どもにわざわざ怖い状況を想像させて、大声で悲鳴をあげる練習をさせるなんて……」と残酷な気がしたんです。

今回『子どもの防犯マニュアル』を読んで、その考えはガラリと改まりました。なぜなら、ここに書かれている防犯マニュアルは、そのまま大人にも当てはまるからです。

ということは、自分の身の安全を自分で確保する、自分で考えて瞬時に最適な行動をする、その力って「生きる力」そのものなのかも?と思いました。

すると親が子に、防犯の極意を伝授するのも当然だとも思いました。「やめて!」「離して!」と悲鳴を上げるスキルは、大人だって必要です。「助けを求める」って生まれながらにできなくて、学習してゆくのかもしれません。

とても読みやすい文体と、きっちりと必要なことが書かれている感じで、良かったです。

子どもの防犯マニュアル

目次情報

はじめに

第1章 不審者から子どもを守る

1 犯罪に巻き込まれない子どもに育てるには?
2 子どもの「性格」を親は意外とわかっていない
3 「声かけ」を防ぐために名前を知られないよう工夫
4 通学路にひそむ「ワナ」を見つける
5 「お母さんからダメって言われてる」で断る
6 いざというときは車と逆方向に逃げる
コラム 万が一、車で連れ去られたときは…
7 防犯ブザーを鳴らす練習をしておく
8 思春期になる前から防犯教育を始めよう
9 頭ごなしに子どもにダメ出ししない
コラム 子ども特有の行動を知る

第2章 スマートフォンは「初期設定」のまま持たせない

10 増え続ける携帯電話やスマホの犯罪
11 「みんな持っているからうちも」はダメ
12 「初期設定のまま」に潜む危険
13 「ネットの怖さ」を正直に伝えることも必要
14 携帯をなくしたときにパニックにならないために
15 「自分の部屋では使わない」などルールを決める
コラム 万が一、ネットでトラブルに巻き込まれたときは…

第3章 通学・通塾での身の守り方

16 「閑静な住宅街」だからこそ危ない
17 指定された通学路が「一番安全」だとは限らない
18 「なんでそんなことしたの!」と問い詰めない
19 「こども110番」の家や店を実際に訪ねてみる
20 「あいさつ」することも防犯になる
21 登下校時の「車に巻き込まれる事故」を防ぐには
22 通塾のルートは一緒に歩いて決める
23 子どもの行動をときには確認しに行く

第4章 持っているだけで安心しない! 防犯グッズ活用

24 知っておきたい防犯グッズの基礎知識
25 人気のない場所では携帯電話やGPSを活用
26 安くても大丈夫? 防犯ブザーを正しく選ぶ
27 定期的にチェックと練習を
コラム 緊急時にはセキュリティ会社の駆けつけも利用

第5章 子どもを守る“つながり”とコミュニケーション

28 学校、夏祭り、もちつき大会で知り合いを作る
29 忙しくても仲間を作って防犯情報を共有する
30 「興味がない」親は子どもを危険にさらしている
31 マンガやアニメを親は“勉強”する
32 子どもが自分から話したくなる工夫を
コラム 緊急の安全情報はメール配信で

舟生 岳夫(ふにゅう・たけお)

セコム株式会社 IS研究所
リスクマネジメントグループ主務研究員
キッズデザイン協議会理事/防犯設計士
子どもを狙う犯罪が多発する社会状況の中で、自らも2児の父として、子どもを守るための調査・研究に日々取り組んでいる。各種防犯セミナーの講師をはじめ、学校や施設のセキュリティポリシー策定コンサルティングなどを実施。著書に『大切な子どもの守り方』(総合法令出版)。

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