『読書効果の科学』という面白い本を読んだのでご紹介。
「読書をすると賢くなる」とか「読書をする人は年収が高い」とか、「読書の効果」は見聞きするし、なんとなくそんな気がする。
それを科学的に、統計データ等を使って検証するのが本書。
読書は長い目で見ると効果がある
結論として、読書をしても劇的に子どもの学力が伸びるわけではなく、年収に結びつくわけでもない。
けれども、とても長い目で見ると、読書は人生に良い傾向がある、と言える。
(あくまで「とても長い目で見る」と)
子どもの学力の場合、読書する子は語彙が多い傾向があるが、読書“しすぎる”子は逆に学力が下がってしまう。
その微妙な加減をデータを一つ一つ丁寧に見てゆきながら、読み解いてゆく。
読書にはそもそも向き不向きがある
読書はやはり良い効果が期待できそうだと言っても、すべての人が読書に向いているわけではない。
人によっては、読書が合わない人がいる。
それについては、本書は遺伝的な要因まで指摘している。
つまり、本人の努力とか怠けとか、そういう話ではないのだ。
読書が向いていなくても、音声で聞くオーディブルや、動画で知識を得ることもできる。
音楽や映画や、人生を豊かにするコンテンツは読書以外にもいくらでもあるし、自分に合ったものを選ぶべきだ。
読書って、どんな本を読んだ場合なんだろう?
「読書」と一口に言っても、物語の小説を読むのか、ノンフィクションを読むのか、科学や歴史などの知識の本を読むのか。
それによって、なんらかの違いはあるのだろうか?
今回読んだ『読書効果の科学』では、そのへんには触れられていなかった。
わたしは子どもの頃から、宇宙や科学の本が好きで、小説はあまり読まなかった。
(子ども時代に小説を読まなかったことは少しだけ悔やんでいる)
みなさんはどんな読書をしてきただろうか。
読書効果の科学 読書の“穏やかな”力を活かす3原則
目次情報
- はじめに
- 第Ⅰ部 読書の力を正しく知るために
- 第1章 読書研究を見る目を養う
- 第2章 誰がどれくらい読んでいるのか
- 第Ⅱ部 読書効果についての科学的研究知見
- 第3章 読書は言語力を伸ばすか
- 第4章 読書は人格を高めるか
- 第5章 読書は心身の健康に寄与するか
- 第6章 読書は学力や収入を伸ばすか
- 第Ⅲ部 読書とうまく付き合うために
- 第7章 読書の行動遺伝学
- 第8章 読書効果をうまく利用するために
- おわりに
- 引用文献
- 索引
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