自己啓発

『試験に合格する人の45の習慣』|ヤル気の出し方、本気の出し方

こんにちは。学習習慣が身につかない あさよるです。

何事も習慣です。テレビを見る習慣。ツイートする習慣。YouTubeを見る習慣。みんななんとなく、習慣で続けていることって多いですよね。

勉強だって、習慣付けできれば「気が付いたら勉強していた」状態になれるでしょうから、理想的です。

今日は『試験に合格する人の45の習慣』を手に取りました。勉強を習慣付けるきっかけになるかな?と期待しています。

試験・勉強への“気持ち”を作る

本書『試験に合格する人の45の習慣』の著者・木山泰嗣さんは弁護士です。

大学入試を失敗したご経験から、試験勉強に関する著書を多数執筆なさっています。あさよるは今回、初めて著者の本を読んだのですが、司法試験の勉強法の本等、たくさんあるようですね。

あさよるも学生ですので、試験前にはかなりデリケートになってしまいますw

そんなとき本書『試験に合格する人の45の習慣』は、力強く励まし、パワーを授けてくれる言葉がズラズラと並んでいます。

また現在(3月)は試験も終わり、新学期との狭間で呆けている時期ですよね? あさよるはそうです(苦笑)。

今のあいだに予習復習をしておくべきです。わかっています!しかし、体が動かない!!

喝!を入れるべく、『試験に合格す人の45の習慣』を用いました。前向きで、時に厳しく、時に諭すように「机に向かいなさい」「計画通りやりなさい」と言い聞かせられるようです。

勉強法を紹介するものでない

くれぐれも念頭に置いていただきたいのは、本書『試験に合格する人の45の習慣』は、勉強法や記憶法を解説するものではありません。

あくまで、試験対策や勉強に取り組むための心得や、向き合い方を解くものです。

怠けてしまう自分への言い訳をせずに、モチベーション自体を高めてゆくことが目的。

もし、勉強法や勉強ツール等を知りたいなら、他の本をあたりましょう。

試験の心得。勉強への向き合い方

『試験に合格する人の45の習慣』は読んでいるだけで、「よし、やろう」ってモチベーションが上がってくるから不思議です。

目次情報を見ていただけるだけでも、雰囲気が伝わるかも(記事の後に目次情報も掲載しています↓)。

まずは、勉強の習慣づくりです。毎日勉強したり、睡眠を取る等、あたり前ですが、一番大切なことです。

合格者・成功者を知り、合格のイメージを作ることも肝心です。不可能だと思っている限り成績は残せませんからね。

試験を研究するのも必要です。過去問を何度も何度もつぶしましょう。出題傾向を見つけることも大切ですし、テスト慣れしましょう。

講師役をして、教える立場になってみましょう。頭ではわかっているつもりでも、言葉で説明できないことに気づきます。

ポジティブに毎日を過ごしましょう。笑顔を絶やさず、前向きであることは、免疫威力も上げてくれそうですね。

願掛けや「ヤル気」も使う。一見、願掛けのように思える言葉もありました。正しく願掛けができれば、自分のポテンシャルを上手に引き出せるでしょう。で、「ヤル気」も大切。

「ヤル気」は、本書『試験に合格する人の45の習慣』を読むと湧いてきます( ̄▽ ̄)

テンション上げてこう!

すでに勉強の準備は整っている。あとはやるだけだ!

なのになかなか動き出せない……そんな人に『試験に合格する人の45の習慣』がオススメです。

あの手この手で「ヤル気」を引き出します。

中には耳に痛い言葉もあるんですよ。だけど、それも含めて「やってやる」って思えるんですよね。

軽い読み物で、一気に読みこなすこともできます。折を見ては読み返して、「ヤル気」注入してほしい一冊です。

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『LIFE HACKS 勉強法』|独学?通学?資格?理解?目標達成?好奇心?

こんにちは。机に向かうとYouTubeに夢中の あさよるです。何も手に付かない(^_^;)>

あさよるは大学生もやっているので、机に向かって勉強もしなきゃいけないのですが、パソコンやスマホやiPodや、誘惑が多くてなかなか進みません><

気合を入れるために、最近は勉強や学習について書かれた本を多めに読んでいます。

新しい季節の到来を前に、勉強、しておきましょう。

自分に合った勉強法じゃないと!

勉強法って巷に数ありますが、正直、自分にピッタリ来る勉強法ってありますか?

どの本も得るものはあるのですが、著者の考えが色濃く反映され、「◯◯は暗記しなさい」とか「目的を明確にせよ」とか、断言するものが多いですよね。

もちろん、断言してくれないと困るんですけどねw

独学が得意な人、スクールに通うほうが成果が出る人。あるいは、丸暗記がいいのか理解を深めるべきか。

勉強の動機は?明確な目的を持ってそれを達成すること?それとも好奇心に突き動かされて学習するタイプ?

『LIFE HACKS 勉強法』は、勉強法をタイプ別に分けて、自分にぴったり合う勉強法を探すことに重点が置かれます。

HACKS!シリーズじゃないよ

『LIFE HACKS 勉強法』は、「HACKS!シリーズ」の本ではありません。

「HACKS!シリーズ」とは、『IDEA HACKS!』『STUDY HACKS!』『TIME HACKS!』『READING HACKS!』などなど、東洋経済新報社より刊行されているシリーズです。

シリーズをお読みになった方も多いかも?

(↓あさよるネットでも紹介しました)

[レビュー]小山龍介『STUDY HACKS!』

原尻淳一の著書『READING HACKS!』で学ぶ、効率的な読書のコツ

一方、本書『LIFE HACKS 勉強法』は学研から出版されたもので、別のシリーズです。

言われてみるとネーミングの法則(?)も違っていますが、実はあさよるも勘違いして手に取った次第ですw

しかしながら、この『LIFE HACKS 勉強法』で、これまで勉強法に関するもやもやしていたものがスッキリ納得できた気がします。

そっか、勉強法にも種類があるんだ!

独学タイプ?スクールタイプ?

勉強にタイプ別があるって考えてみたら当然なのに、勉強法を解説する本ではスルッと飛ばされている気がします。

丸暗記を推奨するものや、きちんと理解していれば暗記は不要と解くものなど、矛盾しているように思っていましたが、種類が違うと思えば納得です。

独習タイプorスクールタイプ

まずは、自分の力で独学するか、スクールに入学しちゃうか問題。

独学を続けるにはそれなりの意志も必要ですが、資金も最低限で済みますし、完全に自分のペースで進められるのも魅力です。

一方で、スクールに投資をすることが良い結果を招くこともあります。専門の講師を付け、他の受講生の視線を感じることで燃える人もいるでしょう。

一部、スクールへ通うほうが効率がよいものもあるでしょうが、基本は個人の得意不得意で決まります。

ちなみにあさよるは独学のほうが性に合っています……スクールは途中で面倒になってやめちゃう><

暗記タイプor理解タイプ

英語は丸暗記だ!という先生もおれば、考え方を理解することで記憶してゆく方法もあります。

暗記は、復習が要です。繰り返し覚えることで記憶を定着させます。

理解タイプは、アハ体験や比喩表現を取り入れながら、理解を深めてゆきます。

この「暗記タイプ」「理解タイプ」別の勉強法が、他の書籍で紹介されている感じですね。

それぞれに合った学習方法を取り入れましょう。

目的達成タイプor好奇心タイプ

勉強に取り組むモチベーションも大切です。

明確な目標を設定し、それに向けてコツコツと努力を積み上げる方法が得意な人がいます。

あるいは、好奇心の赴くままにどんどん深い世界へと足を踏み入れてゆく人もいます。

自分の得意不得意もあれば、また資格取得が目的なのか、学習そのものが目的なのかによっても変わってきます。

自分が「なぜ勉強するのか」。その理由を鑑みます。

メンタルからぐぐっと底上げ!

『LIFE HACKS 勉強法』は、自分に合った勉強法で勉強することの大事さを説きます。

無作為に勉強法の本を読むと、自分のスタイルとは違った勉強法もたくさんヒットします。

その都度「自分にはできない……」「こんなことしたくないなぁ」とヘコまずに、「今後の参考に」と割り切って読むのがよさそうですね。

本書『LIFE HACKS 勉強法』では、複数の勉強法が紹介されているため、一つ一つの勉強法はサラッと触れられる程度。深く知りたいなら、他の書籍をあたる必要があります。

と言っても、自分の学習スタイルも時と場合で変わるもの。

特に、自分の苦手な勉強法については、予め意識して「そういうやり方もあるんだなぁ」と頭の片隅に入れておきたいなぁと思います。

勉強のいろんな取り組み方を知ったことで、なんか「ちょっと自分もやれそうな気がする^^」と意気込みました。

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[まとめ]『2日で人生が変わる「箱」の法則』ひっかきまわしているのは…自分!

こんにちは。人間関係の悩みが絶えない あさよるです。

一度、態度の悪い対応をされた相手のことを、後々までジメジメッとイラついたり、なかなかの消耗戦ですな(`・ω・´)キリッ

っとね、自分が他人に囚われている限り、すり減るのは自分なのですよね。

以前、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を読んで学びました。今回はその続編『2日間で人生が変わる「箱」の法則』を手に取りました。

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』|リーダシップと自己欺瞞。本音で生きろ!

敵対的な心“が”、敵対関係を作る

『2日で人生が変わる「箱」の法則』では、家庭に問題を抱えたカリスマ経営者・ルーがセミナーを受け、自らの「箱」に気づき克服するまでの物語です。

「箱」とは自己欺瞞。みな、自分の願望を果たせなかったとき、自分は悪くない理由を作り、自分自身を騙します。この状態を〈「箱」の中〉と表現します。

「箱」の中にいると、事実がねじ曲げられ、現実が違ったものに見えます。仲間であるはずの人物が「敵」に見え、気遣いの言葉すら「攻撃」に感じます。

自分が〈「箱」の中〉に入ることで、周りの人間関係にまで悪影響を与え、職場や家庭の環境も悪化してゆきます。

本書の主人公ルーも、子どもの更生プログラムの一環として参加したセミナーで、自らが〈「箱」の中〉にいることに気づき、夫婦関係や、経営する会社での振る舞いを改めるのです。

ちなみに、ルーの経営する会社はその後大成功し、前作『自分の小さな「箱」から脱出する方法』へ繋がります。

『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を読んでから

本書『2日で人生が変わる「箱」の法則』は、前作『自分の小さな「箱」から脱出する方法』の続編です。

ややこしいので、「本書」と「前作」で話を進めます。

本書と前作の内容は、概ね同じです。前作で提示された「箱」についてより細分化されて紹介されています。物語自体は、前作に登場するカリスマ経営者・ルーが、「箱」の考えに出逢う物語です。

まずは、前作の『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を読んでから、さらに補足、おさらいするために本書を読むのが理想的に思います。

「箱」についての衝撃的な説明も、前作の方がドラマチックでドキドキしました。また、読み進めるうちに「何を言わんとしているのか」がだんだん明確になっていく様子も、前作の方が楽しめました。

まずは、『自分の小さな「箱」から脱出する方法』を!

「箱」にも種類がある

前作『自分の小さな「箱」から脱出する方法』より、より「箱」について細分化されて紹介されているのが本書です。

〈自己欺瞞〉という名の「箱」にも種類があり、それは「優越」「当然」「体裁」「劣等感」などなど。

「優越」とは、他人に対する優越感。他人は無能であり、劣等であると思い込んでいる。食い違いがあったとき、間違っているのは他人だと思い込む。

「当然」とは自分は賞賛されるべき存在でありながら、恵まれず、被害者である!という思い込みです。権利を強く感じ、他者に対し不当な扱いを受けていると思い込みます。

「体裁」とは「立派であらねば」「人に好ましく思われたい」という思いから、必要なことでも相手が望まない場合は手を貸せなくなります。相手のためにならないと分かっていながら、上辺だけの親切をしてしまうんですね。

「劣等感」は自分が劣っていると思い込んでいます。自分が劣っているということは、他者は自分より優れているということです。ですから、劣等感を持った人は、他者に厳しく当たります。

以上のように「箱」にも種類がたくさんあり、それぞれの「箱」に入ることにより、他者に敵対的な感情を抱いてしまいます。

厄介は自分が作っている

前作『自分の小さな「箱」から脱出する方法』、そして本書『2日で人生が変わる「箱」の法則』の2冊を読み、しみじみと、「自分の厄介ごとって、自分が作ってるんだなぁ」と思いました。

本書内で、元夫から長年虐待を受け続けた女性は、元夫を恨んで当然ではないかと議論されます。しかし、実際に虐待を受けていた女性の証言でも、女性が「箱」から出たことで、やっと元夫との関係が断てたと話します。

元夫が自分の“憎むべき相手”というフィルターがはずれ、ただの一人の人間に見えたとき、彼女は元夫への執念がなくなり、「どうでもいい相手」であることに気づきます。

思春期の頃、両親が鬱陶しくて一方的に敵対視していたのに、ある日「お父さん」「お母さん」がただの一人の人間だと気づく日が来ます。誰もが経験する成長過程でしょう。

他者に敵意を抱き、それを執着し続ける人生は苦しい人生です。その執着から解放されたとき「救われる」んですね。

日本人的な世界観とはちょっと違う気がしますが、持っていてもいい考え方でしょう。

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リーダーシップに関するの本

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ジブリ映画公開!原作もマンガで読もう!『漫画 君たちはどう生きるか』

こんにちは。あさよるです。やっと話題すぎる『漫画 君たちはどう生きるか』を読みました。書店で平積みされ続けていますが、手にも取ってなかたので、実はこの本がマンガであることも今回読み始めるまで知りませんでした(;’∀’)(;’∀’)

とんでもないベストセラーになってるそうで、とりあえず読んでおくべきではないかと思います。「なんでこの本が売れているのか」を知るためにもね。

ちょっと前に「『蟹工船』が若い人に売れている」と話題になりましたが、そんな感じなんでしょうか。読んでみて余計に「なんでこの本が売れてるんだろう」と謎が深まりました。

大ベストセラー!読んどいてもいいんじゃない?

本書『漫画 君たちはどう生きるか』はずっと書店でも平積みされていますね。2018年上半期一番売れた本だそう。200万部突破ってすごいなぁ~。

宮崎駿監督によるスタジオジブリの次回作が「君たちはどう生きるか」というタイトルであることが発表されて話題になってるんだと思っていましたが、この編集会議の記事を読むと、それとは別のプロジェクトだったって話なんですね。

200万部って信じられないようなベストセラーになってるんですから、一度は読んでおいてもソンはないでしょう。マンガとしても、羽賀翔一さんの絵柄は好きだし、読みやすかったです。

だいたいこんな内容

主人公は中学生は〈コペル君〉。コペルニクスにちなんで、おじさんが彼をニックネームでそう呼びます。編集者だったおじさんは、勤め先が倒産したことをきっかけにコペル君の家の近くに引っ越してきました。数年前に亡くなったコペル君のお父さんが「立派な人間になってほしい」と願っていた意志を、おじさんが引き継いでくれています。

圧力、勇気、卑怯、貧しさ、生産

コペル君は学校やクラスメイトの友人たちを通して、様々な出来事に出会います。

豆腐屋の浦川君がいじめのターゲットにされたときは、コペル君も教室内にうごめく目に見えない圧力に呑まれ、それを跳ね返すことができませんでした。しかし、いじめっ子に立ち向かうガッチンと、自分をいじめた奴が殴られるのを「もう許してやってくれ」と言う浦川君の気丈な姿を見て、コペル君も自分が正しい行いをしようと心に決めました。

また、貧しさにも出会います。学校を休んでいる浦川君の様子を見に行くと、彼は家業の豆腐屋の手伝いと兄弟の子守に追われていました。浦川君はまだ中学生なのに働いて、物を作りそれを売り、生産をしています。コペル君は働く浦川君を見て、自分も誰かが作ったものを食べ、着て、人と人が網の目のように繋がることで生きているのだと気づきます。

更におじさんは、コペル君が貧しい人を見下さないことを褒めます。貧しくても正しく振舞う人もおれば、お金持ちでも尊敬できない人もいるのです。そして中学生のコペル君はまだ働いていませんが、それでもコペル君は何かを生み出しているんだと問いかけます。彼は何を生み出しているのでしょうか。

そしてある日、コペル君は大きな苦しみを経験します。友人であるガッチンが上級生から目をつけられ、「絶対にガッチン守る」と約束をしていました。しかし、本当に上級生に襲撃されたとき、コペル君は卑怯にも逃げ出してしまったのです。それを悔やみ、何日も寝込んで学校を休んでしまい、苦しみから「死んでしまったほうがマシだ」とさえ思いました。おじさんにすがりますが、おじさんからは「自分がしなければならないことにまっすぐ向かっていく」ように諭されます。そして「君は今正しい道へ進もうとしている」とも励まされました。

おじさんのノート

おじさんはコペル君との交流から、コペル君に伝えたいことをノートにしたためてくれていました。そして、コペル君が友人を裏切ったことで苦しんでいるとき、そのノートを手渡してくれたのです。

そのノートは、コペル君が大人として歩み始めた記録でもあります。自分が世界の中心だった子ども時代から、自分も社会の中のちっぽけな要素でしかないことに気づいた「コペルニクス的転回」をしたその日からの記録だからです。

おじさんはコペル君を見守りながら激励します。そして問うのです。「君たちはどう生きるか」と。

本書『漫画 君たちはどう生きるか』はマンガなのですが、おじさんのノートと、コペル君が書いた手紙だけ活字で構成されています。

時代背景を知った方がわかりやすいかも

原作の『君たちはどう生きるか』が発行されたのは1937年で、戦前に書かれた本です。コペル君のお父さんは銀行の重役で(物語の数年前に死去)、コペル君も勉強もできます。旧制中学は尋常小学校を卒業した男子が入学するところですから、コペル君へのメッセージは「旧制中学に通う男子」と限られた人へ向けられています。

本書の中でも、おじさんのノートには「小学校にしか行けなかった人」の話が登場します。コペル君のクラスメイトの浦川君の家は貧しいと言っても、息子を中学にやれるくらいの店を持っているのです。

中学へ行かなかった人は、当たり前ですがコペル君が学校で習ったことを知りません。全ての物質が分子でできていると知らなければ、コペル君のように世界がガラッと変わって見える体験をしないかもしれません。銀座のビルの上から街を見下ろして「人間はちっぽけだ」と気づいたのは、彼がビルのある街に住んでいたからかもしれません。

あくまでコペル君は限定された境遇にいます。だから、コペル君は社会的な責任を負っているのだろうし、お父さんもおじさんもコペル君に「立派な人間になってほしい」と願っています。

現在の日本では格差が広がっているといいます。それはつまり、コペル君になれる人となれない人が、生まれながらの境遇や生まれた時代によって分けられ始めているということです。本書がベストセラーになるのは結構だけれども、多くの人がコペル君にはなれない時代が来てしまうというのはなんとも。

浦川君のうちの若い衆

あさよるの感想としては「こんだけ売れてるなら一度は読んどけば?」というのは本当ですが、同時に「へー、これが売れてるの」って感じもある。共感要素もないし、なにをどう解釈すればいいのかもわからず、とてもムズムズする。

先に触れたように、あくまで特別な立場にある「コペル君たち」への「どう生きるか」という問いだろうから、少なくとも あさよるには当てはまりません。あさよるはエリートじゃないし、女だし。たぶん、売れに売れているマンガ版の読者の多くもそうでしょう。

だからなんか読んでいて居心地が悪いというか、自分をどこに当てはめていいのかわからないんですよね……しいて言えば、おじさんのノートに書かれていた、「浦川君のうちの店に勤める若い人」が、多くの人(とくに若い世代)にあてはまる立場じゃないかと思います。

 現に浦川君のうちに若い衆となって勤めている人々を考えてみたまえ。あの人々は、何年か後に、せめて浦川君のうちぐらいな店がもてたらと、それを希望に働いているのだ。
浦川君のうちでは、貧しと言っても、息子を中学校にあげている。しかし、若い衆たちは、小学校だけで学校をやめなければならなかった。
また、浦川君の一家は、まだしも、お豆腐を作る機械を据えつけ、原料の大豆を買いこみ、若い衆を雇い、一種の家内工場営んで暮らしを立てているけれど、若い衆たちは、自分の労力のほかに、なに一つ生計をたててゆくもとでをもっていない。一日中からだを働かせて、それで命をつないでいるのだ。
こういう人々が、万一、不治の病気にかかったり、再び働けないほどの大怪我をしたら、いったい、どうなることだろう。労力一つをたよりに生きている人たちにとっては、働けなくなるということは、餓死に迫られることではないか。

p.269-270

戦後、教育は行き届いて、義務教育のみならず、多くは高等学校を卒業します。高校卒業後さらに進学をする人も少なくありません。ただ、学校に通う期間は長くなったけれども、働き方としては、おじさんのいう「浦川君のうちの若い衆」に近い状況の人が多いんじゃないでしょうか。となると、おじさんの話のように、病気や怪我で勤め続けられなくなると「餓死」というのは困ります。

エリートでもない我々は「コペル君にはしっかりしてもらわないと」と思うしかないんでしょうか。

あと、これを引用しながら〈浦川君のうちの若い衆〉は「将来自分も工場を持てたら……」と多少の希望を持ってるんだなぁ~と。すごい時代にわたしたちは生きているのかもしれません。

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『あなたの脳のしつけ方』|モテも運も努力も脳次第?

こんにちは。このブログを始めてから「人の体って面白いんだなぁ」と興味を持ち始めた あさよるです。

以前あさよるネットでも紹介した中野信子さんの『脳内麻薬』が面白かったので、同著者の本を選んでみました。

『脳内麻薬』も、誰でもわかるような入門編のような内容で、なんの知識もないあさよるでも楽しく読めたのでした。

脳につけるクスリ

『あなたの脳のしつけ方』は、雑誌連載の内容を加筆再構成された内容だそうです。ですから、「脳」にまつわるコラム集みたいに読めば、読みやすいかもしれません。

扱われているテーマは大きく8つ。

  • 集中力
  • 記憶力
  • 判断力
  • モテ力
  • アイデア力
  • 努力
  • 強運力
  • 愛情力

集中力、記憶力など、ふむふむと思うもの中に「モテ力」「努力」「強運力」「愛情力」という、なんじゃこりゃ?というテーマもあります。

不特定にモテる or 一人の人に長く愛される

「モテ力」では、“だめんず”がモテる理由や、結婚相手と恋愛相手は違う!というお話を、脳の働きから見てゆきます。

女性は、自分の産んだ子がさらにたくさんの子孫を残すように、たくさんの女性と関係を持つ男性に魅力を感じるそう。パパがヤリチンなら、子もヤリチン=子孫をたくさん残すってことっすなw しかし、ヒトは子育てに時間と労力が必要で、父親も側に置いておきたい。すると、複数の女性と関係を持つ男性は、不適当になってしまう。

だめんずはモテますが、結婚相手には相応しくないと判断されてしまうようです。

モテ話は、男性のモテテクニックが中心ですね。

努力は才能。誰もができるわけではない

「努力」とは、努力は誰でもできることではないという、ショッキングな話題から始まります。

努力ができる人は、生まれ持った脳の特徴に由来します。努力が得意な人は「これをやれば◯◯が手に入る」という脳の快楽の一部「報酬系」が働きます。

一方、努力ができない人は、「報酬系」の働きが弱く、さらに「やってもムダだ」とブレーキを脳が働かせます。

勉強や仕事など「努力すれば誰でもできる」と言っても、そもそも努力が誰にでもできることではないのです……。

(´・ω・`).;:…(´・ω…:.;::..(´・;::: .:.;:

……と!落ち込まなくても良いのです。

日本社会では、やたらと努力が賛美され、努力こそが尊いことのように語られます。別にそれも間違いではないでしょうが、努力だけが美徳というわけでもありません。

現に、「やってもムダだ」と努力をやめてしまう事柄は、大概それ以上やっても成果が出ないでしょう。

すなわち、努力ができない人は、冷静な判断が出来ているとも言えます。

努力を美徳とするからこそ、努力できないことは悪いことのように感じてしまいますが、別の視点から見れば、「努力に頼らない才能」があるとも言えるかもしれません。

この「努力」の考え方は、あさよるは考えたこともなかったので眼から鱗で、納得でした。

運のいい人はどんどん良く、運の悪い人はどんどん悪くなる

「強運力」も面白い話でした。

コインを投げてウラとオモテがでる確率は、無限に近い回数を投げれば投げるほど1/2に近づいてゆきます。

しかし、現実の「運がいい」「運が悪い」はコインのように1/2では起こりません。運のいい人はより運がよく、運の悪い人はより運が悪くなってゆきます。

それは一度ラッキーがあると、ラッキーな環境に身をおくので、次もラッキーが起こりやすい。不運な人はその逆です。

「勝ち癖がついている人」「負け癖がついている人」という、なんとも身も蓋もない言葉も飛び出します。けど、それが現実なのよね(-_-;)

で、勝率を上げる方法の一つが「知性」。もう少し詳しく言うと一つ目は「言語性知能」、教養です。勝ちの体験、成功体験を積むことも言語性知能です。もう一つが「非言語性知能」、ワーキングメモリを増やすことです。

さらに、負け癖のついてしまったゲームはやめて、自分が勝ちやすいゲームに変えてしまうのも手段の一つ。「みんなに必要とされていること」に目を向けてみる。

慎重さと恋愛力

恋愛力が低い、なかなか恋人ができないわという人は、それだけブレーキがよく効いている人です。

恋のパワーが炸裂して、後先考えずに燃え上がっちゃう人がいる一方で、自分の気持ちをセーブするよう脳が働く人もいる。

知能が高い人ほどこのブレーキが強いとも紹介されています。

恋愛力を上げたいのなら、ブレーキを弱めるしかありません。『あなたの脳のしつけ方』では、結構過激な方法が紹介されていました。それは、お酒の力を借りる、寝不足になるw

こんな方法が紹介されるってことは、反対に言えば、これくらいしないと脳の抑制が解除されないってことですね。

さらに、そもそも「人を愛せない」脳を持つ人もいるそうで、興味がつきません。

誰でも軽く読める、脳のクセ

コラム集ということで、サクッと読める読み物の割には、楽しく興味深く読了しました。

軽く読めるということは、深く読みたい人には不向きですね。根拠となるデータやムズカシイ話はすっ飛ばして、誰でも面白く読める話に特化しています。

さらにもう一歩深く知りたいのなら、別の本をあたってみましょう。

あさよるも『脳内麻薬』『あなたの脳のしつけ方』と続けて読んでみて、もう少しだけ専門的な内容も読んでみたいかも!と思い始めています。これから探してみます。

脳科学の入り口として、話のネタにも

『あなたの脳のしつけ方』は脳科学者による著作です。

脳科学の入り口の入り口のように読むことも出来ますし、軽い読み物としても、また、話のネタ探しにもぴったりです。

著者の中野信子さんはテレビでもご活躍されている方で、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

……あさよるは存じ上げなかったので(^_^;)、今後、中野先生もチェックさせていただきますm(_ _)m

関連記事:中野信子さんの本

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