奥野宣之『図書館「超」活用術 最高の「知的空間」で、本物の思考力を身につける』|書店、ネット、そして図書館。情報と「場」を使いこなそう

こんにちは。大人になっても図書館通いしている あさよるです。引っ越しの際も図書館がどこにあるかが大事でした。

図書館の“0から始まる本棚”には、読書術やノート術の本があるので、ちょこちょこ覗いています。『図書館「超」活用術』も、図書館の0の棚で見つけました。

近くの図書館の使い方

帯の写真が超カッチョイイですが、地元のダサ庶民的な図書館のお話です。いや、カッチョイイ図書館が地域にある人羨ましいですね。

って、図書館は見た目じゃないんです。その機能がスゴイ!何がスゴイって、図書館のサービスを日本中で利用できるってことです。

図書館の規模や蔵書の数など、その地域によって違いがありますが、誰でもどこかの図書館を利用できる。

子どもの頃、図書館を利用してたけど、大人になって足が遠のいてる人。そもそも、図書館になじみのない人。そんな図書館初心者に向けて、図書館利用マニュアルなのです。

普通のサービスを普通に使う

さて、どんなスゴイ『図書館「超」活用術』が紹介されているかと言いますと……実はね、めっちゃフツーなんですよねw

図書館へ行くと大量の蔵書が待っているとか、本棚と本棚の間を歩いているとアイデアが浮かぶとか、実践している人もいるでしょう。

すでに、図書館の秘めたるパワーを知っている人にとっては「なにを今さら!」な内容です。

……反対に言えば、図書館を利用していない方。図書館の力を使っていない方。そんな人にとっては朗報です!

子どもの遊び場ではなく、暇人の暇つぶしでもなく、ビジネスマンだって、仕事に使える公共の施設なんです。

集中できる、オフィス代わりに

図書館は公共で開かれたもので、利用法もさまざま。

自分のサブオフィス代わりに利用してもいいし(ルールを守ってね)、気分転換に、頭の中をリフレッシュさせる場所にも使えます。

ネット環境にない図書館もありますが、ネット断ちできると思えば、集中した時間を過ごせます。

図書館という「場」を、どう使いこなすかですね。

書店にはない、ネットにはないもの

書店にはズラリと最新の情報、今話題の書籍が所狭しと並んでいます。平積みになされた書籍や雑誌のビジュアルからも、かなりの情報圧です。

情報の鮮度という意味では、ネットに敵うものはないでしょう。最新!今!なう!

じゃあ、図書館にある情報って……そうです、古いです。ちょっと古いのが図書館の特徴です。

図書館では、過去の情報を遡れることが強みです。過去の新聞の記事を参照したり、雑誌のバックナンバーもあります。

百科事典や全集など、自分では絶対買わないような本がズラズラと惜しげもなく並んでいるのも図書館のすごいところですね。

書店、ネット、図書館、それぞれ扱っている情報が違います。それぞれを使いこなせたら、めっちゃスゴイ。

レファレンスこそが図書館だ

図書館が図書館たらしめているサービスは「レファレンス」でしょう。

資格を持った図書館司書に、探している情報の検索をしてもらえます。

膨大な書籍の中から、自分の探している情報をばっちり見つけ出すために必要です。

ネットは、自分で情報検索できるスキルのある人にとっては非常に便利なツールです。しかし、検索スキルには差があります。

図書館は、すべての人に開かれている上に、検索を手伝ってもらえるのです。

自分で本くらい探せるよって人も、一度カウンターで探してもらうと、自分ではたどり着かなかった本が見つかるかもしれません。

まずは図書館チェックを!

本書『図書館「超」活用術』の著者・奥野宣之さんは大阪府堺市に在住で、堺市の図書館だけでなく、大阪府立図書館や大阪市立図書館、そして和泉市立図書館など、周辺の図書館も利用なさっています。

複数の図書館をまたがって利用したり、他の図書館の蔵書を取り寄せたりできるサービスが受けられる自治体もあります。

公衆wifiが設置されている図書館や、ネット環境が整ったところ、あるいはweb版の有料の新聞記事が読める図書館もあるそうです。

奥野宣之さんの図書館環境は、かなり良い方なのかな?と思います。

あさよるも大阪府在住なので、『図書館「超」活用術』で紹介されるサービスの多くは利用しています。が、あさよるの活動圏内に図書館が1つしかなかったりします。

ご自身がどの図書館を利用できるのか、その図書館がどのようなサービスを提供しているのかは、それぞれ。一度、調べてみて下さい。

図書館の利用って、ちょっとコツが必要です。しかし、そのコツがわかればめちゃくちゃ素晴らしいサービスです。

『図書館「超」活用術』は、その「コツ」が知れる本で、面白かったです。

同著者・奥野宣之さんの本

図書館「超」活用術 最高の「知的空間」で、本物の思考力を身につける

  • 奥野宣之
  • 朝日新聞出版
  • 2016/3/7

目次情報

すこし長めのまえがき なぜいま「図書館」なのか

序章
図書館の「場」としての力

図書館、その3つの力

その1 課題をクリアし、成果を生み出すための「ラボラトリー」
その2 重要な場面で意思決定し、決断を下すための「シンクタンク」
その3 思いもしない自分を発見し、可能性を広げるための「ゼミナール」

第1章
「集中力」編 作業効率アップ・サードプレイス・知の空間

資料の海で「構想スタートアップ」
知的作業に没頭できる「ネット断ち」
大学図書館で「超集中モード」
仕事に応じて館を選べる「図書館ポートフォリオ」
日本中の図書館は「ご当地オフィス」

第2章
「発想力」編 セレンディピティ・視点転換・拡散思考

まずは分類法則を「語呂合わせ暗記」
課題感覚を研ぎ澄ます「テーマ棚」
潜在意識からアイデアを引き出す「棚見⇄OPAC往復法」
行き詰ったときの「ぶらぶらブラウジング」
ありきたり感を壊す「ビジュアル本(バズーカ)」
考えをガラッと変える「館変え発想法」
成果に“イーハンつける”「ちょい寄り」

第3章
「思考力」編 情報収集・調査・分析・意思決定・判断・集中思考

知見を総ざらいする「レファレンスミニ図書館」
考えをまとめるための「山積み術」
ユニーク度を上げる「山積み手放し術」
さらにテーマを深堀りする「NDC越境探索法」
効率アップの合言葉「レファレンスお願いします」
成果をキッチリ持ち帰る「4点コピー」

第4章
「教養力」 生涯学習・独学・雑学・レクリエーション・スキルアップ

知識をアップデートし続ける「NDC自担」
多ジャンルを多読できる「お手玉式貸出」
自宅の本棚を鍛える「借り本買い」
行きつけの館に「いつものやつ」
意外な本と巡り合う「新着ショールーミング」
探索!「一生もののレファレンスブック」
世界を広げる「おとなの児童コーナー活用術」
自分の幅を広げる「図書館系イベント利用術」

第5章
図書館のトリセツ もっと図書館を知り、使い倒す達人になる!

あらゆる情報が無料である
どこの街にもある
プライバシーが守られる
書店より本のタイトル数が多い
「リクエスト」でどんな本でも読める
ウェブ利用で本の探索と予約が簡単に
専門家が資料探索を助けてくれる

第6章
「使える図書館」を探すための7つのチェックポイント

近くにあるか?
閲覧室は快適か?
利用者カードが作れるか?
郷土資料館・参考資料が贅沢にあるか?
特色を打ち出した棚やサービスはあるか?
有料データベースが使えるか?
スタッフが熱心か?

あとがき 利用者が「使える図書館」をつくる

付録
1枚!図書館ポートフォリオ
ざっくりNDC一覧

奥野 宣之(おくの・のぶゆき)

1981年大阪府生まれ。同志社大学文学部社会学科でジャーナリズムを専攻、卒業後は、出版社、新聞社での勤務を経て、フリーの著作家・ライターに。独自の情報整理術を公開した『情報は1冊のノートにまとめなさい』でデビュー。第2弾『読書は1冊のノートにまとめさない』、第3弾『人生は1冊のノートにまとめさない』のシリーズ3冊は累計50万部を超えるベストセラーとなる。
主に「情報」をテーマに著作活動中。メモやノートの活用法から発想法、デジタルアナログを問わない情報活用、知的生産術まで、わかりやすく書き下ろした著作は若手ビジネスパーソンを中心に支持を集めている。
小学生のころから現在まで図書館通いを続けており、今でも週に3、4回は訪れて資料を借りたり閲覧席で執筆などの仕事をしている。
「利用するだけでは図書館はわからない」との思いから、2013年、桃山学院大学(大阪府)で社会人向けの司書講座を受講。司書資格を取得した。

コメント

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