こんにちは。あさよるです。あさよるは他人との距離感を測るのが苦手で、必要以上に距離を取ってしまうことがあります。「近づきすぎてしまうのではないか」という恐れが先立って、踏み込めないのです。その結果、良い関係を結べないこともあります。
本書『感情で人を動かす』は、リーダーシップを身につけるための方法が紹介されています。「リーダーシップ」も「カリスマ」も、後天的に身につけることができる要素だそうです。そして、「誰もが自分の人生のリーダーだ」という言葉が気に入りました。
リーダーシップは、全ての人が持っていても良い能力なのです。
リーダーとはどうあるべきか
本書『感情で人を動かす』はアメリカのリーダーシップ論の権威ジョン・C・マクスウェルから著者の豊福公平さんが直接学んだことが紹介されています。「リーダーシップなんて自分に関係ない」と考える人ほど、本書を読んでみてください。それは、誰もが自分が、自分の人生のリーダーだから。リーダーシップは誰もが持っていても良い能力です。
リーダーは「感情」を操る
リーダーとは、社員を道具扱いせず、感情のある人間として扱います。感情によって人を動かします。
著者の豊福公平さんは外資系大手保険会社に入社前、消防士でした。消防士は命がけの仕事ですから、チームリーダーの指示は絶対です。些細なことまで注意され、厳しい指導を受けますが、家族のような信頼関係で結びつけられていました。しかし外資系に入社すると「成果を出せなかったら去らなければならない」やり方に戸惑ったといいます。リーダーシップやマネジメントにはさまざまな形があると学びながらも、「レスキュー隊型のリーダーシップを目指したい」と意思をはっきりと持ちます。
成果、数字のみに着目するのではなく、人の「感情」を重視したリーダーシップ。それがマクスウェル式リーダーシップなのです(p.37)
まず、マクスウェルのいう原則に従い、
「相手を動かしたいなら、まず自分から動く」(p.39)
ことから始めました。
リーダーに必要な3つのC
マクスウェルは、リーダーには「3つのC」が必要だといいます。
・competence(能力)
・connection(人脈)
・character(人格)
この3つの要素によって、リーダーはチームメンバーから信頼される、というのです。(p.42)
みなさんにも既に持っている要素、まだ持っていない要素があるでしょう。
また、「ほめることは大事」と言われますが、マクスウェルによるとほめるよりも「激励」する、励ましてくれるリーダーに人はついて行くといいます。
「ほめる」とは、相手の良い点を指摘すること。そう、これも大切です。
それに対して「激励」は、いってみれば「相手の将来に希望を持たせる」ということです。(p.48)
「成長してもらいたい」という要素を伝えましょう。
よい質問をする
また、リーダーは積極的に相手の話を聞きます。人の話を聞くとは、人の頭の中を覗くことです。メンバーの気持ちを覗きましょう。メンバーの話を聞く面談を持ち、彼らのアイデンティティを知ります。それそがメンバーにとって最も大事な価値であるからです。
カリスマはつくれる
マクスウェルによると「カリスマ」と呼ばれる「人を引きつける力」は開発可能だといいます。まずは自分の人生を愛すこと。そして他人の人生も愛します。
「人の上に立つ人間は、自分の智慧や資源、機会を分かち合う」
このマクスウィルの教えにより、社内で頻繁に研修をおこなっています。
私が読んだ本、受講したセミナー、出会った人から受けた影響を、週1回の勉強会でメンバーにフィードバックするのです。
「自分を分かち合う」(p.80)
自分の持っている知識や資源、機会はメンバーのものとし、メンバーに期待しましょう。
またリーダーには品性が必要です。「こんなリーダーは嫌だな」と思われるようなダサイのはやめましょう。衣服や持ち物まで気を配るのです。「人は見た目じゃない」と考える人は、こう考えを変えてみると分かります。「リーダーは相手=メンバーのもの」なのです。だから、メンバーのために、恥ずかしくない品性を身につけましょう。
カリスマの阻害要因
同時にカリスマを阻害するものも紹介されています。
①「プライド」
②「不安」
③「不機嫌さ」
④「完璧主義」
⑤「嘆き」p.101
「プライド」とは優越感です。自分は他の人よりも上だと優越感に浸っている人に誰もついていきません。「不安」を持つリーダーは周囲をも不安にします。「不機嫌」なリーダーはとっつきにくい人になります。「完璧主義」は自他ともに認められないため、全体のモチベーションを下げます。「嘆き」はマイナス思考で、マイナス思考の人には近づきたくないと思われます。
自分が「カリスマ」でいることも、メンバーの「チームの目標達成のため」であることを忘れてはなりません。
「影響力」を身につける
カリスマのリーダーには影響力が備わっています。影響力とは「自信」と「ビジョン」です。また、マイナス要素を持ち込む人間はチームから遠ざけないといけません。愚痴をこぼすメンバーがいた場合、呼び出しをし個人面談を行うそうです。その際「改善案を持ってくること」が条件です。
そして小さな成功体験を積み上げてゆきます。
ときにリーダーは批判にさらされます。
マクスウェルは、批判に対して次の10の視点を持つことを提言しています。
①「いい批判」と「中傷」を見分ける
② 深刻に受け止め過ぎない
③ 尊敬する人の批判にはじっくり耳を傾ける
④ 感情的にならない
⑤ 志を確認
⑥「休む時間」を取る
⑦「一人の批判」を「全体の意見」と勘違いしない
⑧ 時が解決してくれることを待つ
⑨ 同じ土俵で戦わない
⑩ 批判や失敗から学ぶ(p.141-142)
いい批判と中傷を見分け、感情的にならず批判に耳を傾けましょう。マクスウェルはこれを、
「善を成そうとする人々は必ず批判にさらされる。逆に何の批判もないようなら、問題があると思った方がいい」(p.143)
と明言しています。批判を必要以上に怖れなくても良いんですね。
リーダーシップは誰もが身につけられる
本書『感情で人を動かす』では、リーダシップやカリスマ性は、生まれ持った素質ではなく、誰もが後天的に見に着くものだという前提で語られています。はてさて、しかしチームから支持され、感情によってチームを動かしてゆくリーダーに、自分はなれるのか? と考えると、途方もなくも思えますね(;’∀’)
ただし、一つ一つの要素をじっくりと見てゆくと「人の話を聞く」「人を励ます」「人を信じる」「自分の人生を愛す」「人の人生を愛す」など、素朴で実直な人物像であることがわかります。すべてを一度に行うのは難しいだろうけれど、一つずつなら「できるかも」と思えます。
あさよる的には「優越感に浸らない」「批判を恐れない」という二つの点を、自分にまずは取り入れたいと思いました。すぐに調子に乗っちゃうし、なのに人の目を気にしてビビってるからね(;’∀’)(;’∀’)
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良い質問の本
ジョン・C・マクスウェル式 感情で人を動かす 世界一のメンターから学んだこと
目次情報
はじめに――なぜ人は動かないのか?
チームとは何か
リーダーシップの神様との出会い第1章 本物のリーダーは「感情」をあやつる
「本当のリーダーシップ」とは何か
「こんなはずじゃなかった」
「名プレイヤー」が「名リーダー」になれるわけではない
「レスキュー」のリーダーシップ
「真逆」のリーダーシップ「ビジョン」で人を動かす
自分が変われば、チームが変わる
リーダーに必要な3つのC
人格とは、自分を見せることリーダーの「相手を動かす言葉」
「ほめる」ではなく「激励」する
激励システムにしよう
「激励担当」を設けるリーダーの「聞く技術」
「頭の中をのぞく」作業
「アイデンティティ」に着目する
「傾聴」せよメンバーの「自尊心」を刺激しろ
会社をつくっているのは、誰か?
わかりやすい部分に注目第2章 「カリスマ」と呼ばれる人の秘密
カリスマは、つくれる
カリスマは生まれ持った資質ではない
自分の人生を愛する、ということ
他人の人生も愛する
自分の知識は、メンバーの知識だカリスマ性はどうすれば身につくか
品性にこだわる
リーダーの成長のためにマクスウェルの「成長法」
成長のための外的要因
成長のための内的要因希望を与える人
希望とはビジョンのこと
ワクワクするビジョンを見せられるか?
ビジョンはわかりやすく見せろカリスマを阻害するもの
カリスマになるために捨てるべきもの
「誰のための」カリスマか?第3章 人を動かす影響力をつける
「自信」が影響力になる
影響力のある人の資質とは?
ビジョンなき自信は、単なる過信
自信を獲得するためには「人」が必要「人とのつながり」が影響力を増す
「人とつながる」とは?
人とつながる「仕組み」をつくる
人とつながるためのプラクティスマイナスを持ち込む人間は排除せよ
愚痴をこぼすメンバー
マイナス面など、対した比重ではない「成功体験」と「得意分野」が人の魅力をつくる
小さな成功体験を積み重ねる
得意分野に集中してみよう第4章 批判されたときの感情との向き合い方
批判されることは、成長していることの証
批判は「必ずされる」もの
「批判」に対するリーダーの仕事批判をプラスに変えるポイント
マクスウェルの10の視点
批判する際に必要な注意
批判を口にする際の9のチェックポイント
問題のあるメンバーをどう扱うか
配置転換、3つのポイント
ネガティブ要素へのケアは必要第5章 感情を動かすには「アイデンティティ」を知れ
リーダーは自らリスクに立ち向かう
「ボス」と「リーダー」の違い
まずは自分がリスクを負うメリットは、感情を揺さぶる
一人ひとりに動機を与える
パフォーマンスが上がる報酬とは「なりたい自分になる」ことは、最大のメリットだ
マクスウェルの式「アイデンティティの法則」
38のアイデンティティ
アイデンティティで目標達成する
アイデンティティでメンバーを導く現状よりも「可能性」を見よ
自分自身が成長し、周りの人たちも成長させる
メンバーもまた、リーダーの可能性を見るおわりに――私の感情を動かしてくれる人たちへ
豊福 公平(とよふく・こうへい)
外資系生命保険出身の元ライフプランナー。
2005年にハイパーレスキュー隊員(公務員)からライフプランナーに転職。入社以来、毎年社長杯入賞、毎年MDRT(Million Dollar Round Table=世界71の国と地域に会員を持つ組織。毎年世界中の生命保険・金融サービス専門職のトップクラスのメンバーで構成されている)入会の快挙を果たす。
新規のお客さまの世帯数は毎年100世帯を超えるトップセールスマンにまで成長することができた。
現在、Gift Your Life株式会社代表取締役社長。ライフプランナーとして人生設計のアドバイスをするとともに、エグゼクティブトレーナーとして経営者や組織のリーダー、人脈を構築したいビジネスパーソンに向けて「新規開拓のための究極のリーダーシップ」を提供している。
著書に『たった20秒ではじめて会うお客さまの心をつかむ技術』(KADOKAWA)、『すごい交渉術』(SBクリエイティブ)がある。
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