地曳いく子『50歳、おしゃれ元年。』|〈あの頃〉をたなおろし〈今〉を選ぶ

こんにちは。オシャレ勉強中の あさよる です。当ブログでもオシャレに関する書籍を多数紹介してきました。あさよるもオシャレを実践しようと、まずはダイエット中です。そこからかいっ!……だって、今のままじゃ素敵なお洋服に袖が通らないもの……(;´д`)トホホ

いつでも〈「今」の自分〉を

本書『50歳、おしゃれ元年。』は、50代女性のファッションについて、ファッションスタイリストの地曳いく子さんが指南するものです。年齢と共に似合うものは変化してゆくのに、いつまでも昔似合ったもの、昔流行ったものを持っていませんか? 本書では地曳いく子さんご自身の反省や発見を織り交ぜて、「今」の自分に似合うものを選び取る大切さが説かれています。

オシャレの落とし穴として、意外とオシャレに敏感だった「オシャレ上級者」さんの方が、年齢を重ねると失敗しやすいんだそう。それは、なまじこれまで「オシャレのセオリー」を勉強しているから、いつまでも〈あの頃〉の自分に似合う服を選んでしまうそうです。

人間誰しも変化し続けるもので、今はもう〈あの頃〉じゃない。〈今〉の自分に似合う服、〈今〉のトレンドを取り入れないと。年を取るって憂鬱に思えることですが、「〈今〉のオシャレをする」って、前向きなメッセージです。だから今が「おしゃれ元年。」なのです。

スタメンを選びぬく力

本書『50歳、おしゃれ元年。』は50代以上の女性が読者に想定されています。きっと、これまでに買い集めた洋服やバッグ、靴、アクセサリーがぎっしりとクロゼーットに収納されているでしょう。中には、「これは一生ものだから」と高価なお買い物をしたこともあるでしょう。バブル期を経験なさった方は、今では考えられない買い物の仕方をされていたのかも。

しかし、地曳いく子さんはそのクローゼットの中身に警鐘を鳴らします。その洋服たちは、「〈あの頃〉の自分」「〈あの頃〉のトレンド」に合わせたものではないのか? 「一生もの」と買ったものは、本当に一生使うのか? 一つずつ見直そうというわけです。

「50代の自分」なんて想像できなかった20代、30代の自分が買った持ち物を使い続けるよりも、「〈今〉の自分」に似合うものを選び直しましょうよ、という提案。

そして、クローゼットは小さく、持ち物はコンパクトにしていこうとも呼びかけられています。自分の持ち物は、自分が死ねばみんな不要になる物です。選び抜いた〈スタメン〉だけを手もとに置いて、良いもの、似合うもの、使うものに囲まれて生きる。

「オシャレ」って「どう生きるか」

あさよるがオシャレに関する本を読み始めて驚いたのは、意外にも服装のコーディネートの写真や、服の選び方について書かれている分量は多くないことです。それよりも「どう生きるのか」「なにを選ぶのか」「どう振る舞うのか」などの、精神的な、人生観のようなものにページが割かれていたことです。

本書『50歳、おしゃれ元年。』も、確かにコーディネートのコツやアイテムの選び方も紹介されているのですが、やはり「生き方」や「選択」の話にページが割かれています。「オシャレな人」ってのは「自分はどう生きるのか」を自分の意志で選択している人なのかもしれません。

その一例として、地曳いく子さんのご友人Bさんのお宅の片づけを手伝ったエピソードが紹介されていました。

 知人Bの場合は一軒家を処分し、50代後半からワンルームマンションで暮らしています。生活用品のすべてのものが厳選され、カップ&ソーサーは2セット、食器類も2個ずつ。来客があっても、それで十分こと足りるのだそうです。
クロゼットも余裕があり、何でもすぐに探し出せます。病気をして生活スタイルが変わってからも、もう必要としなくなったものはすぐに人に譲ったりしていました。

(中略)

それにしても、ものを片付けるには、大変な体力と気力が必要。
今なら、私たちにはその両方があります。これから素敵な60代、70代を迎えるためにも、クロゼットのクロゼットのリセットをするなら、今がベストなタイミングなのです。

p.85-86

あさよるはこれを読んで「カッコいい!」と胸が高鳴りました。それは、Bさんがご自身にとって〈今〉必要な生活を選んでいることと、〈これから〉を見据えていると感じたからです。荷物が少なくコンパクトであることは「行動しやすい」ことでもあります。年齢問わず「変化する」ことはワクワクする一方で、恐怖を感じることでもあります。それでも「〈これから〉の自分」の受け入れる準備ができてるって、すごく前向きだ。

関連本

地曳いく子さんの本

オシャレに関する本

50歳、おしゃれ元年。

目次情報

はじめに

1章 心がまえ編~脱!「昭和おしゃれルール」

ばったり知り合いに会っても大丈夫な服を着てますか?
自分の体型&顔の“経年劣化”から目を背けない
“痩せていた35歳の頃の自分”はただの幻想と心得て
「昔、美人でスタイルがよい」人ほど罠に落ちている
まず「顔」!ファンデーションの厚塗りは今すぐやめよう
50歳からおしゃれの生命線は、実は「靴」だった!
時代は、コンサバからカジュアルに変わった!
目指すのは「ナイス&カジュアル=決めすぎない好印象な服」
「若作り」と「若々しさ」は違います
脱!「昭和おしゃれルール」。これからはワードローブ「オールスタメン主義」

2章 クロゼット見直し編~目指せ”!ワードローブのオールスタメン主義

服を大量に持っていることが最大の“敗因”
まずは「残す服」と「処分する服」を仕分ける。仕分けの基準は「靴」
靴のタイプからわかる、あなたにおすすめのファッション
定番の黒パンプスのつま先の形でファッションの傾向がわかる
「上品は胸」と「ゴージャスな胸」。体型は胸で決まります
「コレ、捨てられないんですけど病」の治療方法
捨てグセのつけ方。タイツから始めよう!
「思い出箱」に数年寝かせて、箱を開けずにさようなら
「一生もの」に縛られず、今、素敵に見えるものを残す
まめに手入れした名品とブランドバッグに限り「一生もの」もアリ
体力、気力のある50代でクロゼットをリセットすべし!
服は人を輝かせ、やがて寿命がくる

3章 ショッピングの鉄則編~ストップ・ザ・試着室での連敗

全員をきれいに見せる服はない。自分の服は自分で探して買うしかない
買い物は時間・体力・気力がある時限定!履き慣れた靴で行く
服を買う前に、化粧品売り場に直行?!
グロスひとつで「今な服」が似合う顔になる
買い物に夫の同伴、邪魔なだけ!
試着に連れて行っていいのは、口の悪い女友達や娘か息子
どんなに素敵な服も、試着しないとわからないことがある
流行のアイテムの「食わず嫌い」はもったいない
試着すればわかる、今どきのパンツの威力
50歳になったら、より洋服の「サイズ感」に敏感になろう
平成的カジュアルブランドのすすめ
「安いから買う」は今後いっさい禁止です
レジに進む前に[価格÷利用回数]の割り算を忘れるな
手ぶらで帰るのは「負け」ではない。むしろ勝者である

4章 おしゃれ実践編~じゃあ、何を着ればいい?

〈よくある質問編〉

「スカートが苦手なんですけど、どうしたらいいですか?」
「パンツが好きなら無理してスカートをはく必要はありません」

「いつも同じような色ばかりです。流行の色も着るべきでしょうか?」
「服は自分の得意な色でOK。トレンドカラーはバッグで取り入れて」

「何を着ればいいか迷ったと時、手持ちの服からどう選べばいい?」
「スタイリスト・メソッド=究極の消去法で着る服を決める」

「パーティにも旅行にも着ていけるのは、どんな服?」
「二兎を追う者は一兎も得ず」

「同窓会で、いつまでも若いね!変わらないね!と言われたい」
「張り切りすぎはNG。狙うなら1位より5位入賞を」

「夏の暑い時期、身体の線を目立たせたくないのですが」
「50代の夏のカジュアルはニュアンストップス1枚勝負!」

〈アイテム編〉

ニュアンストップスは、今やオールシーズンのスタメンアイテム
“はおりもの”だって進化しています
やっぱりスカート派、のためのスカート選び
2㎏痩せて見えるためのパンツ選び
オーバー50にとってデニムはマストアイテムではない
オーバー50ならではのコート選びと着こなし
自分に合うおしゃれなローヒールを探す
オーバー50のための小物力
旅に行く時のワードローブこそ究極のスタメン~スーツケースメソッド
50代、おしゃれ以前の身だしなみ

《下着》ブラ選びでバストポイントを2cmアップ
《姿勢》背中とわきを伸ばすストレッチで「前かがみ&老化」を予防
《手》1日に何度でもこまめにハンドクリームを塗る
《ヘア》自力でメンテナンスできる髪型にオーダーすることがポイント

おしゃれは人生を楽しむためにある

おわりに

地曳 いく子(じびき・いくこ)

1959年東京生まれ。文化学院専門課程美術科卒業。「non-no」をはじめ「MORE」「SPUR」「Oggi」などの数多くのファッション誌で30年以上のキャリアを誇るスタイリスト。“大人の女性”の服選びの第一人者であり、的確な理論から生み出される実用性の高いテーマに定評がある。最近はオリジナルアイテムもプロデュースし、ヒットを連発中。著書に『服を買うなら、捨てなさい』『50歳ファッション黄金セオリー』などがある。

コメント

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