『「良い質問」をする技術』|言いにくいことも話したくなる

こんにちは。コミュニケーション能力を底上げしたいあさよるです。人前で焦って喋りまくったり質問しまくって空回りの日々が続き、今や人前で「喋らない」という消極的な対策を取っています(苦笑)。沈黙を恐れないメンタルを目指してしまいましたw

しかし、相手が同等や目上の人に対してなら〈沈黙を恐れない作戦〉は使えますが年下の人の人に対しては、そういうワケにもいきません。ねぇ、ええ年齢の大人がムッスリ黙っていては、相手を委縮させるだけですね……。

先日『人を動かす人の「質問力」』を読んで、質問次第でひとを動かしたり、人との関係を変えてゆくんだなぁと知りました。もっと〈質問〉について考えてみたくなり、『「良い質問」をする技術』を手に取りました。

ジョン・C・マクスウェル『人を動かす人の「質問力」 この「問題意識」が結果を出し、組織を強くする』|すごいリーダーのすごい質問
こんにちは。人と受け答えが苦手な あさよるです。人からの質問に答えることはできるけど、あさよるから質問をするのが苦手なんですよね……(-_-;)> 気が利いた質問ができれば、人とのコミュニケーションももっと楽しめるのになぁ~といつもヤキモキ...

人は質問に支配されている

著者はエグゼクティブコーチとして、コーチングのプロ。すなわち質問のプロです。そのエグゼクティブコーチが、成功する人は「良い質問」をする「質問力」を持っていると解説します。

また、自分自身への質問も重要です。

 何百人もの社長にお会いし、直接お話をしてきた私は、「質問」ことがその差を生んだと確信しています。
極論すると、社長になる人は、「自分が社長だったらどうするか?」「自分が社長なら、この問題にどう対処するか?」といった質問を、他の人よりも多く自分自身に投げかけ続けてきたのです。

p.22-24

自分への問いかけ次第で、自分のなかのイメージまで変わっていってしまうんですね。

同じように、他人への問いかけ次第で、他人の行動を変えてしまうということです。「悪い質問」をすれば、他人の意欲をそいだり、行動を委縮させてしまいます。

「良い質問」を知ることは「悪い質問」をやめることでもあるでしょう。

 私たちは意識的な行動をとる前に、自分自身に質問をすることで意思決定をしています。
(中略)
人間がどのような行動をするかは、自分自身に対する質問の内容次第で決まるのです。
ということは、「質問を変えれば、行動も変わる」ことになります。

「良い質問とはなにか?」という問いへの私の回答もここにあります。
問われた人が思わず答えたくなる、新しい気づきを与えてくれる質問こそが「良い質問」なのです。

p.16-17

質問の力は偉大です。本書内で以下の動画が紹介されていました。可能であればぜひご覧ください。

Q.エレベーターホールで男女がバスケットボールをしています。〈白いユニフォームの人たち〉が何回パスをしているか数えて下さい。

ぜひ一度ご覧になってから回答を見ていただきたいです。というのは、この動画にはある〈仕掛け〉があるからなのです……。

ちなみに、白い服を着た人は15回パスをしています。しかし、大事なのはそこじゃない!

動画の中で、ゴリラの着ぐるみを着た人が堂々と画面を横切っていきます。結構長い時間画面の中にいます。しかし、パスの数を数えることに夢中になっていると、ゴリラの存在に気づかない人がいるそうです。

あさよるはネタバレを読んでから動画を見たので、「これに気づかない人がいるの!?」とナゾすぎるのですが、質問って思い込みを誘導しちゃうんですね。悪い質問は事実を見逃してしまうということです。

「良い質問」の入門編

さて、あさよるはあまりコーチングについて知らないのですが『「良い質問」をする技術』は、人への質問やコーチングを紹介する本としては、初歩の初歩を扱っている書籍のようです。あさよるが読んでもわかるようなたとえ話や例が挙げられていますし、専門的な話はありません。

誰にでも簡単に読める一方で、もう少し突っ込んだ内容を知りたい人には初歩的すぎるんじゃないかと思います。

コーチングとは良い質問をし〈気づき〉を与えるもの、コンサルティングとは〈アドバイス〉を与えるもので、これらは違う、ということを知りました。

「良い質問」とは?

質問の種類を4つに分類されています。

  • 良い質問……気づきがある、答えたくなる
  • 軽い質問……気づきがない、答えたくなる
  • 重い質問……気づきがある、答えたくない
  • 悪い質問……気づきがない、答えたくない

まず、軽い質問は信頼関係を築く前に有効な質問です。成功体験を聞いたり、軽くて答えやすい質問をします。自己紹介や挨拶がわりの質問ですね。

重い質問は、答えにくいことをあえて質問します。ですから、お互いの間柄や信頼関係が重要です。しかし、口にしたくない事柄を顕在化すべきこともありますから、重要な質問でしょう。

悪い質問は信頼関係を失います。突然出し抜けに「年収いくら?」とか「結婚しないの?」とかプライベートなことや、その場に相応しくない質問をされると、警戒をしたり嫌な気持ちになります。

そもそも相手に質問の意図が伝わらない質問は、それはただの〈ひとりごと〉ですから質問に数えません。

そして「良い質問」とは。「軽い質問」に〈気づき〉が生れると「良い質問」に変わります。「重い質問」が答えたくなるものになると、「良い質問」です。

自分が○○だったら

質問の答えがネガティブなものだったら、誰も答えたくありません。

例えば「宿題まだやってないの?」というお母さんからの質問に、答えたくないのが子の心情(苦笑)。しかし、少し質問を変えて「宿題もう終わったよね」だったら、少し受け止め方が違うかもしれません。前者は糾弾するようなニュアンスがあるので反発してしまいますが、後者だとただの確認に聞こえるからです。

質問とは、ほんのちょっとのニュアンスの違いで、意味がどんどん変わってゆくのかもしれません。

自分も、その時々で「もし○○だったら」と立場を入れ替えて質問を考えると良さそうです。例えば、「宿題まだやってないの?」と聞かれる子どもの立場になってみたり、お母さんはなにを聞きたいのか母親の立場になってみたり。

自分が社長だったら、社員にどんな質問をするだろうか。Google社の社長だったら?成功する人物は周りの人たちにどんな質問をするんだろう?

「質問の力」には大きな力がある。それを知れるのが本書『「良い質問」をする技術』でした。

「良い質問」をする技術

目次情報

はじめに

日本で一番、質問をする仕事
「質問の差」が「人生の差」になる

第1章 質問はなぜ重要なのか?

「良い質問」とはなにか?
「良い質問」は人生を変える
「社長になる人」は自分にどんな質問をしていたのか?
質問の重要性がわかる「○○○の実験」
「良い質問」で得られる「ひらめき」と自発的行動
なぜ、質問は強く人をとらえるのか?
質問力は人の評価を大きく左右する
質問は人と人との関係を対等にする
質問はチーム作りに役立つ
質問が会社の文化と風土をつくる
質問は「内在化」する
「良い質問」をするのに、特別な知識やスキルはいらない

第2章 質問は四つに分けられる

質問を四つに分ける基準とは

1.軽い質問(答えたい/気づきがない)

「軽い質問」の特徴
「軽い質問」を意図的に使い、「良い質問」の下地をつくる
「軽い質問」で情報収集を
成功体験を聞くと、「軽い質問」になりやすい

2.悪い質問(答えたくない/気づきがない)

「悪い質問」の特徴
否定のメッセージが「悪い質問」を作り出す
「下心」を伴った質問は見透かされる

3.重い質問(答えたくない/気づきがある)

「重い質問」の特徴
「重い質問」は他責から自責へと気づきを促す
プライベートなことを聞く方法
大きな変化をもたらす、二つの「重い質問」

4.良い質問(答えたい/気づきがある)

「軽い質問」「重い質問」から「良い質問」へ
「誰にとっても良い質問」はない
「良い質問」の特徴と具体例

①本当に手に入れたいものを聞く質問
②仕事の大義を聞く質問
③言葉の定義を聞く質問
④反対の概念を聞く質問
⑤当たり前と思っていることを疑う質問
⑥立場を変えてみる質問
⑦今と未来について聞く質問
⑧「良い質問」はオープン・クエスチョン

第3章 「良い質問」をするコツ

言葉以外のメッセージをやりとりする
質問は流れにあわせてその場で考える
いろいろな質問はしても、アドバイスはしない
質問はノイズをなくして、「私」が聞きたいことだけにする
「あなた」について質問する
「私」を主語にしたフィードバックを返す
想定外の答えへの対処法
ネガティブな質問をしない
「重い質問」を「良い質問」に変える方法
不要な「前置き」を言わない
質問に適したTPOを見極める

第4章 「良い質問」の作り方

一〇分でわかる個人の質問の傾向
「良い質問」を作るための基本戦略
「良い質問」は「内在化した質問」の近くにある
相手の「三つのV」に注目する

①ビジョンはなぜ重要なのか
②バリューはなぜ重要なのか
③ボキャブラリーはなぜ重要なのか

「三つのV」のキーワードと疑問詞を組みわせて質問を作る
カードを使って簡単に質問を作り出す

おわりに

「良い質問」を自分にも投げかけよう

①自分の「三つのV」を探る
②自分に質問をする時間をとる
③自分に定期的に質問する

子どもに与えたい「良い質問」

粟津 恭一郎(あわづ・きょういちろう)

株式会社コーチ・エィ取締役
中央大学大学院戦略経営研究科 客員教授
国際コーチ連盟(OCF)プロフェッショナル認定コーチ
一般財団法人生涯学習開発財団 認定マスターコーチ

滋賀県大津市出身。ソニー株式会社にて人事、経営戦略等を担当。イギリス及びドイツに駐在。2004年に株式会社コーチ・エィ入社。主に大企業経営者、次期経営者を対象としたエグゼクティブコーチとしての活動時間、クライアント数は国内有数の実績を誇る。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際経営学専攻修了。

コメント

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