2015年の箱根駅伝、あさよるも中継をたまたま(ほぼ)全編見ておりました。一切のスポーツ観戦はあまりしないタイプですが、伝説の回を偶然にもリアルタイムで目撃しちゃった!という、貴重な経験をしました。あの時の盛り上がりは今でも思い出しますから、よくわからん人が見ても「すごい」レースだったのでしょう。
一躍スポットライトが向けられた青学陸上部の監督・原晋さんが注目されました。あさよるも原晋さんの言葉を聞いてみたいなぁと、『逆転のメソッド』を手に取りました。
多くの人が励まされる「逆転のメソッド」
箱根駅伝優勝を導いた青山学院大学陸上競技部監督・原晋さんのエッセイは、多くの読者が励まされるのではないかと思います。
原監督は、幼い頃に大きな怪我をした時に強く「走りたい」と感じ、その後はずっと陸上を続け、大学の陸上部から中国電力に入社し陸上競技部に所属します。ここまでは順風満帆に見えますが、足の捻挫をきっかけに陸上部を退部し、営業部へ配属されます。ここで「挫折」に思えますが、新しい仕事に地道に取り組んだことが、後の成功へ繋がるのです。
地道に一つ一つ目の前の仕事に取り組んでいたら、青学陸上部監督の話が手元に回ってきた。それまでメゲずに、腐らずに仕事をし続けてきたからこそのチャンスです。
営業の仕事は正直不本意だったでしょうが、その頃に身に着けた知識や考え方が、陸上部の監督に活きたというのです。陸上部の雰囲気は、ともすれば閉鎖的で古臭いそうですが、風通しのよい、精神論ではなく結果を引き出す環境を整備したことも紹介されていました。
これは、もし今、不本意な立場にあったとしても、今身に着けた知識や経験は将来役立つのかもしれないんだなぁと思いました。地道に真面目に仕事に取り組み続けたからこその結果です。
サクッと読める
本書『逆転のメソッド』は新書で軽く読めちゃうのもいいなぁと思います。語り口も軽やかで、説教臭くもなくサクッと読めます。
ですから、今スポーツをやっている子どもたちも読めるところがポイントじゃないかと思います^^ そういう意味で「誰でも読める」ってイイネ!と感じた次第です。
成功体験は気持ちいい!
やっぱなんといっても『逆転のメソッド』は著者の成功体験が記されているってのが気持ちいい。前職を退職し、背水の陣での陸上部監督への転職。さらに、成績が出ないと解任になるところを首の皮一枚でつながり、そして、2015年の箱根駅伝優勝への物語。
超ドラマチック!
成功体験ってね、ひょっとすると自慢話に聞こえたり、説教臭くなったりすると思うんですよ。でも、嫌な感じ一切なく、最後まで読めました。むしろ清々しい!
逆転のメソッド 箱根駅伝もビジネスも一緒です
目次情報
はじめに―駅伝もビジネスも同じである
第1章 選手時代の栄光と挫折
なぜ陸上を志したか
全国高校駅伝準優勝の快挙
日本インカレで三位に入賞
中国電力陸上競技部の一期生に
故障と挫折の日々、そして引退第2章 「提案型」営業マンの伝説
配属先は営業所
営業の面白さと出会う
社内公募に合格する
エコ・アイスを売り込む
伝説の営業マンの販売メソッド
ベンチャーの立ち上げに参加
五人のアウトロー
三方一両解くのビジネスモデル
まさかの青学監督の話が来た
退路を断って挑む
プレゼンが成功し、監督就任へ第3章 箱根駅伝優勝への道~ゼロからの大作戦
規則正しい生活から
三年目の廃部・監督解任の危機
薄皮一枚でクビがつながる
箱根駅伝のイロハ
理想が見えてきた
スカウトの極意
陸上競技の特性第4章 青学は、なぜ優勝できたのか
ピーキングというトレーニング
キャプテンはどう決まるか
栄光の箱根駅伝優勝を振り返る
選手配置の処方箋
選ばれなかった理由とヒントを伝える
悲願の専用グラウンド
ステージ4までの組織づくり
忘れてはならないマネージャーの力
新たなチャレンジへ第5章 「逆転」を生み出す理論と情熱
スポーツにも理論が必要
情熱が人を動かす
ガキ大将的な気質
営業マンで得たもの
部活・即・就活
ビジネスマンへのアドバイス
人生逆転のメソッドおわりに
原 晋(はら・すすむ)
青山学院大学陸上競技部監督。1967年、広島県生まれ。広島・世羅高校では主将として全国高校駅伝準優勝。チュ京大では3年生の時、日本インカレ5000mで3位入賞。89年に中国電力陸上競技部1期生で入部、5年で選手生活を終え、サラリーマンに。実績を上げて「伝説の営業マン」と呼ばれる。チーム育成10年計画プランのプレゼンを買われて、2004年より現職。09年に33年ぶり箱根駅伝出場、15年に同校を箱根駅伝初優勝に導いた。
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