こんにちは。どんどん秋が深まっていますがお元気でしょうか。季節の変わり目は眠くて仕方がありません。なんか元気が出るような本を読みたいと『仕事が夢と感動であふれる5つの物語』を手に取りました。元気の出る本を読みたいけれど、普段小説や物語を読まない人には本書はおススメです。
元気が出る5つの物語
本書『仕事が夢と感動であふれる5つの物語』は、追い詰められた状況の中、それでも夢を選んだ人たちが、周りの人たちに後押しされ夢をかなえてゆく物語が5篇収録されたビジネス書です。ビジネス書といっても、具体的にビジネスで成功する秘訣が紹介されるわけでなく、あくまで「夢が叶ったお話集」。読んでいるだけで元気が出るようなお話です。
- 馬車のパレード
乗馬クラブの廃止が決まり、馬車馬だった「ダイちゃん」の引受が決まりません。このままでは殺処分になってしまうと、乗馬クラブスタッフだった八丸さんが財産を投げうち「ダイちゃん」を引き取りました。当初、乗馬ウエディングをしようと試みますが、上手くいかない。起業家セミナーに参加すると、最初は甘い考えにバッシング。しかしそれでも八丸さんは夢を語る熱意に周りの人も心動かされ、ダイちゃんは町おこしの定期運航馬車の馬に任命されました。
八丸さんの夢は「馬車ウエディング」ではなく、「ダイちゃんと働き続けること」でした。夢を忘れずブレなかったから「定期運航馬車」という仕事がやってきたのです。
- 日本一のパパ
ラーメン店を開業した木村さんは、店の状況が悪く苦境に立たされていました。ある日、帰宅すると子どもがたどたどしく「日本一のパパ」と言うのです。木村さんは心打たれ、翌日スタッフを集め「これから全てを変える」と宣言。「まず変わらないといけないのは自分だ」とも。そうやって、新しいメニューもどんどん増えてゆきました。
子どもが「日本一のパパ」って言うのは、きっとママが子どもにそう言うからでしょう。夢を諦めなかったのは、木村さんの奥様も同じだったのかも。
- 今日の言葉
山口部長はお客さまから出禁になってしまい、部下たちにも申し訳なくとても落ち込んでいました。しかし誰よりも落ち込んでいるはずの山口部長が「今日の言葉」として人を励ます言葉を発表しました。その様子に部下たちも心打たれ、職場にこれまでにない一体感が生まれ、怒らせてしまったお客様からも、やっとお許しをいただけました。
山口部長が周りの部下たちを動かし、〈みんなで〉仕事をしていると再認識でしたエピソードです。
- はじめての神輿担ぎ
居酒屋店長を任された加藤さんは、はす向かいの住人に頭を悩ませていました。店前で話をしていると「うるさい」と怒鳴り込んでくるのです。店員と手分けして、その人の家の前の掃除をしたり、誠意を見せ続けていましたが怒りはおさまらず三日に一度は謝りに行かねばなりません。あるとき、そのお宅の壁に神輿の担ぎ手募集の張り紙がしてあるのを見つけ、居酒屋から10人参加しました。結果、町内会から感謝され、来年も参加してほしいと頼まれるほどでした。
この話の面白いのは、怒鳴られてる様子を見て、「お宅のお店、なにか地域でトラブルでも起こしているの?」とお客さまから言われる始末。しかし、町内のお祭りに参加したことで、居酒屋が地域に溶け込んだのです。ということは、怒鳴り込んでくる隣人との関係が、間接的に変化したということですね。
- 菜の花鉄道
有名実業家の三代目に生まれた香川さんは、地元の単線が存続の危機にあることを案じ、線路沿いに菜の花がずっと咲いていたらきれいだろうと思い立ちます。鉄道会社に連絡し、「花を植えて電車に乗る人が喜んでくれればいい」と申し出ました。鉄道会社には数々意見は寄せられますが「わたしがやる」と申し出たのは香川さんだけでした。香川さん呼びかけに輪が大きくなり、三年後にやっと菜の花が咲きました。
菜の花鉄道には吉岡さんという賛同者がいました。しかし吉岡さんは病気で途中でリタイア。吉岡さんの事業を香川さんが引き続ぐことになりました。香川さんは、菜の花鉄道を実現する夢に邁進するうちに、事業を引き継ぎ、新しいスタートを切ることにもなったのです。
はじまりの思いと、行動が変化してゆく
夢をかなえた人の話が興味深いのは、ハッキリと夢を持っていると、手段や目的が変わってしまっても平気だし、問題にならないということです。例えば「日本一のパパ」になろうと夢を定めた木村さんは、店を頑張っても、店を畳んで転職しても、夢を追う、すなわち「日本一のパパを目指す夢」は変わりません。
また、店員を神輿担ぎを申し出た加藤さんは、意外な形で願いが叶いました。自分たちが地域社会に溶け込むことで、厄介なクーレマーはやりにくくなったでしょう。
スケールが大きいのは「菜の花鉄道」ですね。線路沿いに菜の花を植えるという、なんの儲けも得もなさそうな「夢」ですが、その夢をかなえる道中で多くの人と出会い、出会いの中で新しい事業や仕事も与えられてゆくのです。
夢は〈周りの人〉を動かしてゆく
本書を読んで印書的だったのは、主人公が夢を持って行動し始めると、周りの人の対応や考え方も変化してゆくことです。夢って、周りの人まで変えちゃうパワーがあるの?
そうとも言えるし、自分の認識が変わると、周りの人の声がみんな声援になってしまうとも言えます。「今日の言葉」の山口部長がそうですね。山口部長はお客様に叱られたからこそ、部下たちと向き合い一致団結できるようになったとも言えます。
クレームやヤジでさえもファンファーレになってしまうって、何気に最強。
なんのためのお金?なんのために働くの?
本書の後半には〈人生を変える「夢の力」〉という章があります。そこには、どんなに不遇でも自分のとらえ方が変われば、置かれている環境も変わること。そして「諦めない理由」がある夢は、実現するってこと。「諦めない理由」ってのが大事ですね。先ほどの話だと「日本一のパパになる」は諦めない理由になるうる夢です。
そこまでイメージできない夢は、まだもっともっと突き詰めて考えることができるのかもしれません。
最後に〈夢を持つと変わる、7つのこと〉という項があったので紹介します。
- (1)景色が変わる - 自分の意識が変わると景色が変わって見える
- (2)苦手な人も必要な人に変わる - 自分が成長しようとすると、苦手な人が有難い人になったりする
- (3)経営資源が集まる - 夢を持つと必要な知識、技術、人脈などが集まってくる
- (4)時間が増える - 優先順位が変わり、集中力が高まり、無駄な時間がなくなる
- (5)勇気が出る - 厳しい状況でも動揺せず前進できる
- (6)すべての過去が意義あるものになる ― 過去は未来のためにある
- (7)能力を引き出す - 人は社会に貢献するために働ける生きもの。人間本来の可能性を発揮する
ズラッと眺めているだけでも元気が出ますね(^^)/
仕事が夢と感動であふれる5つの物語
目次情報
まえがき
仕事が夢を感動であふれる5つの物語
【第1話】馬車のパレード
【第2話】日本一のパパ
【第3話】今日の言葉
【第4話】はじめての神輿担ぎ
【第5話】菜の花鉄道人生を変える「夢の力」
小さな夢にも人生を変える力がある
夢の見つけ方
夢のかなえ方
夢はみんなでかなえるもの
夢を持つと変わる、7つのことあとがき
福島 正伸(ふくしま・まさのぶ)
1958年東京都墨田区生まれ。早稲田大学卒業後、コンサルタント会社に就職するも同月退社。その後、様々な事業に挑戦し、1988年株式会社就職予備軍(現。アントレプレナーセンター)設立、代表取締役に就任。通産省産業構造審議会委員を始め、数々の委員を歴任。
自律型人材の育成、組織活性化や新規事業立ち上げ、地域活性化支援の専門家として、これまで20年以上に渡り、日本を代表するいくつもの大手企業、全国の地方自治体や大前研一の「アタッカーズ・ビジネススクール」などで、約5,000回、延べにして20万人以上に研修、講習を行なう。受講者からは「人生が変わった」という声が後を絶たない。
「他人の成功を応援すること」を生きがいとしており、企業経営者、ビジネス書のベストセラー作家など、多くの人から「メンター」と慕われる。
主な著書に、ベストセラーとなった「どんな仕事も楽しくなる3つの物語」(きこ書房)「メンタリング・マネジメント」「企業家精神」(ダイアモンド社)、「感動と共感のプレゼンテーション」「企業学」(風人社)「小さな会社の社長のための問題解決マニュアル」(PHP研究所)など。
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