『古生物たちのふしぎな世界 繁栄と絶滅の古生代3億年史』|古生物知識をアップデートするのだ

こんにちは。幼稚園児だったころ「海の生きものを作ろう」というテーマの工作で、せっせとウミサソリやチョッカクガイを作っていたら、保護者呼び出しになった あさよるです。先生曰く「サソリは砂漠の生きもので、海にはいません」と言っても聞かなかったそうで(;´・ω・)コマッタモンネ

ウミサソリは、古生代に生きたサソリみたいな形をした生きものですぞ!

こんなエピソードがあるくらい、小さなころからどうかしてるくらい繰り返し繰り返し読みまくったのが、古生物や恐竜の図鑑でした。昆虫や植物図鑑も愛読していましたが、ダントツだったのがコレ!Amazonで書影を探すと一冊だけヒットした、我が原風景。

恐竜だけじゃない!古生物

「古生物」と聞いて何を思い浮かべますか? 昔の地球に生きた生きものと言えば、恐竜!ティラノサウルス!って連想する方が多いのではないでしょうか。本書『古生物たちのふしぎな世界』で紹介されるのは〈古生代〉と呼ばれる地球の時代区分に生きた生きものたち。恐竜よりもっと古い時代の生きものたちです。

 約5億4100万年前にはじまった古生代。
その中には六つの地質時代が存在した。私たち哺乳類を含む脊椎動物の祖は、カンブリア紀において魚の仲間として誕生し、オルドビス紀には鱗をもち、シルル紀にはあごをもった。デボン紀になると海洋の支配権を確立。そして、陸上への進出を開始した。石炭紀を経て到達したペルム紀には、単弓類が地上生態系の覇者となり、我が世の春を謳歌するに至った。単弓類は哺乳類の祖先を含むグループである。すなわち、私たちの祖先仲間たちは“天下”をとりかけた。
だが、しかし、その栄華は長くは続かなかった。

p.228

その後、ペルム紀に大量絶滅が起こり、海に住んでいた生きものの81パーセント以上、計算によっては96パーセントが絶滅してしまいます。古生代の終わりです。ちなみに、ペルム紀の大量絶滅の理由はまだ定説がないようです。この大量絶滅事件ののち、恐竜たちが登場する中生代が始まります。

本書は、生命が多用な進化を遂げた中生代に生きた生物たちを紹介します。イラストもたくさん使われていて、目で見ているだけで楽しいんです!

恐竜の本と比べると、古生物だけの本ってありそうで少ないですよね。

カラー図解!たっぷり読める!

本書『古生物たちの不思議な世界』のいいトコロは3つある!

  • 古生物ばっかり!
  • 文章もボリュームがある!
  • 復元イラストもめっちゃいっぱいある!

胸熱!さすがブルーバックス!ヒューッ!(歓声)

解説は大人向けで、読みこなせるのは中高生以上かな?ガンガン次から次へ古生物語りが展開されていて夢中で最後まで読んじゃいます。

あさよるのようなモグリですと、アノマロカリスみたいな形をしてるのは全部「アノマロカリス」と呼んでいたし、三葉虫的なものはみんな「三葉虫」と思ってましたが、それぞれカタカナのカッチョいい名前が付いていますし、それぞれの解説も細かく。

それにしても、古生物の復元イメージのイラストも、どれも超カッコよく描いてあって、「カッコ良すぎへん!?」とツッコミたいw そもそも日本語でいうトコロの「虫」に当てはまるようなものを「ステキ!」「シビレル!」って感激しちゃう感性を持っている人は、復元図もカッコよく描きすぎているのではないかとw 思うのですよ。それくらいカッコいいし、カッコ良すぎる!

好きな古生物語りキボンヌw

さてみなさん、それぞれ古生物に関する〈自分語り〉をお持ちでしょう(そうか?)。みなさんの古生物知識をアップデートしつつ、熱い思いをたぎらせてください。

あ、アップデートと言えば、かつては「哺乳類は爬虫類から進化した」と学校で習いましたが、現在では「単弓類」から哺乳類に進化したと習うそうです。

 そもそもあなたは「脊椎動物の進化」をどのように学校でならった記憶があるだろうか?
最初に「魚類」があり、そこから「両生類」が進化して、両生類から「爬虫類」が生まれた。そして、爬虫類から「鳥類」と「哺乳類」が生まれた……。
もしもまだ、そんな考えをお持ちなら、残念ながら改める必要がある。
近年の考えでは、そもそも「魚類」という単一の分類群は存在しない。(中略)
そして、哺乳類は爬虫類から進化したのではなく、哺乳類の祖先を含むグループである「単弓類」が両生類から進化したと考えられている。そして単弓類からやがて哺乳類が生まれる、というわけだ。

p.207

研究は進んでいるんです!時たま新たな情報仕入れとかなきゃ、おいてかれちゃう!

カラー図解 古生物たちのふしぎな世界 繁栄と絶滅の古生代3億年史

目次情報

そして、「古生代」へ

第1章 勃興

物語の幕が上がる
部品の化石?
化石の王様、登場する
幻惑するもの
動物たちにいったい何が起きていたのか
“史上最初の覇者”アノマロカリス
一つ目、四つ目、五つ目、瓢箪型
どのような景色を見ていたのだろう?
カンブリア爆発
完成されていた内部
そのとき我らが祖先は……

第2章 節足動物と軟体業務の支配

時代は第2幕へ
最近注目のフェゾウアタ
“カンブリア生物”の生き残り
新たな節足動物の台頭
そして、三葉虫は立体的にになる
新興勢力「頭足類」
まだまだ弱者だった我らが“祖先”
第1の大量絶滅から一夜明けて
“カンブリア動物”の生き残りが火山灰の中に
王蟲と子連れ
築かれた“ウミサソリ王国”と、生き残り三葉虫類
サカナ、“頭角”をあらわす?

第3章 革命

変化の時代
カンブリア紀の“最後の生き残り”
“魚たちの時代”の到来
アンモナイトの祖先。丸くなる
三葉虫類、最後の“大抵抗”
第2の大量絶滅事件
そのとき、陸上世界では……
脊椎動物の上陸大作戦

第4勝 祖先たちの王国

最初に名づけられた時代
先陣
大森林
大森林の住人たち
最後の時代
最強の両生類、登場
爬虫類は空圏、水圏へ
単弓類、覇者となる
“剣歯”登場

エピローグ

“終わり”がやってきた
その後……

シーンイラスト解説
もっと詳しく知りたい読書のための参考資料
索引
本書のカバーに登場する古生物

土屋 健(つちや・けん)

オフィス ジオパレオント代表。サイエンスライター。埼玉県生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。その後、科学雑誌『Newton』の記者編集者、サブデスク(部長代理)を経て2012年に独立し、現職。近著に『古第三紀・新第三期・第四期の生物』(上下巻:技術評論社)、『世界の恐竜MAP 驚異の古代生物をさがせ!』(エクスナレッジ)、『ザ・パーフェクト』(誠文堂新光社)など多数。

田中 源吾(たなか・げんご)

一九七四年、愛媛県生まれ。島根大学理学部地質学科卒業。博士(理学)。専門は古生物学。群馬県立自然史博物館・学芸員、海洋研究開発機構・研究技術専任スタッフ、熊本大学合津マリンステーション・特任助教授を経て、現在、金沢大学国際基幹教育院・助教。著書に『化石の研究法』(共立出版、分担執筆)、『古生物学事典』(朝倉書店、分担執筆)。

コメント

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