『見てる、知ってる、考えてる』|大人げなく「ひと言モノ申~す!」

こんにちは。本選びはまかせろ!……といい気になってた あさよるです。最近ね、いい本ばっか読んでたから「本選びも上手くなったもんだなぁ。はっはっは」と思ってたんですよ。うぬぼれです……&

本書『見てる、知ってる、考えてる』は結構前から積んでいたのですが、「どうせよくある自己啓発本でしょ」と思い込んでいて、手が伸びていなかったのでした。最初のページをめくって、「はぁああ~!!!何もわかっていなかったぁぁぁ!!」と打ちのめされるところから始まった今回の読書w

なぜか「本書を読むと自分語りがしたくなる」という魔法がかかった本なのです。不思議ですが、あさよるもアレやコレや、自分の思い出話や人生訓みたいなのが頭をグルグルしています。普段、こんなこと考える人じゃないのにな。

子どもが「見てる」「知ってる」「考えてる」こと

著者の中島芭旺さんは2005年生まれで、本書を執筆し始めたのはなんと9歳の頃だったそうです。執筆のきっかけは、自らサンマーク出版の編集長に、お母様のFacebookアカウントを使ってコンタクトを取ったことから始まったそう。

本書はよくある自己啓発本です。たった一つだけ「著者が小学生である」こと、この一点が決定的に違います。ただ、子どもが書いた本だからといって、幼稚な文章が並んでいるわけではありません。大人であろうと子どもであろうと、誰しもが葛藤を抱き、苛立ち、甘え、親しい人に感謝もするし、八つ当たりもして、まるで一貫性がないかのように生きています。その様子が「らしさ」だろうし「人間味」でしょう。

本書『見てる、知ってる、考えてる』でも、著者・中島芭旺さんがグルグルと同じ場所をさまよいながら、グラグラと揺れ動く〈ココロ〉を描き出そうとしている様子は、エッセイとしても読めます。

子どものココロ、わかる?

子どもというのは、大人の目から見ると「何も考えていない」「何も分かっていない」ように思えます。だってたった数年前にこの世にかけらもなかったものが、自分と同じように見て、知って、考えてるだなんて! まさか信じられない大成長です。だけど、その大成長しちゃうのがヒトの子なんですね。生命の神秘!

本書は「子どもが何を考えているのか」を知るよいテキストかもしれません。大人から見れば9歳10歳の子どもなんて赤ちゃんみたいに思っちゃいますが、実際にはよく見て聞いて、本を読みかじり、少ない情報の中からでも自分で考え、自分なりの思想を持っているんです。中島芭旺さんは彼の能力や周囲の環境、タイミングが重なって、書籍の形で出版するってことをやってのけて、今こうして多数の大人の目に触れているのです。

〈「子ども」というナゾの存在〉を知るための、良い資料にもなるでしょう。

子どもの危うさもわかるかも

ちょっと極端な話ですが……と前置きをして。「ママを選んで生まれてきた」「前世では」と、生や死に対する考察も、子どもは独特な思想を持ってたりします。大人の常識で考えれば〈言葉のアヤ〉のようなつもりで聞いていますが、子どもは至って真剣だったりもします。

子どもがあっけなく命を絶ってしまうのも、「生まれ変われる」「またママの子どもに生まれる」と本気で信じていたりもします。あえてこの言い方をしますが、著者も「たかが学校に生きたくないだけで」死を考えていたと言います。

だからこそ、本書で繰り返し語られる「今こそが大事」「幸せは自分の考え方次第」と強調されているのではないでしょうか。著者が子どもだからこそ、他の子どもたちに呼びかけられる言葉なんだろうと思います。

誰もが通った道……かもしれない

さてさて、あさよるは本書をつらつら読みながら、胸がチクチクとゆるく痛いw なぜならば、これは「自分も通った道」だったからです。あさよるも、編集者に打診はしなかったものの、こんな文章は山ほど夜な夜な書き溜めていました。たぶん、多くの大人たちも多れ少なかれ「作家」だった時代があったハズ……昭和時代の大人たちは〈マル秘〉の大学ノートに思いの丈を綴ったものなのです(*`ω´*)イイキッタ!!

こんな瑞々しい言葉たちを、本にまとめてしまった中島芭旺さんが羨ましいし、やっぱその行動力が凄い!あとネットネイティブすごい!

(ちなみに、ずっと昔まだ「blog」がなかった時代、あさよるが持っていた「ホームページ」名前と本書タイトルと似ているのもクラクラしたところw HPにアレコレ書き綴っていたのです)

思わず「なにか言いたくなる」一冊

本書『見てる、知ってる、考えてる』のレビューをつらつらっと見たのですが、みなさん、本書を読むと「なにか言いたい!」って刺激されるようですね。人の心をそこまでかき乱し行動させるのは、なかなかのエネルギーです。それは本書のパワーなのか、著者のパワーなのか。

「子ども」と一口にまとめても、その内訳はいろんなヤツがおるのです。それは「大人」と一口にまとめても、いろんなヤツがおるのと同じです。子どもが大人になるわけですから。「子ども」の中にも、利口なヤツや、マセてるヤツや、知恵の回るヤツもいるし、そうでないヤツもいる。十把ひとからげに「子どもは○○だ」と言っても意味がない。

あさよるも〈「子ども」をやるのが苦手な子ども〉だったので、著者が言わんとしていることは、なんとなく思い当たる。いや、年齢だけは立派な大人に「共感するよ」なんて言われたくないだろうけれども。それに、〈「子ども」をやるのが苦手な子ども〉だったくせに、未だに〈子どもみたいな大人〉をやっておるので、偉そうなことは言えましぇん><

ね!こんな風に、昭和のオジサンオバサンが自分語りをしたくなっちゃう本なのよ。

見てる、知ってる、考えてる

中島 芭旺(なかしま・ばお)

2005年生まれ。10歳。小学校へは通学せず、自宅学習という方法をとっている。「自宅で選択して学習」「好きな人から学ぶ」がモットー。9歳のときから著名人のセミナーにひとりで出かけるようになり、あるとき本を出すことを決意、10歳にして初の著書『見てる、知ってる、考えてる』(サンマーク出版)を刊行することになった。ツイッターでつぶやく言葉があまりに深くて、「小さなからだの哲学者」と呼ばれることも。
ツイッターアカウント:@bao829

コメント

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