メンタリストDaiGo『週40時間の自由をつくる 超時間術』|時間がない、はウソ。時間の使い方

メンタリストDaiGo『超時間術』挿絵イラスト 仕事に役立つ本

こんにちは。あさよるです。「あれしてこれして」と考えていたのに、ハッと気がつくと辺りは真っ暗、もう寝る用意しなくちゃ! ということがよくあります。有意義に休みの時間を使いたいのに、時間がたっぷり使える時に限って、時間の無駄遣いをしちゃうんですよね……。

ということで、メンタリストDaiGoさんの『超時間術』は読みたかった。メンタリストDaiGoさんの本は読みやすく、「おおお!がんばろう!」ってなんかヤル気になるので好きです^^ あと、DaiGoさんのYouTube配信も時々見ているので、本で追っかけられるのがいいですね。

時間は、ある!

メンタリストDaiGoさんの『超時間術』は、時間に追われる現代人にとって朗報でしょう。なぜなら「時間がない」のは錯覚で、実はわたしたちには潜在的に使える時間を持っていると知れるから。もし、なにかにチャレンジしたいのに「時間がない」と諦めようとしている人がいるならば、本書を読んでから考えてみても遅くないでしょう。

「多忙な人ほどゆったりとした時間を過ごす」という話は聞いたことがあります。多くの人は朝の出勤前の時間や、食事の時間にも追われています。しかし、目も回るような多忙を極める人ほど、朝にシャワーを浴びたりコーヒーをゆったり飲んだり、家族と食卓を囲んだり、仲間と食事を楽しむ習慣を持っているという話です。むしろ、そうやって気分の切り替えや、人生の優先順位がしっかりとれているからこそ、多忙な業務をこなせるとも言えるでしょう。

逆に、ダラダラと時間を過ごしちゃうほど、気持ちの切り替えもできず、なんとなく慌ただしく窮屈な気持ちのまま時間を過ごしちゃうのかも。

だけど大丈夫! 時間はある。その事実をまずは認識しましょう。現在、わたしたちは1970年代の頃よりも働く時間そのものは減っているそうです。つまり余暇は増えている。だけど、なぜか娯楽や趣味、レジャー等に使う時間も減っているそうで、同じことはアメリカでも起こっているようです。

著名な社会学者であるジョン・ロビンソン博士は、「アメリカ人はどのように時間を使っているのか?」を数十年にわたって記録し続けた結果、面白い傾向を発見しました。いまのアメリカ人の多くは、自分のことを「忙しすぎて時間がない!」と考えているのに、実際に働く時間は想像よりも少なかったのです。
具体的には、こんな数字が出ています。

・多くのアメリカ人は、「自分は週に60~64時間は働いているはずだ」と答えた
・実際に計算した1週間の労働時間は、平均44.2時間だった

なんと大半の回答は、実際の労働時間に対し20時間もの誤差がありました。博士の分析によれば、「自分は他人よりも働いている」と答えた人ほど、さらに誤差が大きくなる傾向があったそうです。

p.23

アメリカの面白い研究ですが、世界的にも同じような傾向があると指摘されています。さらにこう続きます。

言われてみれば、「時間がない!」と思っていたはずなのに、緊急で入ってきた用事ははぜかこなせてしまったという経験は誰にでもあるでしょう。

・急にトイレが壊れて水があふれた!
・転んで指の骨を折った!
・ずっと気になっている人から「会いたい」と連絡がきた!

そんな状況になれば、どんなに忙しかろうが、どうにか時間を作って修理業を呼ぶか、病院に駆け込むか、デートの場所に走り出すはず。やはり、あなたの時間は余っているのです。

p.24

確かに、急用に対応できないほど忙殺されているってことは、かなり少ないですね。優先順位が高ければ、緊急の要件であってもなんとかなっています。

ないのは時間感覚

本書では、まず「自分には時間がある」と認めるところから始まります。「忙しい」と言葉にするのをやめましょう。「忙しい」と発言した瞬間、意識が未来や過去へ向けられ、「今」に集中できなくなってしまいます。

そして、アレもコレもと目移りしている状況では、生産性が失われてしまいます。タスクを増やしやることを増やすと、逆に成果が減ってしまうとは皮肉ですね。「自分はなにをするか」を絞り込むよう書かれていました。

で、どうして私たちは「忙しい」と発言し、タスクを詰め込みすぎてしまうのでしょうか。本書では

大多数の人が「働くほど成果がでる!」といった思い込みをしている(p.47)

と触れられています。落ち着いて考えれば当たり前ですが、長時間働いても集中が続きませんから、効率が落ちてしまいます。それよりも短時間でメリハリをつけて働く方がよいでしょう。本書『超時間術』は「時間がない」と錯覚していた状態から、時間感覚を取り戻し、時間をコントロールできるようになるための指南書です。そしてさらにその先、「時間を捨ててしまう」ことが最終目的だそうで、これは身に着けたいスキルですね。

簡単に、本書で紹介されていた時間感覚の取り戻し方7つを紹介します。

  • ゴールコンフリクトを正す

ゴール(目標)がコンフリクト(衝突)しあった状態を解消します。ゴールコンフリクトが起こると焦ってしまい時間がなくなるので要注意。まずはコンフリクト・リストを作ります。

1.今の目標10個を書き出しす
2.その中から重要な目標5つを選ぶ
3.5つの目標の「障害」を書き出す
4.障害をコンフリクトのパターンに振り分ける

上記の手順で、コンフリクトを振り分けます。コンフリクトには、

・分かってるけどやらないコンフリクト
・思い込みコンフリクト
・無知コンフリクト

以上の3つのパターンがあるそうです。ここまで分けられると対策ができますね。

  • 時間汚染を防げ!

マルチタスクは生産性を下げます。本書では「ある作業からある作業へと注意の切り替えをするたびプレッシャーが増える」と紹介され、時間がない錯覚の原因になっています。これが時間汚染。脳のパニックを抑えるために、タスクの切り替えタイミングを決めておくといいそうです。

1.前もって決めた感覚で、定期的に2つの作業を切り替える(例:ひとつの作業を10分やったら2つ目の作業に移る)
2.自分の意志で自由に2つの作業を切り替える

p.80

気分でタスクを切り替えるよりも、タイマーを使いましょう。メールチェックなんかも、回数と時間を決めておきましょう。

  • 呼吸を変える

呼吸法で「時間が足りない感覚」はやわらぐそうです。「落ちついて深呼吸」はウソじゃなかったのね。

1.1から5まで数えながらゆっくり息を吸う
2.1から6まで数えながらゆっくり息を吐く
3.これを10回くり返す

p.91

深呼吸のスゴさが紹介されています。パニックになりそうなら、なおさら落ち着いて呼吸を整えましょう。

  • リフレーミング

嫌な状況を前向きに解釈し、ネガティブな感情に対応します。

1.時間がなくて焦りを感じたら、「自分はワクワクしているだけだ」と声に出してみる
2.同じセリフを3回くり返して、自分が言ったことを信じこむよう努力する

p.105

「不安になったら『興奮してきた!』と叫んでください」ともありました。身体にとっては、不安も興奮も同じ状況なんだそうです。

  • 親切

自分のために時間を使うより、他人のために時間を割く方が時間を有効に使えるそうです。ちょっと意外な話。心理学では「自己効力感」というそうで、「ヘルパーズハイ」という言い回しも使われていました。

  • スモールゴール

大きすぎる目標を立てるより、小さな目標を立てましょう。1日単位で目標を想像する方が「余裕のある時間感覚」が育つんだって。つい壮大な目標を立てて攻略していく方がスゴそうと思ってしまいますが、違うんですね。

  • 自然

実験で、「幸福な気分になる動画(群衆が楽しそうな表情で旗を振っている様子など)」と「壮大な自然の動画(滝、クジラ、宇宙など)」を見たとき、自然の映像を見たグループの方が時間を長く感じたそうです。自然は、わたしたちを日常からひと時だけ切り離してくれます。それが時間の余裕を生むのです。

まずは1分、自然の動画を見ることから。次いで15分自然の中でボーっとしてみる。ガーデニングもオススメされていました。

「時間がない」と諦めなくていい

メンタリストDaiGo『超時間術』挿絵イラスト

本書『超時間術』を読んでとても励まされたのは、「時間を理由にやりたいことを諦めなくていい」ということでした。みんなそれぞれに困難を抱えているでしょうが、それでも「時間がないから」という理由で諦める必要はないんです。短い時間であっても、思うように進められなくても「取り組み続けることができるんだ」というのは、大きな励みになります。

といっても、あさよるは実際に忙しいときよりも、時間に余裕ができた時の方がダラダラっと時間を過ごしちゃって、「気づけば夜中……」みたいなことの方が多いです(;’∀’)(;’∀’)

本書の中で、気分ではなく、タスクとそれに割り振る時間を決めて、タイマーで計った方がいいとありましたが、その通りだと思います。本当に忙しい時は、タスクと時間を切らなきゃ無理なのでそうしますが、時間に余裕があるとき程それをサボちゃって、結局なにもできていない気持ちになります(;’∀’)

「時間がない」のではなく、「時間を有効に使えていない」と考えた方が、対策が打てるので、結果的にできることが増えると思いました。

いつでもできる!

で、これから人生、どんどん生活環境が変化しても、この「時間を理由に諦めなくてもいい」ってのは励みになるだろうと思いました。あさよる自身はフワフワ地に足が着かずに生きていますが(苦笑)、高齢になってから新しく何かを始める方や、子育てや介護をしながら自分のやるべきことに取り組んでいる方もいます。そんな人の姿って、遠巻きに黙視するだけでも「がんばろう」と思わせてくれます。

この『超時間術』も、そういう気持ちになる本でした。それぞれ置かれた状況は違うでしょうが、自分の目の前のことに取り組みましょう。

関連記事

メンタリストDaiGoさんの本

週40時間の自由をつくる 超時間術

目次情報

第1章 時間にまつわる3つの勘違い

勘違い1 物理的な時間がない

日本人の労働時間は減り続けている
現代人は週に40時間を余らせている
まずは「自分は思ったよりも忙しくない」事実を認めるべし
「忙しい」の口癖をきっぱりと止めよう!

勘違い2 やるべきことが多すぎる

やることが多いのは自分の招いた災害
大事なのは作業量よりも生産性
どんな人でも作業量が多いと生産性は下がる
「やるべきことが多すぎる」は正しい選択ができていない証拠

勘違い3 忙しい人は仕事ができる

忙しい人ほど仕事ができない3つの理由
忙しい人ほど脳の機能が低下している
忙しい人ほど体を壊す
それでも忙しいアピールがなくならない理由
あなたの時間不足は錯覚にすぎない
最後には時間を捨てよ!

第2章 時間感覚を正す7つのフィックス

フィックス1 ゴールコンフリクトを正す

焦っているから時間がないように感じる
ゴールコンフリクトの3パターン
まずは「コンフリクト・リスト」を作ってみよう
「わかっているけどやらないコンフリクト」対策
思い込みコンフリクト対策
メンタル・タイムトラベル
無知コンフリクト対策
無知の知を手に入れる7つの質問

フィックス2 時間汚染を防げ!

タスクシフト
メールを見る時間も事前に決めておく
ToDo管理はインデックスカードで
マルチタスクで逆に時間を有効に使う方法
脳のパニックを抑えるための注意点

フィックス3 呼吸を変える

呼吸を変えれば時間も変わる
スクリーン無呼吸症候群に注意せよ!
まずはパワーブリージングを極めよう
科学が認めた5つのすごい呼吸法

フィックス4 リフレーミング

リフレーミングが効果的な理由とは?
感覚のラベリング
リフレーミングを確実に実践する3ステップ
インナーパーソナリティリストを作ろう
セネカ式「不安の対処法」

フィックス5 親切

正しく親切をする5つのポイント
ヘルパーズハイを目指せ!
親切を正しく使う4つのコツ

フィックス6 スモールゴール

ウソのスモールゴールでも生産性は上がる
正しくスモールゴールを作る3つのポイント
「正しい記録」を続けるのに必須の3つのポイント
スモールゴールの達成率を高めるコツ

フィックス7 自然

まずは1日60秒の動画タイムから
スマホの壁紙を自然の光景に変えるのも効果あり
15分だけ自然の中でボーっとしてみよう
グリーンエクササイズを始めよう
グリーンエクササイズの効果を高める4つのポイント

第3章 それでも時間がないあなたに贈るストレス対策

1秒コース 一時停止リマンダー
3秒コース 背筋を伸ばす
14秒コース 楽しい記憶を思い出す
30秒コース 貧乏ゆすり
45秒コース ガムを嚙む
1分コース 不安になる時間を決めておく
2分コース テトリス
3分コース 動物の動画を見る
4分コース SIT
5分コース 太陽の光を浴びる
8分コース 筆記開示
10分コース 心拍トラッキングタスク
15分コース ハンドマッサージ
20分コース お笑い動画を見る
30分コース パワーナップ
1時間コース 休暇の計画を立てる
2時間コース コーピング・レパートリーを作る
14日コース ビジュアル・アナログ・スケール
28日コース 自動思考キャッチトレーニング
30日コース クールチャレンジ
49日コース 慈悲のプラクティス
× やってはいけない6つのストレス対策

第4章 職場の「時間汚染」に打ち勝つ働き方

働き方1 まずは通勤時間のストレスを防ごう!

通勤時間が長いと離婚が増える
通勤時間が長いと肥満にもなる
在宅勤務のすごすぎるメリット
在宅勤務の効果を高める5つの注意点
自転車通勤ならストレスが30%減る
通勤時間をエクササイズの場に変えてみる
通勤のストレスに強い人・弱い人の違いとは?
通勤に強いメンタルを作る3つの質問
インターバル読書のススメ

働き方2 仕事中の時間汚染に立ち向かうには?

プレップ・ドゥ・レビューで時間汚染を防ぐべし
プレップ・ドゥ・レビューは会議にも使える
Amazon式プレップ・ドゥ・レビュー会議
ブレインストーミングは死んだ
ブレインストーミングより「ブレインライティング」
さらに効果が高い「高速ブレインライティング」
エレクトリック・ブレインストーミング
オープン・モニタリング瞑想で組織の「時間汚染」を防ぐ
会議中にオープン・モニタリング瞑想をするには?
ヤバい組織に共通する要素ランキング
メンタルを病まない組織の条件とは?

第5章 自分の時間を取り戻す8週間プログラム

第1週~第2週 時間が伸びる感覚を味わう
第3週~第4週 乱れた時間感覚を整える
第5週~第6週 時間を取り戻す準備を整える
第7週~第8週 時間の呪縛を逃れる
第8週~ 時間を捨ててみる

おわりに

メンタリストDaiGo

慶應義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとしてTV番組に出演。その後、活動をビジネスやアカデミックな方向へ転換。企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動。ビジネスや話術から恋愛や子育てまで、幅広いジャンルで人間心理をテーマにした著書は累計210万部を突破。『一瞬でYESを引き出す心理戦略。』(ダイヤモンド社)、『自分を操る超集中力』(かんき出版)、『ポジティブ・チェンジ』(日本文芸社)などベストセラー多数。趣味は1日10~20冊程度の読書、猫と遊ぶこと、ニコニコ動画、ジム通い。

コメント

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