【本屋大賞】『成瀬は天下を取りにいく』あらすじ&評価は?

90 文学

祝! 2024年本屋大賞受賞!

今年の本屋大賞に輝いたのは、超・滋賀ローカルな青春小説!

琵琶湖の爽やかな風が吹き抜ける、爽快な物語。

とっても良い作品です。

おすすめ!

【あらすじ】『成瀬は天下を取りにいく』はこんなはなし

成瀬は変人だ。

中二の夏、閉店になる西武百貨店に毎日通い、毎日地元ローカル局のテレビに映り込みをし続ける。

突然、お笑いでテッペンを取ったると、友人とM-1グランプリに出場する。

3年間でどれだけ髪が伸びるのか知りたくて、坊主頭になって高校へ入学する。

しかも成瀬は成績優秀、スポーツも得意、シャボン玉もけん玉もチャンピオン。

成瀬を妬むやつもいるし、気に入らないやつもいる。

一方で、面白い成瀬を見届けたいと思うやつもいるし、成瀬に恋をするやつもいる。

同じ成瀬を見ていても、視点が違えば成瀬の姿も変わる。

中学生高校生の青春をモーレツに駆け抜ける成瀬と、成瀬を目撃する人々の短編集!

著者の宮島未奈(みやじま・みな)さんはこんな人

作者の宮島未奈さんについてもちょっとだけ。

宮島さんは子どもの頃から物語を書いていたけれども、京大を卒業して公務員として働かれていたそうだ。

しかし、三浦しをんさんの小説『風が強く吹いている』に衝撃を受け、一度は筆を折ってしまう。

結婚を機に滋賀県大津市に引っ越し、フリーでライターなどを始めることに。

そこに、森見登美彦さんの小説『夜行』がきっかけで、再び小説を書き始めます。

そして遂に、『成瀬は天下を取りにいく』を出版し、第39回坪田譲治文学賞、2024年本屋大賞という大きな賞を受賞するのでした。

一度は夢をあきらめつつも、その後大成功されたのですね。

また、成瀬のキャラクターは、宮島さん自身の姿も映しているのかな?と少し思いました。

爽やか!爽快!青春小説

『成瀬は天下を取りにいく』を評価するならば、最初から最後まで爽やかな風が吹き抜けているよう。

琵琶湖の湖畔はこんな風が吹いているのでしょうか。

いつだって「青春」は振り返れば爽やかです。

勉強も、恋も、挑戦も、旅立ちも、本当は汗臭く泥まみれだったかもしれない。

でも、思い出してみるとすべてが爽やかです。

その「爽やかさ」が見事に小説に描き出されていて、読了後はとても良い気持ち。

未読の方はぜひ、この爽快感を味わっていただきたいです。

自己啓発本としての『成瀬は天下を取りにいく』!

『成瀬は天下を取りにいく』は小説であり、文学なのですが、「これは自己啓発本としても読めるのでは?」との切り口で今回は紹介します。

物語自体はすごく面白く、爽やかで疾走感があり素晴らしいのですが、それと同時に読んでいるだけで「やる気」が出てくるのです。

わたしも成瀬のように走り出したい!

成瀬のように挑戦したい!

成瀬みたいになりたい!

努力し極め続ける人を笑うな!

成瀬は勉強もできるし、走るのも早い。

シャボン玉もけん玉も地域のチャンピオンになってしまう。

それは彼女の持って生まれた特性によるものもあるだろうが、地道に努力もしている。

優秀な成瀬のことを面白く思わない人もいる。

優秀な人に嫉妬して生きるか、それとも成瀬のように挑戦をし、努力をするか。

どっちを選ぶかは一択でしょ。

下手でも、ダメでも、気が変わってもいい! それでもやろう!

友人とM-1グランプリに出場するため、成瀬は真面目にネタを考え、練習する。

そして1回戦で惨敗する。

成功するばかりじゃなく、失敗もする。

だけど、ひたむきにまた新しい目標のために努力をする。

その繰り返し。

努力をする人を笑うな。

成瀬ようにひたむきに打ち込もう。

日本一、世界一とは言わない。けど……市内一を目指せ!

成瀬はシャボン玉名人として地元のテレビで紹介されたり、けん玉で表彰されたりしている。

別に日本一になれとは言わないけれども、何か一つ「市内で一番」くらいなろう。

自分の得意なことや、自分の仕事に関することを、一つだけ極めようってこと。

そういう「一番」を心の中に持っていたら、自信を持てるでしょ。

突き抜けるやつはいじめられない! 応援してくれるファンもいるよ!

成瀬のことを面白く思わない女子はたくさんいたようだが、勉学も優秀な成瀬はいじめられない。

出る杭は打たれるというけれど、突き抜けまくっていれば大丈夫。

更に、成瀬の変人ぶりを、「これまでの誰とも似ていない」と好意を持ってくれる人もいる。

成瀬のことを、そばでずっと見届けたいと思ってくれる人もいる。

突き抜けたって大丈夫。

味方もたくさんいるのです。

人生200年時代。体のコンディションが大事でしょ

成瀬は200歳まで生きるのが目標だという。

そのためには、今のこの肉体を大切に使わなければならない。

だから、体のコンディショニングは欠かさない。

毎日をルーチン化することも、体の小さな変化に気づくためには大切なことだ。

成瀬は10代にして、すでに健康の大切さを知っている。

早寝早起き、適度な運動!

おわりに

『成瀬は天下を取りにいく』を読むと、本当に今にも駆けだしたくなる気持ちになります。

体が軽く、心が軽くなったような気持ちになるからです。

この爽快感こそが、この『成瀬は天下を取りにいく』の魅力だと思います。

日々の業務は重苦しく、嫌になってしまいますよね。

だからこそ、一時の清涼剤として『成瀬は天下を取りにいく』をおすすめします!

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