先日、「気象について」の本とともに、「川について」書かれた本を図書館で借りました。毎日小学生新聞で連載されていたシリーズで、誰が読んでもわかるよう、よく噛み砕かれた内容でした。
自然のままの河川ではなく、人の手が入った河川についての取り組みや問題点が示されています。
「水」そのものの特性を考えることで、水が稀有な存在だと知り、その水がもたらす環境への影響まで語られます。本書でも、水害についても取り上げられており、決して「自然のままの川」を良しとはしていません。人がどう手を加え、管理すべきなのかと考えさせられます。
川を管理する?
「川を管理する」と口で言うのは簡単ですが、なかなか難しいことのようです。
水の性質や川の特質を知るだけでなく、川辺の動植物についても知る必要があります。それだけでなく、水辺を利用する動物もいるでしょうし、川を移動するものや、川によって移動をせき止められているものもいるでしょう。
ダムを通れるのは「水」だけ
ダムを作ると、そこで水がせき止められてしまいます。水は水量を調節しながら川下へ流されますが、水以外の木の葉や堆積物は流れてゆきません。
川に住む魚も、ダムによってせき止められ、川を上ったり下りたりなくなってしまいます。
「魚道」が面白い
その対策として、魚の通り道「魚道」が設けられています。基本は、コンクリートの階段を作り、その上を水が流れ落ちます。そこを、魚が上ってゆくのです。
この「魚道」をGoogleで画像検索すると、様々なデザインのものがヒットします。
シンプルな階段状のものもありますが、螺旋形の塔の形をしたものや、迷路みたいに複雑な形をしたものもあります。ここを、そんなに都合よく魚が上るのだろうかと不思議に思う形状のものもあって、見ていて飽きません。
是非一度「魚道」とGoogleで画像検索をしてみてください。
川が川のままなら生きられない
人は、川に手を入れないとそこで生きれないでしょう。
もし、自然のままの川があれば、いつも氾濫を繰り返し、大地をえぐり取り、埋め立て、大自然の形を変え続けるでしょう。
人が文明的な生き方をすることは、川を管理し、水を管理することなのかもしれません。
川が川のままなら、魚達もいつまで生きられるかわかりません。ある日、川の形が変われば、そこへ住めなくなってしまいます。
人が川を管理することで、他の生物もそこで住み続けられるのかもしれませんね。
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川がつくった川、人がつくった川―川がよみがえるためには (10代の教養図書館)
大熊 孝
ポプラ社
(1995)
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