【書評】『ガムテープで文字を書こう! ―話題の新書体「修悦体」をマスターして』

『話題の新書体「修悦体」をマスターして ガムテープで文字を書こう』|あさよる 修悦体フォント 70 芸術、美術

こんには。みなさんは「修悦体」なるものをご存知だろうか。最近、SNSで知人が話題にしているのを見て、修悦体で看板を作る佐藤修悦さんの姿にくぎ付けになった あさよるです。その動画がこちら。

ロケットニュースの取材で、実際に修悦体で看板を作っている様子です。動画を見ると、ガムテープを使って何やら暗号を組み立てては解読するように見る見る「ロケットニュース24」と文字が浮き出してくる!

ロケットニュース24の記事では、佐藤修悦さんへの取材と、修悦体の作り方の説明、そして続編で実際に修悦体で文字を作る様子を実践されています。ぜひ、ロケットニュースもご覧ください~。

あさよるが以前に、修悦体を初めて知ったのって、デイリーポータルの記事だったんじゃないだろうか?と思います。

「修悦体」とは

「修悦体」は、日本一の乗降者数を誇るJR新宿駅で誕生した。「修悦体」の生みの親、佐藤修悦さんは、2003年、この駅の改修工事現場で、乗客の誘導業務をおこなっていた。通路が何重にも入り組み、迷路のようになった駅構内で、道に迷った多くのお客さんが「○○はどこですか?」と佐藤さんに尋ねてくる。そこで佐藤さんは、そんなお客さんたちのために、案内表示を作ることを思いついたのだ。
手に取ったのは、工事現場の詰め所にあったガムテープ。それを大きく壁に貼り、カッターで切り出して文字にした。独特の丸みをつけて……。
こうして生まれたのが、世界に1つのガムテープ書体、「修悦体」だった。

p.3

JR新宿駅の工事現場の警備員として勤務していた佐藤さんが、混雑する構内の上客のために案内標識を作り始めたのがきっかけで、佐藤さんがガムテープで書く独特な書体が「修悦体」と呼ばれるようになったそうです。

本書では駅構内の案内ではなく、日常で使える(?)ワードの修悦体フォントがたくさん。いや、日常使いはしないかな……看板に仕えそうなワード多数ですね。「運動会」とか「No Smoking」「売上アップ」とか。実際に佐藤さんが修悦体を作ってゆく手順もたっぷり紹介されています。

「修悦体」を作ってみると構造がわかる!?

そしてそして、本書のすごいのは、修悦体のひらがなカタカナが収録されていることだ!

佐藤さんの修悦体の書き方の手順を見ても、正直なにをやっているのか分かりにくい。そこで、実際に手を伸ばしてみることをおススメします。枠線や目印の線たちが、どう活かされているのか、実際にやろうとすると、見えてきます。

で、あさよるもさっそく作ってみました!じゃーん!

『話題の新書体「修悦体」をマスターして ガムテープで文字を書こう』|あさよる 修悦体フォント

ガムテープがなかったので、マスキングテープで作ってみました。そのせいで、テープを重ねた部分が透けてしまっていますが……。難しいのは、横線をどう揃えるかですね。本書のひらがなカタカナの修悦体フォントは、特に書き方が載っているわけではないので手探りでやるしかない……しかし、頭の中で考えているときよりも、手を動かし始めたほうがわかりやすかったです。

ちなみに、あさよるの感覚だと、筆と塗料で書いた方が早いのではないかという感じ。だから、修悦体をガムテープで書く利点は〈めくれる〉〈剥がせる〉ってところじゃないかと予想します。原状回復が前提だからこそのガムテープ。やっぱ、駅構内の、その時だけの案内板、って要素が合わさって生まれた修悦体なのだと実感!

実物が見てみたい!

さて、本書を読んで修悦体に触れ、更に修悦体を書いてみた今、ぜひ本物の修悦体が見てみたいなぁと思います。新宿駅、日暮里駅で生まれたフォントとあって、関東圏でのみ知られているものなのだろうか~。

できれば、実際に修悦体で文字を書く様子を見てみたい。

ガムテープで文字を書こう!

目次情報

修悦体ってナニ?

修悦体が映画に!

修悦体を作ってみよう

修悦体に必要な道具
修悦体の基本テクニックをマスターしよう
作ってみよう!ちゃれんじ修悦体 応用編
これを見ればカンタンに作れる 修悦体設計図① イベント・激励編
これを見ればカンタンに作れる 修悦体設計図② 告知・注意編
これを見ればカンタンに作れる 修悦体設計図③ メッセージ編

修悦体ギャラリー ガムテープ文字が街に飛び出した

修悦体美術館 作品集カタログ

修悦体50音をマスターしよう

ひらがな
かたかな

コラム

知って驚くテープの豆知識
修悦体はいろんなメディアからひっぱりだこ
浜松で発見!修悦体だらけのクリニック

インタビュー

修悦体はいかにして発見されたのか 山下陽光(古着店主)
アーティストとしての佐藤修悦を評価すると… 福住 廉(美術評論家)

あとがき

佐藤 修悦(さとう・しゅうえつ)

「修悦体」生みの親。岩手県出身。2003年、JR新宿駅の工事現場で警備員として勤務のかたわら、ガムテープを使った案内標識を作りはじめる。見やすく温かみのある独特の字体がインターネットや口コミで話題となり、「修悦体」として人気を確立。2007年よりJR日暮里駅で同じく業務のかたわら「修悦体」制作を行っている。

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