特別なお知らせ
ポストを開けてダイレクトメールを受け取ると、そのまま家の中のゴミ箱にポーイ!ってなこと、多いですよね。なかなか分厚くても、封も切らずにパッと見てポーイ。
一方で、たまに封を開けて中身をチェックすることもあります。なんか大事なお知らせなのかな?と開いてみたり(大概はいつもの宣伝のチラシだったりするw)、やたら豪華な紙に大げさに自分の名前が印刷されている系です。開けてみると、中身はクレジットカードの宣伝だったのですが、やけにゴージャスな紙に金押しの印字がなされていて、思わず数日間手元に置いてしまいましたw
私たちは届いた郵便物を一瞬で要不要を振り分けて、更に重要な度合いまで判断しています。これは、ダイレクトメールを出す側から見れば、〈特別なお知らせ〉だと判断してもらえれば、捨てられずに読んでもらえるということです。
本書『究極のセールスレター』では、読んでもらえるだけでなく、契約に至るセールスレターの書き方が細かく丁寧に紹介された書籍です。
セールスレター基礎のキ!
『究極のセールスレター』で紹介されるセールスレターの書き方は、基本の〈キ〉のような内容です。お客様を知り、商品を知り、欠点も含めて何もかもを明示します。最後まで読んでもらい、思わず契約の返事をしてしまうセールスレターを作ります。
28のステップに分けられていて、どれも基礎的で漏れがあってはならないことばかり。
- お客を「しっかり」理解する
- 提供するものを「しっかり」理解する
- 不利な点を告白し、欠点は包み隠さず伝える
- 無事に配達させる
- 目に留めてもらう
- 読んでもらう
- 価格ジレンマに打ち勝つ
- 必勝コピーライティングのテクニックと作戦を吟味する
- 最初の下書きを書く
- 戦略的観点で書き直す
- 文体を書き直す
- 疑問・反論に答える
- いますぐ行動してもらうよう刺激する
- 追伸を工夫する
- チェックリストを確認する
- グラフィック処理をする
- 感情を込めて書き直し、冷静に編集する!
- 下書きとサンプルを見比べる
- 事前テストを行なう
- 手紙を最終の形にする
- グラフィック処理を変更する
- もう一度編集する
- 試作を発送する
- 冷静になる
- 他の人の意見も聞く
- 最終見直しをする
- 印刷する
- 発送する!
以外にも、セールスレターの中身そのものよりも、装丁や印刷の確認など、体裁の部分にステップが割かれています。それは、最初の3つ〈1.お客を「しっかり」理解する〉〈2.提供するものを「しっかり」理解する〉〈3.不利な点を告白し、欠点は包み隠さず伝える〉これが全てだからではないでしょうか。最初の3ステップこそが重要であり、ここに時間をかけるべきだし、クリアしていて当然のステップでもあります。
1、2、3を満たしたうえで、「どうやって届けるか」「どうやって読んでもらうか」「どんな手紙にすればいいのか」をじっくりと吟味しましょう。こんなに手間をかけるほどに、お客様の自宅に直接届けるお手紙は重要なんですね。
目に留まる、思わず読んでしまう
本書の『究極のセールスレター』では、ゴミ箱一直線なはずのダイレクトメール・セールスレターを、最後まで読んでもらった上に、さらに思わず契約の返信をしてしまう手紙に変えてしまうのです。手間を加えることで、反応が変わるならやる価値はあるでしょう。
経費をかけてゴミ箱行きを分かっている手紙を作るのも辛いし、読んでもらえる手紙にするってのは、作る側も作り甲斐のある手紙ですね。
ウェブにも使える
本書『究極のセールスレター』は、汎用性が高く、他のツールと組み合わせて使えます。
- 使い方1 有望な見込客を集める
- 使い方2 テレマーケティングをサポートする
- 使い方3 来店を促進する
- 使い方4 口コミを促進する
- 使い方5 現在の客や過去の客に新商品・新サービスをお知らせする
- 使い方6 通信販売に利用する
- 使い方7 購入後の安心感を与えて払い戻しを減らす
- 使い方8 公私共にあらゆる種類の通信文やコミュニケーションに
こんな項目で紹介されています。セールスレターの書き方の実際の見本も掲載されていて、「こういうの見たことあるなぁ」と。
そして、通販にも使え、あらゆる通信文にも使えるとあります。お客様へのメッセージだけではなく、上司や部下へのメールにも使えますし、もちろんウェブでのセールスにも転用できそうです。こういうの見ると、お知らせやセールスの文言を考えるのも面白く感じますね。
究極のセールスレター シンプルだけど、一生役に立つ!お客様の心をわしづかみにするためのバイブル
目次情報
監訳者まえがき
初版まえがき第1章 書く前の準備
書く前にするべきこと/書き方は独学でも身につく/書けば書くほど簡単になる
第2章 書く手順
ステップ1 お客を「しっかり」理解する
著者特性「マーケット分析とプロファイリングの鋭い質問10」/読み手にとって一番重要なことは何か
ステップ2 提供するものを「しっかり」理解する
商品/オファーの特徴と利点をリスト化する/隠れた利点を探してアピールする
ステップ3 不利な点を告白し、欠点は包み隠さず伝える
欠点をさらす――売り上げ達成の第一歩/反応がない理由を突き止めると……/不利な点を認めると「信頼」んいつながる
ステップ4 無事に配達させる
なぜか、郵便物が届かないことがある/封筒の外観や体裁を工夫する/第一種か、大口か/切手か、料金別納スタンプか/宛先は手書きかインクジェットで印刷する/紛れ込む/ものものしいマーク/重々しい凝ったデザイン
ステップ5 目を留めてもらう
ゴミ箱行きを免れる/封筒を「私信」らしく見せる
ステップ6 読んでもらう
「うっとうしい」から「ありがたい」へ/穴埋め式ヘッドラインとその用例/経営者や経営幹部宛に送るときのアドバイス/広く消費者に送るときのアドバイス/通信販売の場合のアドバイス/専門職のサービスを売り込む場合のアドバイス
ステップ7 価格ジレンマに打ち勝つ
リンゴとミカンを比べる/量を売る/払った代価を説明してオファーを展開する/全体より個々の値打ちを強調する/価格を出さない/価格を度外視させる三つの公式/公式1 問題提起→あおる→問題解決/公式2 予想/公式3 勝ち組・負け組
ステップ8 必勝コピーライティングのテクニックと作戦を吟味する
実際に使うテクニックは限られている/テクニック1 焦らせる/テクニック2 ROIを説明する/テクニック3 自尊心に訴える/テクニック4 しっかり保証する
ステップ9 最初の下書きを書く
ステップ10 戦略的観点で書き直す
効果的な長文コピーライティングの秘密/効果証明済みの書き直しガイドライン/ひたすらうなずかせながら読み進ませる/各ページの最後で読み手をじらす
ステップ11 文体を書き直す
読みやすくなれば、より多くの人に読んでもらえる/第一段階はヘッドラインの延長とみなす/楽しいものにする/五感すべてに訴える/インパクトの強い言葉や言い回しを使う/自分のスタイルを手紙に反映させる
ステップ12 疑問・反論に答える
なぜそうではないかの理由を説明する
ステップ13 いますぐ行動してもらえるよう刺激する
「明日にしよう」を撃退! いますぐ反応してもらう方法
ステップ14 追伸を工夫する
ステップ15 チェックリストを確認する
ステップ16 グラフィック処理をする
見た目に読みやすくなる/声の抑揚をコピーに添えるのが目的
ステップ17 感情を込めて書き直し、冷静に編集する!
セールスレターに感情を込める方法/部品会社の地味な経営者が書いた刺激的なセールスレター/思い切って編集する
ステップ18 下書きとサンプルを見比べる
ステップ19 事前テストを行う
費用をかけない事前テスト/アメリカ人の無知
ステップ20 手紙を最終の形にする
本番目前!
ステップ21 グラフィック処理を変更する
セールスレター以外の同封物にも取り組む
ステップ22 もう一度編集する
歯を食いしばって編集する
ステップ23 試作を発送する
セールスレター一式を自分宛に送る
ステップ24 冷静になる
ステップ25 他の人の意見を聞く
エキスパートの意見を求める/意見を言い合える仲間をつくる
ステップ26 最終見直しをする
ステップ27 印刷する
変更はやむを得ないものだけにする/采配を振るうのはあくまでも「自分」
ステップ28 発想する!
特定そうに送るときのアドバイス/ごく限られたターゲットへの発送/大量発送を成功させるアドバイス/いろいろな対抗手段/おめでとう!
第3章 汎用性が一番高いセールツール
使い方1 有望な見込客を集める/使い方2 テレマーケティングをサポートする/使い方3 来店を促進する/使い方4 口コミを促進する/使い方5 現在の客や過去の客に新商品・新サービスをお知らせする/使い方6 通信販売に利用する/使い方7 購入後の安心感を与えて払い戻しを減らす/使い方8 公私共にあらゆる種類の通信文やコミュニケーションに
第4章 百万ドルの秘訣――「連続」「繰り返し」の効力
期間を設定して集中的に取り組む/秘訣――連続したセールスレターを書き上げる
第5章 「ハイテク」セールスレター
ファックス/ファックス情報サービス/インターネット/自動返信機能/Eメール
推薦図書一覧
ダン・S・ケネディ[Dan S. Kennedy]
米国のダイレクト・マーケティング界のグル。
新進気鋭のベンチャーから、2億ドル級の売り上げを誇る大企業トップまで約100の企業とコンサルタント契約を結んでいる。また、セールス、マーケティング、自己啓発を中心に年間10万人以上を対象とする講演をこなし、熱烈な支持を得ている。著作活動でも、『サクセス・マガジン』『USAトゥディ』『セリング・マガジン』をはじめ多くの新聞・雑誌の激賞を得るヒット作を数々放ってきた。芸能界、スポーツ界、メディア界、政界にまで及ぶ幅広い人脈を持ち、当代随一の人間通として知られる。
ウェブ・サイト「ダン・ケネディ・コム」(www.dankennedy.com/)は月10万円を超えるアクセスを誇り、北米を中心とする数千人にニューズレターを配信中。それらの究極の成果ともいうべきものが本書である。
邦訳された著書に、『究極のマーケティングプラン』『大金持ちをランチに誘え!』(ともに東洋経済新報社、2007年)、『常識の壁をこえて』(阪急コミュニケーションズ、2005年)、『ビジネス版 悪魔の法則』(ディビーエス・ブリタニカ 1999年)などがある。
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