横山信弘『成功を習慣化する3つの記憶』|夢を失うのは記憶のせい?

「夢が叶えばいいのになぁ」

夢を夢で終わらせるの?実現させる?

記憶の特性を利用しよう!

夢を忘れてしまうのは……なんで?(T_T)

「あ!あれしよう!」「こんなことしたい!」

そう思い立ったり、目標を新たに設定することがたくさんあります。過去にもそうやって、たくさんの夢や願いを持ちました。

だけど、日常の慌ただしさの中で、忘れちゃうんですよね……。目先のことに追われている内に、「あれ、自分、なにやてってんだっけ」とたまに冷静になり、茫然自失……。

夢を抱いた時は、あんなにワクワクして胸躍ったのに、時間とともにそれを忘れてしまうのはなんで?忘れなければ、夢は叶うの?そんな疑問と、ささやかな期待を解決するため『成功を習慣化する3つの習慣』を手に取りました。

3つの記憶を使いこなして、夢を現実に

『成功を習慣化する3つの記憶』とタイトルにあるように、記憶には以下の3つの種類があるそうです。

  • 短期記憶(=ワーキングメモリ)
  • 長期記憶
  • 外部記憶

短期記憶は、いつも使っている、すぐにアクセスできる記憶です。机の上にペンやメモ帳、いつも使う道具を揃えておくのと同じ。サッと取り出すことの出来る記憶です。

長期記憶は、長い年月をかけて積み重ねてきた記憶です。「考える」という行為は、この長期記憶にアクセスすることを言うんだそうです。長い年月積み重ねた記憶ですから、頭の中の深い奥に、まるで図書館にならぶ書物のように記憶は眠っています。ですから、そこから情報を取り出すときには、切り口を考え、必要な情報を探し出します。

外部記憶は、頭の意外にある記憶です。分からないことを人に聞くこと、本を呼んだりネット上の情報にアクセスしたり、過去の自分のメモを見返すのも外部記憶です。

最も大容量の記憶は、もちろん外部記憶です。どう外部記憶を使いこなすかで、短期記憶、長期記憶が変わってきそうですね。

忘れてはいけない「夢」や「願望」

反面、現代人は短期記憶の使いすぎでいっぱいいっぱいになっている人が多いんだそうです。目まぐるしく飛び交う情報を処理しなければなりませんから、机の上もいっぱいになっているんですね…(-_-;)

ですから、忘れてはいけないものは外部記憶にアウトプットしてしまいましょう。忘れてはいけないもの……それは、自分の夢や願望です。慌ただしい生活の中で忘れてしまいがちなものを、忘れないようにメモに書き出します。

さらに、外部記憶へアウトプットした「夢」を、長期記憶として定着させてゆきます。事あるごとにメモを見返し、人に伝える。言葉にする。そうやってどんどん長期記憶にしてゆくのです。

……こう書いちゃうと「なんだフツーじゃん」と思われてしまうかもしれませんね(^_^;)>

ここをスタートに、興味の分野へ進もう

さてさて、この『成功を習慣化する3つの記憶』ですが、冒頭から「引き寄せの法則」なるワードが登場して、「ダイジョウブダロウカ(ヽ´ω`)…」と、結構不安になってしまいました(^_^;)

「引き寄せの法則」というのは、「コンフォートゾーンを広げる」を別の言い方をしたものじゃないのかな?と予想しています(あくまで、あさよるの所見です)。

そして、やや理詰めで話を展開するというより、感性や心に響く話の展開が多めな気がしました。ですから、読んでるとヤル気とかガッツが湧いてきます^^

もっと理屈の部分を知りたい人は、ここから更に、他の本へと進むといいでしょう~。

地道にコツコツ型の「夢を叶える」習慣

『成功を習慣化する3つの記憶』、書かれていることは結構真っ当だなぁと感じました。

「記憶」をキーワードに、なぜ「夢」や「願望」を忘れてしまうのかを解説し、「じゃあ、どうすれば夢は叶うのか」に話が進んでゆきます。そこで語られる内容は、基礎の基礎、ある一定以上のパフォーマンスを上げる人は、きっとみんなやってるんだろうなぁと思うことばかり。

それは、健康な肉体が自分の資産であること。もちろん、お金も大切な資産です。そして「仲間」も資産であること。それらが揃っていれば夢が叶う土壌が整います。

若いころは「旅」をし見聞を広め、30代にさしかかったらリーダーになれる人材になっておく。

「知ってる」「わかってる」そんな「常識」こそきちんと問いなおす。頭で分かっていても、実行できていないこともたくさんあります。基礎の基礎こそ大切なことです。よく見知ったことって、原理原則なんですね。そこを、自分はきちんと押さえているか。

『成功を習慣化する3つの記憶』は、決して浮足立った「夢を叶える」話ではありません。平易な文章でまとめられていますが、とても手堅い夢の実現法です。

夢が叶う「気がする」から、夢を「叶える」へ

『成功を習慣化する3つの記憶』に書かれている内容は、人によって合う合わないがあるかもしれません(^_^;)

もっと、読んでるだけで気持ちが良くなって「出来そうな気がする!」って気分になりたい人や、「これ一冊で」とか「サルでもできる」とか、そういう手軽で簡単なメソッドを探している人には不向きです。

『成功を習慣化する3つの記憶』は、あくまでじっくりコツコツ取り組んでゆくことが前提です。人の記憶の特性を利用しながら、数十年スパンで取り組んでゆく。その家庭で「夢を叶えてゆく」。

「夢が叶いそうな“気がする”」本ではなくて、「夢を叶える」本なんだと思います(*^^*)v

関連記事

成功を習慣化する3つの記憶

  • 横山信弘
  • ‎ポプラ社
  • 2016/3/3

プロローグ
――成功をもたらす3つの記憶装置

第1章 「3つの記憶」の役割
――なぜ現代人はチャンスを引き寄せられないのか

引き寄せの法則は再現可能か
意識を司る「短期記憶(=ワーキングメモリ)」
考えるための知識を蓄積する「長期記憶」
いざというときのインデックス「外部記憶」
外部記憶として願望をアウトプットする
長期記憶へ願望のデータを転送する
ワーキングメモリに願望を常駐させる
潜在意識を味方につけることで何が起きるか
ワーキングメモリに余裕がない現代人
常に「いっぱいいっぱい」な人が今すぐやめるべき習慣
一流の人のほど体調管理を大切にする理由
テレビやニュースに出てくる成功事例に再現性はない
「キラキラワード」に飛びついて脳を空回りさせない
「考えられる脳」を作る

第2章 「3つの資産」で成功の土台を築く
――脳の中に一枚の宝の地図を描けているか

成功をつかむための「3つの資産」
「無意識的有能状態の領域」を拡張せよ
脳の中に一枚の宝の地図を描いていく
10代は、なぜ「旅」をすべきなのか
「インパクト×回数」で地図に道を通す
20代は、なぜ「仲間」を作るべきなのか
あなたのポテンシャルに蓋をするもの
やる気よりも「その気」にさせてくれる仲間を作れ
30代は、なぜ「リーダー」になるべきなのか
地位は人を作る
強いインパクトをかけることで見る世界が変わる
40代からは、なぜ「自分に問い」をすべきなのか
「そんなことはわかっている」ということこそ金脈がある
旅に出る前から「本当に自分のやりたいこと」ばかり考えるな
自己啓発セミナー行ってでも土台は作るべき
「自分資産」「関係資産」の結果として「金融資産」がある

第3章 「3つの質問」で脳を活性化する
――高い目標を正しく設定し、圧倒的な成果を出す方法

自分の「意識レベル」を知る
「アバウトな質問」にスラスラと答えられるか
与えられた「切り口」に対してピンとくるか
「正しい答え」さえも知らない場合
「ふわっとした返事」は脳にデータが入っていない証拠
多くの人が陥りがちな罠――「そもそも目標設定が適切でない」
「平凡な家庭」という夢
「平凡」を叶えるためのハードルとは
客観的に評価できないものを目標とは言わない
アウトプットすることで精度を高める
脳力を高めるメモ習慣
とにかく大量に書く!
過去にとらわれずに「高い目標」を立てる
目標が高ければ高いほどかかるストレスは低くなる
自分に自信を持つために、ただひとつ必要なこと

第4章 「仲間の記憶」を味方につける
――なぜ関係資産が整うと加速度的にうまくいくのか

成功するために、ひとりきりで頑張る必要はない
人脈はなぜ大切なのか
キーワードは「ヒット」
相手のワーキングメモリを味方につける
「良い仲間」を引き寄せる正しいプレゼン法
夢を語れることがなぜ大切なのか
予防線を張らない
自分が本気になったとき、その本気に動かされた人があなたの仲間
本気になれない人が本気を出す方法
自己投資をやめるという発想はない
本気だからこそ「口コミ」は強い
「できる範囲は頑張る」は本気か?
迷ったときほどその道のプロに質問する
プロとアマの見分け方
現代で成功するためには「任せる力」が必須
マイナスの言動を減らし、正しい行動を増やす
「良い誤解」をまねいて応援される

第5章 「3つの記憶」で成功のお花畑を作る
――あなたにとって、本当の幸せとは何か

「目標は絶対に達成するもの」と思ったほうがラク?
点で考える「完璧主義者」
線で考える「達成主義者」
完璧主義者が陥る選択のパラドックス
どれだけ手段を考えても期限は待ってくれない
「探せば答えがありそうな気がしてしまう」現代特有の病
「絶対達成」がなぜ精神的な余裕を生むのか
反射的に「できない」と言わさない
がむしゃらに大量行動することも必要
リスクに対して鈍感になれ
成功とは消去法の歴史そのもの
究極はワーキングメモリさえもからっぽにすること
うまくいっている人には「4つ目の記憶」がある
点と線で考える本当の「幸せ」とは
人生の豊かさは記憶の引き出し方次第
「成功のお花畑」を作る中心にあなたがなる

エピローグ
――動き出さない人に成功も奇跡も訪れない

横山 信弘(よこやま・のぶひろ)

株式会社アタックス・セールス・アソシエイツ代表取締役社長。
1969年、名古屋市生まれ。24歳から青年海外協力隊に参加した後、日本製作所に入社。もともと奔放で大ざっぱな性格であったがゆえに、日本の会社員生活、完璧を求めらえるシステムエンジニアとしての職種に馴れず、精神的なストレスに長年悩む。35歳で退職後、コンサルティング会社に入社。その後、目標の2倍の“予材”を積み上げて目標を絶対達成させるという「予材管理」と呼ばれるマネジメント手法を開発。大ざっぱであるものの、わかりやすいメッセージが爆発的にウケ、NTTドコモ等の大企業から中小企業にいたるまで「予材管理」を採用する企業が続出。3大メガバンク、野村證券等でも実績がある。企業研修は基本的に価格がつけられず「時価」。にもかかわらず、研修以来はあとを絶たない。常に8か月先まで予約が埋まっている。
現場でのコンサルティング支援を続けながらも、年間100回以上の講演実績を6年以上継続。メルマガは企業経営者や管理者を中心に3万人以上が購読。日経ビジネスオンライン、Yahoo!ニュースのコラムは年間2000万以上のPVを記録する。
全国をネット中継するモンスター朝会「絶対達成社長の会」は、東京、名古屋、大阪、福岡、静岡で展開し、“絶対達成”をスローガンにした起業家や若手経営者を500名以上動員する。ベストセラー『絶対達成する部下の育て方』『絶対達成マインドのつくり方』『空気で人を動かす』をはじめ、ほとんどの著書が翻訳化され、韓国、台湾、中国で発売されている。

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