『イチから知りたい! 聖書の本』|美術展のおともにkindle版を!

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『カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』挿絵イラスト

こんにちは。美術館へ行くのが趣味な あさよるです。西洋絵画の画題として、聖書のシーンが用いられていることが多いのです。美術館でも簡単に解説がなされていますが、それだけで聖書世界が理解できるワケではありません。かといって、聖書を通読するのも……というときのために、数々の聖書の解説書が出版されています。

本書『カラー版 イチから知りたい聖書の本』は全ページカラーで、イラストや地図、図が満載で、聖書の世界の手ほどきには打ってつけの本です。kindle版では199円とリーズナブル(2018年2月現在)。これ、いいよ!

聖書・大ダイジェスト!

本書はオールカラーの聖書のダイジェスト版です。序章で聖書にまつわる、聖書の内容や構成、聖書世界の説明がなされ、あとはひたすら「創世記」から「黙示録」まで突っ走ります。といっても、一つのトピックスが見開き2ページに収められていて、ページ面積の半分くらいはイラストや地図等で、かなり楽しい感じ。

間にコラムや豆知識的なコーナーがあったりとコンパクトだけど網羅的な内容です。

先に上げた、美術展を見に行くときは、kindle版をスマホに入れて、参照しながら観覧できれば便利。

情報量多すぎ!?

ダイジェスト、網羅的、図や地図、イラスト満載というのは、これは本書の良い特性なのですが、反対に言えば「情報量多すぎ!」「めまぐるしすぎる!」「話の展開についけてない!」なんてうれしい悲鳴が上がってしまいますw 例えば出エジプト記は、旧約聖書を代表する一大スペクタクルですが、モーセの出生から死まで8ページで終わるので、「ええっ!?いつの間に話が進んだ!?」ってな感じ。というか、出エジプト記は実際に聖書を読んでみてもあっという間に終わって「ええっ!?」となる。

あと、あくまで「聖書」の内容をダイジェスト的に紹介する解説書であって、キリスト教の思想や興りがメインではありません。なので、キリスト教世界について知りたいのであれば、他の本を当たりましょう。と言っても、やはり聖典の「聖書」は当たっておくべきであって、本書はオススメです。

あのお話の元ネタ、ここです。

『カラー版 イチから知りたい! 聖書の本』挿絵イラスト

出エジプトのみならず、アブラハムとイサクの話、大魚に食べられたヨナの話、ソドムとゴモラの話、十戒、受胎告知などなど、超有名シーンが目白押し。あのお話の元ネタはここにあるのです。

単に「聖書」っていうと多くの日本人にとっては直接的に関係のない話でしょうが、意外と間接的には聖書の物語を受容していたりしています。

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カラー版 イチから知りたい! 聖書の本

目次情報

序章
聖書を読む前に

聖書に書いてあること
聖書とは何か?
『旧約聖書』の構成
『新約聖書』の構成
神との契約
天使と悪魔
偽典とは何か?
死海文書の謎
『旧約聖書』を聖典とする宗教
コラム 聖書と日本人

旧約聖書

1章
神による世界の誕生と族長物語

無から始まった世界の創造
アダムとエバとエデンの園
アダムとエバの楽園追放
カインとアベル
堕落した人類を滅ぼした大洪水
ノアを起源とする語族の誕生
罰から生まれた世界の言語
アブラムの旅
イシュマルとイサクの誕生
ソドムとゴモラ
イサクの犠牲
祝福を巡る兄弟の争い
ヤコブ兄弟の争い
ヤコブとエサウの和解
エジプトへ売られたヨセフ
的中したヨセフの夢占い
コラム 過越祭

2章
約束の地を目指す民の旅

モーセ出生秘話
エジプトに降りかかる10の戒律
神が民に授けた10の戒律
偵察部隊の派遣
エリコの攻略
カナンの制服
ヨシュアによる土地配分
イスラエル侵入以前のカナン
コラム 仮庵祭

3章
民を導いた英雄たちの戦い

民を導いた士師とは?
デボラの歌
王位を辞退した敬虔な指導者
ペリシテ人を相手に戦った士師
義母に忠誠を尽くした異邦人妻
ダン族の移動とベニヤミン族の非道
イスラエルに登場した預言者
最初の王サウル
民の心が離れ始めたサウル
民の心が離れ始めたサウル
あまりにも無残なサウルの最後
ダビデによる南北統一
バト・シェバ事件
アブサロムの反乱
ソロモンの登場
ソロモンの知恵
コラム 七週祭

4章
大国に翻弄された王国の興亡

イスラエル王国の分裂と南北王国の成立
偶像崇拝の排除
アハブ王の改心とエリヤの昇天
サマリアの陥落
南王国ユダの預言者
ヨシヤによる王国の再建
魚に呑み込まれた預言者
黙殺されたエレミヤの預言
外交の失敗が生んだ滅亡
捕囚下の民とその暮らし
ユダヤ人のエルサレム帰還
城壁の再建と宗教改革
大国に翻弄されるユダヤ
コラム プリム祭

5章
現代に通じる人生の教訓書・知恵文学

サタンに試された男の物語[ヨブ記]
ダビデによる信仰の歌[詩編]
ソロモン作の愛の歌[雅歌]
民衆を励ました文学作品[ダニエル書]
人生にまつわる知恵[箴言]
誰にでも訪れる死[コヘレトの言葉]

新約聖書

1章
荘厳なる伝説に彩られた救世主の誕生

アンティパトロス一家の台頭
ヘロデ大王のユダヤ支配
ユダヤの宗教的背景
洗礼者ヨハネの誕生
マリアに告げられたイエスの誕生
イエスの誕生とエジプト逃避
聖書が語る少年イエス
洗礼者ヨハネの思想と行動
コラム クリスマス

2章
弱き者に手を差し伸べたイエスの伝道活動

ヨハネはイエスに洗礼を授ける
サタンを退散させたイエス
ペトロの召命
イエスが選抜した12人の弟子
イエスによる数々の奇跡
転換点に登場する女性たち
徴税人と罪人との食事
故郷ナザレを去るイエス
コラム ハロウィン

3章
民の価値観を覆したイエスの教え

信者に示された教えの骨子
良きサマリア人の譬え
放蕩息子の譬え
金持ちにまつわるつたつの譬え
神の教えに対する心構え
イエスとその敵対者の論争
山上で光り輝いたイエス
コラム カーニバル

4章
贖罪の使命を果たしたイエスの受難

イエスのエルサレム入城
イエスを陥れるための論争
弟子たちの誤解
最後の晩餐と裏切りの予告
ゲッセマネの祈り
権力者の裁判
エルサレムの人々の審判
イエスの十字架磔刑
イエスの復活
マグダラのマリア
イエスの昇天
コラム 復活祭

5章
師の教えを世界に広めた弟子たちの時代

五春節の聖霊降臨
ペトロの伝道活動
ヘレニストとヘブライスト
ステファノの殉教
サウロの回心
第1回、第2回伝道旅行
エルサレム使途会議
第3回伝道旅行
パウロ最後の足取り
使徒たちの殉教
第1次ユダヤ戦争
第2次ユダヤ戦争
ヨハネの黙示録
世界の滅亡と最後の審判
コラム 聖霊降臨祭

索引

大島 力(おおしま・ちから)

1953年生まれ。東北大学文学部史学科卒、東京神学大学院博士課程後期終了、神学博士。現在、青山学院大学教授。専門は旧約聖書学。日本基督教団石神井教会担任教師。主な著書に『預言者の信仰』『聖書は何を語るか』(ともに日本基督教団出版局)、『旧約聖書と現代』(日本放送出版協会)、『イザヤ書は一冊の書物か?』(教文館)などがある。

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