こんにちは。文章力を上げたい あさよるです。ブログを毎日書いてると多少は上手くなるかと思いきや、自分で書いた記事を読み返すと、なにが言いたいのか自分でよくわからないということも……トホホ。ちょっと真面目に勉強しなきゃいかんなあと『大人になって困らない語彙力の鍛え方』を手に取りました。この本は河出書房新社の「14歳の世渡り術」というシリーズの本で、中学生向けの良書が多いので、期待して読み始めました。
当然ですが、中高生の10代の人にもオススメ本ですよ。
語彙トレのススメ!
『大人になって困らない語彙力の鍛え方』は、語彙力を鍛えるための「語彙トレ」ともいうべき内容です。
「語彙を増やしましょう」と言って「小学生までにはこの語を」「中学生ではこの語を」と予め用意されていますが、書き言葉が多く、実際の生活で使う言葉は少なかったりします。もちろん、書物を読むときに書き言葉が必要なのですが、話し言葉も大切です。
語彙を増やすといった時、まず最初には、現在「はなしことば」「かきことば」で使われている語をバランスよく習得しておく必要がありますが、それだけでは充分ではありません。過去の「かきことば」で使われていた語も「心的辞書」にとりこんでおく必要があります。
p.20
そして、言葉を暗記しても、どんなときに使うのかが重要です。
暗記の「問題点」は使う「場面」がよくわからないということです。ほとんどの場合、この語の語彙=意味はこれこれ、と説明し、例文があげられています。例文で察しなさい、ということかもしれませんが、「かきことば」で使うような語なのか、そうではなくて、「はなしことば」のみで使うような語なのか、ということが使う場面には重要になってきます。
p.21
従来の、学年ごとに指定された語彙を丸暗記しただけでは足りないのではないかという、著者の問題提起から始まります。「語彙を身につける」というのは想像以上にフクザツな人間活動なのかもしれません。
マジメなヤツや!
本書の内容はむっちゃマジメな内容です。14歳以上向けのですが、正直「中学生がこんな内容読みこなせるの……!?」と不安と驚愕が入り混じった……(大人の あさよるには難しかった)。
学校の国語の授業って「作者の意図を考えましょう」みたいなものが多くて、ロジックを読み解いたり、あるいはロジックを組み立てる訓練は、義務教育中にはほとんど範囲外でしたね。本書は学校教育から大きくは逸脱はしないものの、しかし確実に実力の底上げがなされるものでしょう。
また本書自体もちゃんと構成されているマジメな本ですから、本書を読み解くこと自体が、文章を読む力になるんじゃないかな。少なくとも、あさよるには難しかった! 大人も腰を落ち着けて読みましょう。
関連本
- オススメ!『ドラえもんの国語おもしろ攻略 読書感想文が書ける』|これで名人!
- 『すらすら作文が書ける』|夏休みの宿題かけこみ!作文、日記を書こう
- 小学生向け!『頭がよくなる必殺! 読書術』|スゴイ勇者になるために!
中学生向けの本
- 『あした選挙へ行くまえに』|なにを投票するの?
- 『真夜中のディズニーで考えた働く幸せ』|情熱をカタチにするってコト
- 『「美しい」ってなんだろう? 美術のすすめ』を読んだよ
- 『ミライの授業』|世代交代が、常識を変える
- チームで挑め!『君に友だちはいらない』
- 14歳からの社会学 これからの社会を生きる君に
- 『14歳からのパレスチナ問題』|「宗教紛争でしょ」って納得してない?
大人になって困らない 語彙力の鍛えかた
目次情報
はじめに
第1章 せっかく日本語が使えるのだから
脳の中には辞書がある?
語彙は暗記で増やすものではありません!
日本語はこういうふうに成り立っている
外来語の理解のしかた
漢語の理解のしかた
手持ちの語を使って語を増やしてみよう①「ひも付け」をする
手持ちの語を使って語を増やしてみよう②「ひも付け」の実践[漢語編]
手持ちの語を使って語を増やしてみよう③「ひも付け」の実践[外来語編]第2章 ゆかいに語彙力を身につける[初級編]
同じ仲間の語に注目してみよう――類義語
類義語と推敲
対になる語に注目してみよう――対義語
大人っぽい表現を考えてみよう――文章語
同音異義語に注目してみよう
漢字の字義に注目する
A+A=A?
数えかたに注目する――助数詞
オノマトペで「五感」をみがく第3章 ゆかいに語彙力を身につける[上級編]
そこの君、辞書の使いかたを間違っていないか?① まず「凡例」を読もう
そこの君、辞書の使いかたを間違っていないか?② 記号・符号に気をつける
もとの形に気をつける
俗語をてがかりにする
文章語をてがかりにする
雅語をてがかりにする
いろいろな辞書――こんな辞書もありますよ
辞書をよむ
おやじギャグで語彙力が豊かになる?
回文を作って遊ぶ第4章 語彙力を豊かにする「ほんとうの王道」
「書く」は「読む」に支えられている
名作を細かく読む
名作を書き換えてしまえ! オレ流トロッコ
名作を書き換えてしまえ! 超難解ブレーメンの音楽隊
詩を読んで、連想力をつける!
パロディのすすめ なんちゃって俳句
語彙力を豊かにするとどんなよいことがあるのか?
語彙力は一生、君を助けてくれる!
ことばをたくさん知っているとこんなに楽しい!
今野 慎二(こんの・しんじ)
1958年、神奈川県生まれ。清泉女子大学教授。日本語学専攻。『学校では教えてくれない ゆかいな日本語』『ことばあそびの歴史』『戦国の日本語』『図説 日本の文字』(以上、河出書房新社)、『漢字とカタカナとひらがな』(平凡社新書)、『漢和辞典の謎』(光文社新書)、『常用漢字の歴史』(中公新書)、『盗作の言語学』(集英社新書)、『超明解! 国語辞典』(文春新書)、『辞書から見た日本語の歴史』(ちくまプリマー新書)、『日本語学講座』(全10巻、成文堂出版)など著書多数。
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