『「仮想通貨」の衝撃』|もうみんな使っている仮想通貨って何?

こんにちは。ビットコインが欲しい あさよるです。いや、目的がないんですけど、なんか話題になってると欲しくなるんですよね~w そして「仮想通貨」の話ってあちこちで見聞きしますが、そもそも「仮想通貨」ってなんののよ!?と本書『「仮想通貨」の衝撃』を手に取りました。

まず、〈通貨〉そのものがヴァーチャルなものだと改めて説明され衝撃w そして、すでに我々は「仮想通貨」を使いまくっている事実にも衝撃w  「仮想通貨」を考えるとき、通貨についてだけでなく、社会全体、世界全体の歴史まで視野に入れて考えてゆく様子は、読んでいるだけでワクワクしました。

通貨って、そもそもヴァーチャル!

あさよるはビットコインとか、近年話題になる仮想通貨の話題を扱った本だと思ってページを開いたので、出だしから予想外の内容でした。それは、我々はすでに仮想通貨を使っているし、通貨とはそもそもがヴァーチャルな存在だということを、改めて説明されたからです。あさよるも、Amazonギフト券をもらうこともあるし、人にAmazonギフト券をプレゼントすることもある。一昔前なら、図書券やビール券やデパートの金券をもらったりあげたりしていた。これら仮想通貨で、ある特定の枠の中でお金を同じように使えます。

本書ではFacebookのポイントが例に挙げられていました。Facebookはユーザーの個人情報から顔写真まで集めた上に、仮想通貨まで持っている。この仮想通貨が通常の通貨と違うところは、ユーザーからユーザーへ渡すことができないこと。すでに世界で数億人が使っている仮想通貨です。著書は長らくFacebookを使っていなかったけれども、どうしてもFacebookに登録しないとプレイできないゲームがあったため、やむなくユーザーになったとのこと。

そう、このゲームの世界で仮想通貨は大活躍しています。不思議なことに、ゲームの世界では砂漠のモンスターも通貨を持っていて、やっつけると通貨と薬を落として行ったりします。プレイヤーはゲーム内の仮想通貨を集めてゆくことで、ゲームの世界に熱中してゆくのです。面白いのは、何もお金をプレイヤーに与えなくてもゲーム自体は成立するところです。“どんどんお金が溜まってゆく”“報酬が増えてゆく”ことに夢中になってゆくのです。

金券やお買い物ポイント、ゲーム内の通貨など、すでに我々は仮想通貨を使っています。

そして、そもそも「お金」というのはヴァーチャルなものです。そう、お金ってただの金属の塊や紙切れなんです。そこに「価値」を見出しているのは、ヴァーチャルな価値であって、マテリアルそのものではありません。通貨とは、そもそもがヴァーチャルなのです。

単一通貨がいいの?複数の通貨がいいの?

通貨の種類はたくさんあります。日本では円が採用されています。世界で流通する通貨は、一つに統一した方が良いのか、それとも多様性がある方が良いのでしょうか。

世界では統一通貨の方がメリットが大きいと考えており、通貨の統一が試みられていました。その結果生まれたのが「ユーロ」です。通貨を両替する手続きや交渉の手間が省けます。ユーロも最初の三年間はヴァーチャルな、まるでゲームの通貨のような存在でした。実際に紙幣が作られ始めたのは3年後からでした。世界最先端の通貨なんですね。

一方で、複数の通貨が流通するメリットもあります。ある国はインフレが必要で、ある国ではデフレが必要なとき、通貨が違っていれば、それぞれの都合に合わせて流通する通貨の量を調節できます。これが統一通貨だと、どうしようもありません。

すでに仮想通貨を使っている?

ビットコインのような現在話題になる仮想通貨の話を期待してページをめくり始めましたが、我々はすでに仮想通貨を使っているという事実を知りました。

しかも、仮想通貨はとても身近です。

通貨は、他者とお金と物やサービスと“交換”したときに、表に現れ課税対象になります。家の中に宝石が転がっていても課税されませんが、それを交換すると税がかかります。お金が動くと政府はそれを見つけます。しかし、仮想通貨は見つけにくい、あるいは見つけられません。通貨が統一される方がいいのか、複数存在する方がいいのかは微妙なところです。不思議なことに、ゲームコインはインフレを起こすことはあっても、デフレはほぼ起こらない。通貨と仮想通貨の間で、認識が違っているのでしょうか?

また、所持する通貨は増えていくと嬉しい。だから、ゲームでもどんどんお金を溜めてゆくのが気持ちよくって、もっとゲームがしたくなる。通貨って不思議なもので、その価値を集めることは何ともヒトにとって快感なようです。単に、「なんでも買える」「なんでもできる」から欲しいワケじゃないらしい。

仮想通貨がリアル世界に流れ込んでくるとき、世界に変化が起こるでしょう。Facebookのポイントも、他人と交換できる機能が加われば大きく変わるのかもしれません。一方で、現実の通貨と、仮想通貨では人々の扱いもちょっと違うっぽい?

「通貨とは何か」「仮想通貨とは何か」をじっくりと考えながら、バーチャルとリアルの関わりが面白い本でした。

「仮想通貨」の衝撃

目次情報

プロローグ

第Ⅰ部 爆発的に増えている通貨

第1章 仮想経済圏が持つポテンシャル

仮想通貨のつくり方①:マジック:ザ・ギャザリング/仮想通貨のつくり方②:イブオンライン/仮想通貨のつくり方③:フェイスブック/仮想通貨のつくり方④:スチーム/変わっているけど正常

第2章 貨幣の様々な形

貨幣はどう変わってきたのか①:頑丈な金属な通貨/貨幣はどう変わってきたのか②:奇妙なお金/貨幣などう変わってきたのか③:紙幣/貨幣はどう変わってきたのか③:紙幣/「単一通貨がよい」という人の言い分/「多数の通貨が併存すること」にはどんなメリットがあるか/企業の貨幣とクラフトマネー/「おもちゃのお金」こそが仮想通貨の起源

第3章 仮想通貨は合法か?

ドルはいかにしてドルになったのか/私的な貨幣をつくることは法的にアウトか、セーフか/ギャンブルとスポーツの法律に答えがある!?/勝手通貨は合法である

第4章 それは貨幣なのか?

貨幣の標準的な定義/貨幣の本質は「慣習」である/貨幣としての仮想通貨は有望か?/勝手通貨は貨幣である

第Ⅱ章 この先、仮想通貨はどうなっていくのか?

第5章 「計算の単位」としてのお金

仮想通貨は「評価」にどう影響するのか/景気観測はますます困難になる/お金は幸福感を高めるか?/人間の脳は「より多くのお金」を望む/バーチャル経済 vs リアル経済、楽しいのはどっち?/勝手通貨時代の取引はこうなる

第6章 「価値を蓄える」というお金の役割

インフレーション/ビットコインとバーチャル・インフレーション/金融パニックは仮想通貨でも起こり得る

第7章 お金の進化を予測する

お金の未来は「制度」の面から考えるとよい/制度としてのお金/買って通貨の将来的な可能性/リアルとバーチャルの境界はどうなるのか

第8章 勝手通貨に国家はどう対していくのか

政策への影響①:仮想通貨で通貨政策はこう変わる/政策への影響②:勝手通貨と統治力の関係/政策への影響③:仮想通貨は新しい政策を求める/政策を試すためにバーチャル世界を利用する/リアル世界の「蛇口とシンク」/政府にとって必要なこと、そして統治のための課題

エピローグ バーチャル世界では「目的」こそが重要

注釈

エドワード・カストロノヴァ[Edward Castronova]

インディアナ大学テレコミュニケーション学部准教授。オンラインゲーム「エバークエスト」上での経済活動を計算し「1人当たりGNPは世界第77位でブルガリアを上回る」と発表するよるなどして注目を集め、仮想世界の経済学の第一人者として知られる。著書に『Exodus to the Virtual World(仮想世界への大脱出)』など。

伊能 早苗(いのう・さなえ)

東京大学経済学部卒。シカゴ大学MBA取得。外資系金融機関勤務を経て翻訳家。日本証券アナリスト協会検定会員。

山本 章子(やまもと・しょうこ)

英米文学翻訳家。主な訳書にドリス・レッシング『グランド・マザーズ』『ラブ・アゲイン』などがある。

コメント

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