2018年11月13日(火)のこと。
思い立って文楽を見に行く。幕見で入るのは初めて。
当初「女殺油地獄」だけ見るつもりだったのに、チケットを買ったのがちょうど「桂川連理柵」が始まる直前で、勢いで「こっちもチケットください」と中へ入ってしまった(図書館で勉強するつもりだったのに…)。
「桂川連理柵」は落語の「どうらんの幸助」に出てくる話だと、知人から竹本住太夫さんのCDをいただいて聞いたことがあった。今回、生で聞けて良かった。娘さんの着物がめっちゃかわいい。これは前の方の席でじっくり人形を見たかった。
その後、近くの喫茶店で2時間ばかし勉強をする。冷たいシフォンケーキが美味しい。
第二部の最後の演目は、17:11集合。
「女殺油地獄」は、近松のストーリーは読んだことがあったけども、人形浄瑠璃で見るのは初めて。勘当され金に窮したドラ息子が、親からもらった金だけでは足りないと向かいの油屋の奥さんに、金を貸してほしいと頼み込むが断られ、最後は刀でめった刺しにし、箪笥から金を奪って逃げてゆく。話の筋だけだとどうしようもないけれども、事の経緯はなんともつらい。人殺しが悪いんだけれども、登場人物それぞれに事情があり、親子や夫婦を想う気持ちが破滅を呼ぶ。みんながそれぞれを想い合っているんだけれども、その想いによって誰も幸せにならない。
たまたま隣の席にいらした女性と話をして、歌舞伎や文楽のことを教わった。
教わった話では、江戸時代の武家社会では、主従の縁が三世の縁、夫婦の縁が二世の縁、親子の縁が一世の縁だったそう。「一世の縁」とは今生限りの縁で、主従は生まれ変わっても三回の縁があるということ。だけどこれは武家の話であって、町人の街だった上方では、武家社会を皮肉って、親子の縁や夫婦の縁を強調する話がたくさんあるそうだ。そういわれると、「女殺油地獄」も、侍も登場するが、話の中心は親子の話であり、そこへ夫婦の事情がからんで話が展開する(「一世」「二世」でいいのかな。「一生」「二生」?)。
※今日聞いた話なので資料はあたってない
そういえば、ブログ始めた頃から(約3年前…)夢枕獏さんの『陰陽師』の記事を書こうと用意していて、安倍晴明が登場する物語をいくつかあたっておりまして、今月の「蘆屋道満大内鑑」も見ておきたいなぁ。
ちなみに今日(11/13)の幕見席は「蘆屋道満大内鑑」も「女殺油地獄」も完売していたそう。今度「蘆屋道満大内鑑」を見たいから、ちょっと早めに行って並んだ方がいいかも。
幕見席に初めて通されたけど、すごくいい席だった。客席の後ろ二列の両端が幕見席なんだけど、一段高い位置にあるからすごく見やすい。人形と太夫さんの両方が一度に見れるし、気に入った。
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