つまらない人に一直線?『40代を後悔しない50のリスト』

こんにちは。そろそろ30代半ばに差し掛かる あさよるです。30代って、家族がいたり子育て中だったり独身だったり、立ち場がみんなそれぞれ違う年代だなあなんて思っていたのですが、本書『40代を後悔しない50のリスト』によると、20代30代よりも、40代こそが、その後の自分を決定する変化の年代だと言います。

本書『40代を後悔しない50のリスト』は、これから40代を迎える30代後半から、40代にかけての人たち向けの本と言えます。多くの先輩たちが「40代でああしとけばよかったなあ」という後悔から学びましょう。

先輩に聞いた「後悔してること」

本書『40代を後悔しない50のリスト』は、著者の大塚寿さんが営業先の企業の経営者や管理職の人との雑談のなかで「成功のお手本」を聞き出そうと、1万人以上の人から教えを乞うた経験が元になっています。最初の動機は「成功談」を聞くことですが、それ以上に「失敗談」が面白いことに気づき、また年配経営者の多くが「40代を後悔している」ことを発見しました。

40代の10年間をどう過ごすかによって、その後の人生の「分かれ道」になっているというのです。この10年間に「つまらない人」になってしまっているそう。

40代で「つまらない人」化する理由

多くの人にとって、40代は転機が訪れる頃です。子育てが一段落して妻が再就職をして夫婦関係や、子育てが新たなステージに移行します。未婚の場合は、出産の限界年齢を意識をします。出世の限界を感じるのもこのころです。また「親の介護」という問題も見えてきます。地方出身者ほど切実です。

40代は社会の中の稼ぎ頭で、自分の裁量で決められることが増え、一番脂の乗った時期でもあります。

 二〇代や三〇代はいい意味で成長過程なので、いくらでもやり直しが利きますし、まわりもそうしたトライアル・アンド・エラーを期待しています。
しかし四〇代は、関わる世界、守るべき世界が広がり、すでに積み上がった歴史や実績の上での局面となるので、そのときの対応次第で、仕事でも家庭でも、その後の人生を大きく左右する決断を迫られていることになるのです。判断すべきことが、二〇代や三〇代より広範囲にわたってるともいえるでしょう。

p.16

ライフステージの変化と、責任が大きくなることが合わさって、「守り」に入ってしまい「つまらない人」化してしまう人が多いのが40代だそうです。

人生のイニシアチブをとる

本書『40代を後悔しない50のリスト』では、人生の先輩の失敗談から、40代でやるべき50の事柄がリストアップされています。それらは「何より大切にしたいこと」「プレイングマネージャーとして本当に必要なこと」「忙しいだけで終わらせない時間の使い方」「人付き合い」「学ぶこと」「会社や社会と向き合い続けること」と5つの5に分けて紹介されます。

どの項目にも共通しているのは「人生のイニチアチブは自分で取る」ということでしょう。

例えば飲み会ひとつ取っても、意外にも「飲み会を断ればよかった」と後悔している人が大勢いるそうです。能動的に参加する/しないと自分で決める必要があります。

家族との時間をもっと持てばよかったと後悔している人も大勢います。時間を有効に使えず、週末はダラダラと過ごしたことを後悔しているそうです。40代は変化の時期だからこそタイムマネジメントに気を配るべきなのかもしれません。

「人付き合い」は人間の永遠のテーマでしょうが、40代は立場がより複雑になります。「上司として」もっと良い対応をすればよかったというものや、年下との関係を良好にしたかったと後悔する人がいます。また「会社」「仕事」という枠だけでなく、地域社会とのつながりを持てばよかったと考えている人も大勢います。

金銭的な問題では「副業」を持っておけばよかったというのが切実です。本書では「月7万円くらいの収入」があれば……と紹介されています。

また変化の多い時期だけに「学ぶこと」も増えるのが四〇代ですが、同時に働き盛りで多忙でもあります。「介護のことを学んでおけばよかった」や「教養を深めておけば」「もっと本が読みたかった」と後悔する人が多いようです。

若い世代も、将来の計画に

あさよるは今30代半ばですので、本書『40代を後悔しない50のリスト』に書かれていることは、まさに今から用意をすべき内容です。著者の大塚寿さんも多くの方にインタビューをした経験によって、40代になる直前で意識を大きく変えるようになったそうです。

20代30代は「まだ若い」こともあり、人生はいかようにもできる年齢なのかもしれません。そして40代は、腰を落ち着けて、自分の人生を自分で動かしていく頃合いなのかも。子育て世帯では、自分のことだけでなく、夫婦と子どものことも考え、さらに親の介護も頭を過る頃……これは多忙ですね。

社会の中の稼ぎ頭でもある世代なので、大きな働きができる世代でもあります。今30代の人に、来るべき近未来のための読書としてオススメです。

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目次情報

序章 一生の中で四〇代が重要な理由

四〇代とは、どのような一〇年か?
リタイアした人のほとんどが「四〇代」を後悔していた!
多くの人がこの一〇年で「つまらない人」になっている
人間としての魅力も「四〇代の過ごし方」で決まる
四〇代は「必要なスキル」が変わる
四〇代という「収穫期」を逃してはいけない
四〇代になると仕事だけでなく「家庭」も重要になる
なぜ、三〇代の延長だと失敗するのか?
年収が一〇倍アップした「後悔しない五〇のリスト」

第1章 この一〇年で何より大切にしたいこと

1 「自分にとって大切なこと」を優先できなかった
→「人生で手に入れたいこと」を三つに絞り「円グラフ」に描く

2 わかっていても結局「守り」に入ってしまった
→二〇%は必ず「オフェンスモード」を入れる

3 「二元論」で考えなければよかった
→豊かな人生な「グレーゾーン」から生まれる

4 「仕事」と「家庭」のバランスが取れなかった
→一週間ごとに「仕事」と「家庭」のウエイトを振り分ける

5 未来の成功より「今日一日」を大切にすればよかった
→一年ではなく、一日のスパンで「元気のもと」を探す

6 負けない「絶対的な自信」が欲しかった
→基準を設定して「相対的な自信」を持つ

7 誰にも負けない「強み」がつくれなかった
→「勝てる土俵」を自分でつくって勝負する

8 「スピード決断」ができなかった
→意思決定は「小分け」して判断できるサイズにする

第2章 プレイングマネージャーとして本当に必要なこと

9 社内外で「本当に頼りになる人脈」を築いておけばよかった
→「人間検索」できるキーパーソンを三人持つ

10 「自分の特性」をもっと意識しておけばよかった
→自分の強みが「マネジメント脳」か「マーケティング脳」かを知る

11 会社が自分に「何を求めているのか」をもっと意識すればよかった
→会社が自分に「何を期待しているのか」を把握する

12 仕事に追われて「すべきこと」ばかりやっていた
→「ドキドキするゴール」を毎週設定する

13 「どこまで目指すか」を考えるべきだった
→ラストチャンスとして「具体的に」未来設計する

14 自分が「何を成し遂げたか」がわからなくなった
→「四半期ごと」に会社に貢献できたことを書き出す

15 「他人を動かすスキル」が身につかなかった
→業務以上に「モチベーション」をマネジメントする

16 負けない「交渉力」が欲しかった
→「大局観」「共感ポイント」「落としどころ」を常に意識する

17 「伝える力」が足りなかった
→相手の心を動かす「伝達力」三つの奥義を知る

18 「意思決定」が苦手だった
→意思決定は感覚的ではなく、「定量的」に行う習性をつける

19 「スピード」をもっと重視すべきだった
→常に今より「スピードアップ」することを考える

20 「対人音痴」が治らなった
→まずは相手の立ち場を考えた「ひと手間」から始めてみる

第3章 忙しいだけで終わらないために工夫すること

21 もっと「時間の使い方」を工夫すればよかった
→効率より「週末時間」を稼働させることを意識する

22 「週末時間」を有効に使えなかった
→週末を六分割してどう過ごすか計画する

23 もっと「家族との時間」に気を遣えばよかった
→家族時間を長期間取るのが無理なら、ひと手間加えて「一〇倍演出」する

24 「相手に合わせて」飲みに行かなければよかった
→「月・火・木」は飲みに行かないなどと、自分で取捨選択する

25 「付き合いのいい人」である必要などなかった
→「期限つきで人付き合いが悪くなる」宣言をする

26 「優先順位」を間違ってしまった
→「関係車軸」と「時間軸」で優先順位を見極める方法を知る

27 忙しいなりに「細かい時間」の使い方を工夫すればよかった
→意識的に「一〇分でできる仕事」を持つようになる

28 「やりたいこと」にチャレンジできなかった
→常に「時間ができたらやることリスト」を書いておく

第4章 人生を左右する「人付き合い」で知っておくべきこと

29 利害を超えた「人付き合い」を軽視してしまった
→「本当に困った時に助けてくれる仲間」を持つ

30 頼まれたときに「上司として」応えられなかった
→「人的ネットワーク」で問題解決できるようにする

31 「年下との人間関係」を大切にすべきだった
→年下との付き合いは自己成長を促し、「情報とチャンス」を運んでくれる

32 「コミュニケーション下手」を克服したかった
→相手への関心をベースにした「質問力」を磨く

33 「話し方」で損をした
→キーワード、キーフレーズ、エピソードの「三段論法」で話すクセをつける

34 「言葉」ではなかなか伝わらなかった
→「ノンバーバル・コミュニケーション」を身につける

35 「会社以外の居場所」を見つけておくべきだった
→自分の存在価値を実感できる「仕事以外の活動」に意識的に参加する

第5章 年相応に学ぶべきもの

36 自分自身を「振り返る時間」を持つべきだった
→通勤電車の中は「フィードバック時間」にあてる

37 もっと「仕事に役立つ本」を読めばよかった
→「ばっかり読み」で確実に腹に落とす

38 時間がなくてなかなか「本」が読めなかった
→「バイブル読書」で、内容を講演できるくらい読み込む

39 「読書の効用」をもっと活かせばよかった
→本は「言葉探し」のために読む

40 「教養」を深めておけばよかった
→リビングの端っこを「書斎」と呼ぶ

41 年相応の「お金の使い方」を考えればよかった
→「結局、ケチは損をする」ので、後輩にはおごる

42 「介護」について準備しておけばよかった
→犠牲者が出るなら「介護のプロ」に任せる

43 「自分の世界が広がる趣味」を始めておけばよかった
→世界を広げる近道として「人の趣味」に乗っかる

44 「親業」にもっと積極的に取り組めばよかった
→親業とマネジメントの共通点から「人を育てる」ことを学ぶ

第6章 会社・社会と向き合い続けるために考えておくこと

45 「上司の能力」を清算しておくべきだった
→上司の能力を「意思決定の基準」から清算する

46 「会社の価値観」を見極めるべきだった
→会社が「人」を育てようとしているか見極める

47 やはり「出世」したかった
→出世するには、長いものに「八割」巻かれる

48 人事を「感情的に判断」すべきではなかった
→「誰もが納得できる人事」はない

49 サラリー以外の「生活の糧」を持つべきだった
→一つに絞らず、すべり止めを持ちながら「月七万円」稼げる副業を持つ

50 もっと「地域社会」と付き合えばよかった
→地域社会で「さようなら」と言い合える関係を築く

あとがき

大塚 寿(おおつか・ひさし)

1962年群馬県生まれ。株式会社リクルートを経て、アメリカ国際経営大学院(サンダーバード校)にてMBA取得。現在、オーダーメイド型企業研修を展開するエマメイコーポレーション代表取締役。
挫折の多かった10代、「もっとやれるはずだ」という想いと現実のギャップに悶々とした20代を過ごした。なんとか現状を変えようと、リクルートの営業マンという立場から、社内外の大手企業・中小企業の社員や経営者1万人以上にアドバイスを求めるが、その中でも40代を後悔している人が特に多いことを発見。その轍を踏まないように準備し、40代で年収を10倍アップさせる。歴史上の成功者よりも、身近な人の成功、失敗に学ぶことの合理性を痛感している。
著書に『リクルート流』『25歳からの社会人力』『職場活性化の「すごい!」手法』(以上、PHP研究所)、『場音でも億稼ぐ不況なのに元気のいい会社』(徳間書店)など多数。共著に『転職力』『伝わる化』(以上、PHP研究所)『部下のやる気を2倍にする法』(ダイヤモンド社)などがある。

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