「あの人には何を言ってもしかたがない」
「女は◯◯だから」「男は△△だから」
みんな言っていることは同じ、「誰も他人のことがわからない」。だからこそ、私たちは相手に伝わるように話さないといけないし、相手の立場に立って考えないといけない。小さい頃から、親や先生に口を酸っぱく言われ続けていたことだけど、案外これが難しい。
コミュニケーションには「メタ意識」を持つことが、大切だと出口汪さんは言う。メタ意識とは“自分の気持ち”から離れ「天の目」からモノゴトを見ることだ。
自分の感情を吐露するだけから、「メタ思考」へ
更に、巷では“自分の気持ち”という「感情を吐露する言葉」で溢れている。「ウザイ」「キモイ」「焦る」などなど、気分や気持ちを表す言葉だ。これらは、赤ちゃんがお腹が空いたと大きな声で泣くことや本質的には変わらない。犬や猫だって、ワンワンニャーニャー鳴くには彼らなりの感覚によってだろう。
しかし人類は「言語」を持ち、自己と同じように、他者には別の心が宿っていることを認識してから、私たちは混沌の世界から抜けだした。自分と他者が心を交わし、思考を交えるための「論理」を手に入れたのだ。今日の私たちの生活も、この「論理」なくしては成り立たない。
だが、論理的にモノゴトを考え、それを他者に伝えられる人は多くはない。
メタ思考を身につけ、話し、書けないと仕方ない
本書では、約半分が「メタ意識」を持ち論理的に他者へ伝えるべき理由の説明。もう半分が、それを実践するための Howto や問題集が収録されている。自分の閉ざされた考えから脱出し、メタ思考を経て、他者に語りかけるまでのメソッドだ。
私たちは言語を用い、対話によるコミュニケーションも取るが、文字を使ってのそれも多い。メタ思考を持っている人も「話す」「書く」の両方を縦横に使いこなせる猛者も、多くはないだろう。紳士に、これら課題に取り組むことで、ビジネスや他人との関係性だけでなく、家族やパートナーや友人など、大切な人を大切にする手段にもなる。
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奇跡の「話す」「書く」技術
- 著者:出口汪
- 発行所:フォレスト出版株式会社
- 2011年8月28日
目次情報
- はじめに 「メタ」意識ならすべて解決!
- 「話し方」を変えても悩みは解決できない!
- 「メタ」という考え方
- 思考の「クローズアップ」と「フェイドアウト」
- 第1章 なぜ、今までの「やり方」では通用しなくなったのか?~ネット時代と「メタ意識」の重要性~
- 誰もが同じ風景を見ているわけではない
- テレビは正しい?
- 「メタ意識」の重要性
- 「メタ意識」を働かせよう!
- 面接試験で失敗する若者たち
- 面接を通るには…
- 企画書が書けない若いビジネスパーソン
- 自分の意見はいらない
- 感情語しか使えない人々
- 論理語は「他者意識」が前提
- 上司が部下に、部下が上司に
- 男性は女性に、女性は男性に
- コミュニケーションができない人たち
- イライラの原因
- 明治以前の日本
- ネット時代の新しい人々の誕生
- 第1章まとめ
- 第2章 学校では教えてくれない「論理力」~論理力の基本「3つの関係」とは…~
- 人間は分かり合えない
- いつから「他者意識」を持つのか?
- 初恋は論理の登竜門
- 学校では論理力を教えない!
- 論理の3つの規則
- イコールの関係
- ニュートンが発見した「万有引力」も
- 対立関係
- 因果関係
- 習熟してこそ意味がある
- 第2章まとめ
- 第3章 思考のクローズアップとフェイドアウト~「メタ意識」を身につける方法~
- 世阿弥と「メタ意識」
- 「メタ意識」はトレーニングで身につく
- 言語における遠近法
- クローズアップとフェイドアウト
- クローズアップとフェイドアウトを切り替える
- 弁証法は「メタ意識」?
- 感情をコントロールせよ
- 小説を読んで「メタ意識」を身につける
- レトリックを使って「メタ意識」を身につける
- 第3章まとめ
- 第4章 メタ意識を使った「話す」技術~解説と例題でわかる15の技術~
- 世界の見え方を変える30の方法
- 法則1 他者意識を持て
- 法則2 話題を提示しろ
- 法則3 相手の立場を気遣え
- 法則4 言葉は決して共通ではない
- 法則5 自分の声を意識しろ
- 法則6 相手の趣旨を掴め
- 法則7 要点は明確にしろ
- 法則8 「イコールの関係」を利用しろ
- 法則9 相手が語った「常識」や「前提」を疑え
- 法則10 話の腰を折ってはいけない
- 法則11 論点のすり替えに注意しろ
- 法則12 文脈を掴まえろ
- 法則13 第一声で聞き手をのみこめ
- 法則14 「間」を大切にしろ
- 法則15 前書きを長くしてはいけない
- 第5章 メタ意識を使った「書く」技術~解説と例題でわかる15の技術~
- 書いたら取りかえしがつかない
- 法則16 「話し言葉」と「書き言葉」は違う
- 法則17 「書き言葉」は視覚に訴えろ
- 法則18 それ自体で完結しろ
- 法則19 主張は最後に書け
- 法則20 言葉の「キレ」と「重み」を感じろ
- 法則21 「主語と述語」を押さえろ
- 法則22 「接続後」を意識しろ
- 法則23 先を予測しろ
- 法則24 3つの論理展開がキモ
- 法則25 主張は1つにしろ
- 法則26 各段落を論理で関係づける
- 法則27 設計図を作って全体を俯瞰しろ
- 法則28 理想的な「体型」と「オシャレ」をしろ
- 法則29 レトリックを駆使しろ
- 法則30 「書くという行為」こそ、思考の始まり
- 第6章 すぐ身につく「メタ意識」トレーニング~問題と回答を読むだけで理解が深まる~
- 「メタ意識」トレーニングとは?
- 「メタ意識」を獲得するためのトレーニング問題
- 問題1
- 問題2
- 問題3
- 問題4
- 問題5
- 最後に
著者紹介
出口 汪(でぐち・ひろし)
教育プロデューサー・作家・出版社(株)水王舎代表・東進衛星予備校講師・元祖カリスマ講師。
大預言者・出口王仁三郎を祖父に持つ。東京都杉並区に生まれる。以降、東京都内、愛知と点々と引っ越す。父、和明の執筆活動のため京都・亀岡に転居。学校では毎日遅刻と居眠りを繰り返すなど、クラスから奇人扱いされる。亀岡高校入学。大学受験目前に医学部を志望。3年の浪人生活を送り、関西学院大学文学部に入学。ヒューマンキャンパス(現ヒューマンアカデミー)で講師をはじめる。関西学院大学文学研究科博士課程修了。
代々木ゼミナールに転職。すべての大教室を満杯にするなど、一躍、伝説的な人気講師となる。旺文社のラジオ講座で爆発的な人気。「現代文入門講座の実況中継」が大ベストセラー。総合予備校 S.P.S を設立。無試験で入れた受験生のほとんどを東大京大や早慶上智に合格させる。東進ハイスクールに転職。教材開発・出版を目的とした水王舎を設立。「システム現代文」シリーズなど、ベストセラーを刊行。長年構想してきた、論理力を養成する言語プログラム「論理エンジン」を完成。高等学校を中心に、教育改革も取り組む。小学校から社会人まで、論理養成のための「出口汪の日本語トレーニング」が反響を呼ぶ。教育改革のため開発した「論理エンジン」は、現在、私立だけでも 200 以上の高校が正式採用。偏差値が 30 以上上がったり、学校が変革されたりと、読売新聞「教育ルネサンス」、朝日新聞出版「アエラ」、「週刊現代」などで、大きく報道され、話題となる。予備校講師のイメージが強いが、実際には様々な方面で活動。ボランティアとして、パピーウォーカー(盲導犬育成)を長年続け、作家としても講談社から小説『水月』を刊行し、多くの一般書も手掛ける。
主な著書に『出口汪の新日本語トレーニング』(小学館)、『小学国語レベル別問題集』『国語レベル別問題集』『現代文レベル別問題集』(東進ブックス)、『New 現代文講義の実況中継』(語学春秋社)、『システム中学国語』『出口のシステム現代文』シリーズ(共に水王舎)など、数十点に及ぶベストセラー参考書を執筆。
また、小説『水月』(講談社)やビジネス書『「論理力」短期集中講座』『論トレ』(共にフォレスト出版)、『教科書では教えない日本の名作』(ソフトバンク新書)、『再発見夏目漱石』(祥伝社新書)、『出口式脳活ノート』(廣済堂あかつき出版)、『大人の「論理力」が身につく!出口の出なおし現代文』(青春出版)など多岐に渡る執筆で今までの累計部数は 600 万部を超える。
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[…] 『奇跡の「話す」「書く」技術』を読んだよ […]
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