小柴昌俊『物理屋になりたかったんだよ ノーベル物理学賞への軌跡』を読んだよ

幼いころプールで水遊びをした思い出のイメージをコピックマーカーで描いたイラスト 読書記録

幼いころ夢中になっていた遊び道具は「水」でした。
お風呂やプールに入るたび、コップや器に入れた水を、器から器へ移し替える作業に没頭していました。

ネバネバと絡みつく水から目が離せませんでした。
水が混ざる瞬間や、水が流れてゆく形を見ようと凝視するのですが、変化の瞬間を捉えることができません。
そんなことを、小学校に上がるくらいまで続けていたように思います。

今思えば、これは幼かった私のささやかな実験だったのかもしれません。
来る日も来る日も、“目に見えないもの”が見たくて堪りませんでした。

目には見えないエネルギー

目に見えないものと言えばニュートリノ!……とつなげるとちょっぴり強引でしょうか。

ニュートリノという物質を知ったのは、中学生の頃だったか……。
図書館でたまたま手に取った本が、一冊丸々使って当時知られていたニュートリノについての本でした。

ニュートリノとは、質量が限りなくゼロに近い物質で、どんな物質をも突き抜けてしまいます。
今この瞬間も、空から降り注いだニュートリノは私達の体を貫き、地球を貫いています。

カラダの隙間?

とても不思議な感覚です。

私の身体は、意志の宿った「一つの塊」に感じています。
なのにその私の身体をどんどん「貫通」している存在があるとは……。
まるで私の身体は実はスカスカで、隙間が空いているようです。

自分の身体は、かっちりと形のあるものだと思っていましたが、もしかしたらフワフワを実態の曖昧なものなのかもしれない……そう思うと、面白いような、怖いような気がします。

見学会へ行きたいな

スーパーカミオカンデは岐阜県飛騨市神岡町は神岡鉱山内に設置された実験施設で、巨大な水槽の中に水を溜め、壁も床も天井にも観測機器を設置してあります。
実験施設というと、味気ない無味無臭なイメージがあるかもしれませんが、写真で見ると、静寂を湛えたなんとも美しい姿です。

スーパーカミオカンデの見学会が定期的に催されているので、一度参加してみたいです。
元は鉱山だった施設ですから、鉱山の見学も兼ねられるようで興味があります。

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小柴昌俊
朝日選書
(2002)

コメント

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