小さな頃から、星や宇宙が好きでした。
小学生の頃は、図書室にある星や宇宙に関する科学の本を読み尽くしてしまい、星座や、ギリシア神話の本もよみました。この頃の読書体験は、今でも私を形作る大切な要素になっていると思います。
夢中になって、時間を忘れて読みふけった本の手触りを今でも思い出します。
思い出のスイッチ
図書館でギリシア神話の本を見つけました。
2009年に出版された本なので、私が小さな頃に読んだ本ではありません。
なのにふと、小学校の図書室の隅の、少し埃っぽくて湿ったカーテンの下にズラッと並んでいたギリシア神話の本たちを思い出しました。
確か、薄い茶色のハードカバーの本で、古い本なのかどのページも黄ばんで、カビ臭いものでした。昔の本に使われている明朝体で小さな字が並び、一章ごとにリトグラフ風の白黒の挿絵がありました。
挿絵は一見、怖い絵に見えましたが、内容を読むと怖いシーンではないことがわかりました。一気に十年も二十年も前のことをタイムスリップして思い出しました。
いつもは忘れている些細なできごとは、些細なきっかけで突然思い出し溢れ出てしまうのですね。せっかくなので、そのギリシア神話の本も読んでみようと思いました。
神様は自分勝手!?
手に取ったのは2009年に出版された『ギリシア神話 オリュンポスの書』です。
知恵と正義と戦争と技工の神「アテナ」が、自分の出生や他の神々について語ってゆきます。
アテナの父親は全知全能の「ゼウス」。ゼウスはギリシア神話に登場する神々の王なのですが、女の人が大好きで、次から次へたくさんの女性にちょっかいをかけます。
するとゼウスの妻・ヘラはその度怒りだし、トラブルが頻発しています。ギリシア神話の神様たちは、みんなそれぞれ自分勝手で身勝手で、気まぐれです。
「神様」って真面目で正しい事をする存在だと思っていたら、全然違いますね。
ギリシア神話の神々は、みんな悩んだり嫉妬したり怒ったり悲しんだりします。神様なので、他の姿に変身したり、物を他の物に買えてしまったり、まさに神業を使います。
時に、他の生き物に化けることもありますが、石や島などの物に変身することもあります。人とは違う能力を持っているせいか、どこかコミカルでユニークです。
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ギリシア神話 オリュンポスの書
斉藤 洋 (著)、佐竹 美保 (イラスト)
理論社
(2009)
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