『白川静の世界 Ⅰ文字』(立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所)を読んだよ

漢字の元である甲骨文字のイメージをコピックマーカーで描いたイラスト 読書記録

私は小学生の頃、宿題に出される漢字ドリルの書き取りの宿題がとても嫌でした。
何度も同じ字を書くことをバカバカしいと思っていたし、分からない字は辞書で引けばいいと思っていました。
更に、まだパソコンが一般に普及もしていないにも関わらず「これからコンピューターの時代なんだから漢字を覚えなくてもいいんだから」と言っていました。

読み方のわからない漢字に未だに出会う

未だに「読み」が分からない漢字や熟語に出くわします。
これが、ネットで分からない文字に出会ったなら、その字をコピペし検索すればヒットするのですが、困るのは紙の資料や、デジタル画像化された文字です。
漢字を検索をしたいのですが、読み方が分からないので、その字のパソコン入力の仕方が分からないのです。

まずは思いつく限りの読み方を変換してゆくのですが、最終的に入力モードを直接入力に変更し、マウスで字を書いて探します。
マウスで慣れない文字をヨロヨロと入力し、自分の目でお目当ての字を探し出します。
一連の四苦八苦の時間を考えると、最初に漢字辞書を引いておく方が早く済んだのではないかと思うほどです。

辞書をひく力はパソコン変換でも必要?

漢字辞書を引く時は、偏と旁、そして漢字の画数を知っておく必要があります。
初めて見た漢字でも大体の書き順や総画数が分かるのは、既に多くの漢字の読み書きができることで、漢字の形が構成がわかるからでしょう。

確かに、小学生の頃の私しの予想通り、パソコンに向かって一日を過ごす生活が訪れましたが、漢字を覚えたり調べる手間は減ってはいません。

「白川静文庫」に触れる

『入門講座 白川静の世界Ⅰ』を読みました。
白川静とは日本人の漢字学者です。
古代漢字の研究の第一人者で『字通』『字等』『字訓』という、古代の漢字を集めた漢字辞書と言えばよいのでしょうか。
それらの辞書の編纂をライフワークとした人です。

もともも、白川静さんは、日本の万葉集や古典をするため、日本語のルーツである中国の古代漢字を始めたそうです。
一通り中国の漢字の研究を終え、やっと万葉の研究に着手できる頃には、すでに高齢になっていたと書かれていました。

一見、大きな回り道をしてしまったように見えるかもしれませんが、漢字の研究が進んだことで、日本語のルーツを探る手がかりが出来たのではないでしょうか。

音訓のルーツを知ってみるのも面白い?

私たちは、漢字の音読みと訓読みを自在に使いこなし、日本語を読み書きします。
音訓のバリエーションは、その言葉や漢字が中国より渡来した時代や、ルーツが今も息づいています。
一つの漢字を、様々な読みが存在するのはそのためです。

私も、あまり意識せず文章を書いていますが、「読み」一つ取ってみてもどんな変遷をたどって今に至るのか、気になりますね。

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入門講座 白川静の世界 Ⅰ 文字

入門講座 白川静の世界Ⅰ文字
立命館大学白川静記念東洋文字文化研究所
平凡社
(2010)

コメント

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