知識のアップデートをしよう!
きっかけは「教養ってなに?」
「教養」って言葉をよく聞きますし、あさよるも時折使います。
「教養がある」っていい状態に思いますし、「教養を身に着けたいなぁ」とも思ってきました。
だけど「教養って何?」と聞かれると……うーん、一体何なのだろう?
「教養」が必要なワケ
『人生のを面白くする 本物の教養』の著者、出口治明さんは、ライフネット生命の創業者。保険や仕事に関することから、生き方や考え方に関する著書を多数出版しています。
その出口さんが「なんで教養の本を?」と思いましたが、生命保険って、自分の人生や一生を考えること。どう生きるか、なにをするか、って、「教養」に関係あるんだろうなぁと思います。
そもそも、教養ってなに?
教養とは「人生を面白くするツールだ」と、本書では定義されています。
今よりも、もっとワクワクするために、もっと楽しいことを増やすために、そのために必要なツールが「教養」です。
教養を身につけるためには「知識」が必要です。しかし、あくまでもこれは「面白く生きる」ためのツールであることを忘れてはなりません。知識のための勉強になってはいけないんですね。
好きなことに没頭する能力も、教養です。
そして、「食わず嫌い」ならぬ「知らず嫌い」しない能力も必要です。知らないものを「嫌い!」って言っちゃうことって、結構ありますよね…(-_-;) あれです。自分の可能性を自分で潰してしまわないように気をつけましょう……。
「勉強しない」人々
日本の若者は不勉強だと指摘されています。そしてこの原因は、社会の側にあると言います。
各企業が、就職面接で勉学の成績ではなく、バイト経験やサークルの経験を尋ねる。学業の成績は重視されない……。あまつさえ、わざわざ専門とは違う学部の学生を採用する企業がある。
「こりゃ、誰も勉強しないよ」って繰り返し主張されます。
「若者が勉強しない」「最近の若い者は常識はない」なんて話題は必ず、「若いモン」がやり玉に上がりますよね。しかし、出口さんはそれを真っ向から否定します。
若い世代には爽快!オールド世代にはギクッと、どちらにも響く言葉ではないでしょうか。
本を読む・人に会う・旅に出る
どうやって教養を身に付けるの?その回答として、出口さんは3つの行動を提案します。
それは「本を読む」「人に会う」「旅に出る」。
あれ、結構普通?なんて、あさよるは思っちゃいました(^_^;)>
だけど「定番」の持っている力ってスゴイんですよね。しかも、出口さん自らの経験・体験談を持っていると、本を読む、人に会う、旅に出る、それぞれの量や質が全然違う~!!
貪るように本を読み、人と語り明かし、そして宿も決めずに放浪する。そのエネルギー!その経験値。
ああ、これに勝る知識ってないし、教養ってないよなぁ~と納得です。
ちょっと、オヤジくさい?(-_-;)
読者には、若い人が想定されているんだと思います。あさよるも読了後、10代~20歳前後に読みたかったなぁと思うし、今の若い人に読んで欲しいと思います。
だけど、ちっぴりオヤジくさい?読んでる最中、「えっと、これ、オジサン向けの本だったのかな?」と戸惑う瞬間が多々有りました(笑)。
だけど、やっぱり最後まで通して読むと、若い人向けだなぁと思います。
なので「オヤジからの若者へのメッセージ」として読むとすんなり読めるでしょう。
英語を身に付ける
最終章は、一章まるまる使って英語を身につけるべき理由が紹介されます。
著者のオススメはTOEFLU100点を目指すこと。あさよるはTOEIC受けようかなぁと考えていたんですが、TOEICよりTOEFLUがいいんだそう。いいこと聞きました…φ(..)
で、「国内でいるから大丈夫」「業務で使わないから」と、英語を勉強しないのは「井の中の蛙」だとバッサリ。「しない理由」を唱えているだけなのかもしれませんね…(反省)
「お金がない」「時間がない」というのも、言い訳になりません。というのも、NHKのラジオ講座だけで海外の大学に合格する人もいます。音楽や海外ドラマを見ながら学ぶこともできます。
で、英語が身に付くと、途端にアクセスできる情報の数が数倍、数十倍に跳ね上がります。あさよるも英語は苦手なので、勉強しようと、改めて襟を正しました。
自分の頭で考えよ!知識のアップデートを
「教養を身につける」って、「常識を身につける」ことと、同じようなものだと思っていました。
ぜんぜん違うんです。
ただ「常識だから」人に言われたことに従うのではなくって、「自分の頭で考えて」行動する力を身につける。それが「教養」なんです。
もちろん、常識がダメなわけではありません。しかし、時には「常識」と事実が真逆に裏返っていることもあります。技術や学問は日々進歩していますから、今日の常識も、明日通用しなくなるかもしれません。
「常識だからそうする」ではなく、自分で考えた結果、常識的な行動をする。一見同じようなことに見えますが、思考のプロセスは全く違います。
常識はどんどん覆されてゆきます。知識のアップデートを忘れずに、教養を育み続けたいなぁと思いました。
それが何より、自分が幸せで面白い生き方なんですね。
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人生を面白くする 本物の教養
- 出口治明
- 幻冬舎
- 2015/9/30
目次情報
はじめに
第1章 教養とは何か?
人生を面白くするためのツール
知識は手段、教養が目的
「自分の頭で考えられる」ことが教養
バロメーターは「腑に落ちる」ことが本気を呼び起こす
意見が決められないのは「考え不足」が原因
「 反対のための反対」に陥っていないか?
いま教養人であることが求められている第5章 日本のリーダー層は勉強が足りない
謙虚でなければ教養は身につかない
「この人は面白そうだ」と思ってもらえるか
面白さの源は「ボキャブラリー」
「広く浅く」でなく「広く、ある程度深い」素養が必要
決定的に重要なのは「自分の意見」を持っていること
欧米の若者とはすでに大学の段階で差がついている
学生が勉強しないのは会社がそれを求めないから
「考える力」をつけさせる連合王国の教育
「学生には自国の没落をリアルに認識してほしい」
自分の頭で考えないほうが都合のいい社会
「終身雇用、年功序列、定年」の得意な労働慣行
世界標準では日本の企業幹部は圧倒的に低学歴
これまでと同じ戦略ではもうやっていけない
日本にまだかなり伸びしろがある第3章 出口流・知的生産の方法
「いまさらもう遅い」はサボるための言い訳
「タテ」と「ヨコ」で考える
「国語ではなく算数で」考える
「数字・ファクト・ロジック」で読み解く平家滅亡の本当の理由
物事の本質はシンプルなロジックでとらえるべき
「何かにたとえて」考える
「修飾語」を取り除いて考える
「常識を疑う」ことは常に必要
政府を批判することは市民の重要な権利
機密情報よりもモノを言うのは「考える力」
ネット全盛時代でも新聞が有用な理由
大量の情報に接して「習うより慣れる」
自分の行動を「ルール化」して批判を省力化
身近な人を目標にすると努力が続く
他人を巻き込んで自分のやる気を引き出す
健康管理の基本は健康を気にしすぎないこと第4章 本を読む
片田舎の生活が私を本好きにしてくれた
学校の勉強より読書が好きだった高校時代
毎日十四、五時間は読書していた幸せな日々
ゴルフ、テレビを捨てて本を読む時間を確保
分からない部分を「読み返す」ことで本の内容を血肉化
速読は百害あって一利なし
新しい分野を勉強するときは分厚い本から入る
ベストセラー情報で選ぶか、新聞書評で選ぶか
古典は無条件で優れている
少しでも魅力を感じたら、とりあえず読んでみる
アレクサンドロス大王が教えてくれた読む面白さ
趣味の読書が思わぬ形で仕事につながった
「読まない」という選択肢がない本はさっさと読む
書店は楽しい、図書館も活用
デジタルかアナログかは好みの問題第5章 人に会う
誰かとつき合うかの基準も「面白いかどうか」
外国人と会う機会を優先したロンドン駐在時代
綽名は「ミスター・フォーエバー」
相手を人脈としか考えない人は、自分もそう見られている
必要のないおつき合いは極力省く
取引希望先と会うときにお願いしているルール
人生の理想は「債務ミニマム、面白いことマキシマム」
優れた歴史書とはどんな本か?
人間が将来に備える唯一の方法は歴史に学ぶこと
古今東西、人の暮らしに必要なもの第6章 旅に出る
旅こそ最高の遊びにして、教養の源
「きれいな女性」に会いたくて海外へ
芋づる式の美術館めぐりで、七〇カ国、一二〇〇都市
全国の一宮を訪ねて回る旅
気の向くまま、足の向くままの旅の流儀
原則、ホテルの予約はしていかない
「マーケット」「若者と女性」を見るのが楽しい街歩き
地元スーパーの買い物袋を手に提えて
山盛りのスイカから窺えたチベット・中国の国情
中国の書店で毛沢東の本は埃を被っていた
本を読み人の話を聞くだけでは、分からないことがある第7章 教養としての時事問題―国内編―
「選挙・民主主義」「お金」「税と社会保障」の知識は不可欠
北欧の子どもより劣っている日本の評論家
「選挙は忍耐そのものである」
せめてこれdけは学んでおくべき「財産三分法」
「公的年金は破城する」という嘘に騙されてはいけない
これまでの「小負担・中給付」モデルはもう成立しない
世代間の不公平性をなくす方法はあるのか?
非正規労働者への厚生年金適用が一番重要な改革
消費税増税抜きで社会保障は賄えない
少子化に歯止めをかけることが日本の最優先課題
フランスはなぜ出生率回復に成功したのか
高齢化対策は「年齢フリー原則」で
三十五年住宅ローンは明らかに時代とミスマッチ
持ち家志向の時代は終わったとされるべき
時事問題は「本音は何か」「動機は何か」で読み解ける第8章 教養としての時事問題―世界のなかの日本編―
「幹」と「枝葉」をごっちゃにしているTPPをめぐる議論
ご近所すべてと境界線争いをしていたら住みにくい
「わが国固有の領土」という概念は必ずしも万国共通ではない
あくまでも「歴史は一つ」である
愛国心とナショナリズムはまったくの別物
中国が不安定化して一番困るのは日本
中国の官僚は大変に優秀
ハングリーさが日本人とまるで違う中国の大学生
メディアが伝えるイメージとはずいぶん違った中国人学生
原子力問題は多くの人が考える以上に難しい
凄まじい勢いで伸びている、途上国のエネルギー需要
地球温暖化は人類の英知が問われる課題第9章 英語はあなたの人生を変える
「仕事で使わないから英語は不要」という考えは井のなかの蛙
グローバル人材の最低ラインは「TOEFL一〇〇点」
BS放送や海外ドラマだけで実践的な生きた勉強を
ラジオ講座だけでもプリンストン大学に留学できる
仕事の英語よりおつき合いの英語が難しい
英語力とは聞いて話すだけのスキルではない
英語は度胸、恥をかいた分だけ上達する
「母語」を損なわないなら早期教育も有用第10章 自分の頭で考える生き方
私たちは「八七六〇対二〇〇〇」で生きている
仕事とはあえて言えば「どうでもいいもの」
「どうでもいい」と思うほうが職場や仕事にとってもプラス
人間の文明は所詮、「カビ」のようなもの
人はそもそも「世のため人のため」という志を持っている
トップのスケジュールを従業員が自由に埋めていい会社
ライフネット生命ははどのように人を採用するか
「てにをは」を正しく書けない人は筋の通った思考ができない
人間の能力はみんな「チョボチョボ」
会議室が少ないほうがよい会議ができる
ビジネスは、本気がどうかがすべて
手帳は使わない、腕時計も持たない
長時間働きながら生産性も一人当たりGDPも低い日本おわりに
ようこそ「出口塾」へ!
出口 治明(でぐち はるあき)
ライフネット生命保険株式会社代表取締役会長兼CEO。
一九四八年、三重県生まれ。京都大学法学部卒業。
七二年、日本生命保険相互会社入社。
企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。
ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て二〇〇六年に退職。
同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。
〇八年四月、生命保険業免許取得に伴い現社名に変更。一三年より現職。
『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『直球勝負の会社』(ダイアモンド社)、『仕事に効く教養としての「世界史」』(祥伝社)、『本の「使い方」』(角川oneテーマ21)、『「働き方」の教科書』(新潮社)など著書多数。
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