ジョン・C・マクスウェル『人を動かす人の「質問力」 この「問題意識」が結果を出し、組織を強くする』|すごいリーダーのすごい質問

こんにちは。人と受け答えが苦手な あさよるです。人からの質問に答えることはできるけど、あさよるから質問をするのが苦手なんですよね……(-_-;)> 気が利いた質問ができれば、人とのコミュニケーションももっと楽しめるのになぁ~といつもヤキモキ……。

「質問力」ってタイトルについた本を見つけたら……読むっきゃないでしょ!

本書の著者であるジョン・C・マクスウェルさんは「世界一のメンター」と呼ばれている人物です。世界的企業のリーダーを育成するプロだそうです。あさよるは存じ上げておりませんでした(-_-;)

質問次第で「一目置かれる」こともある

第一章では、なぜ良い質問が必要なのかが紹介されます。〈人生では「投げかけた質問」の答えしか返ってこない〉……ドキッとする項目です。

「底の浅い質問しかできない人」は「底の浅い答え」しか得られず、自信も欠如している。意思決定はお粗末で、優先順位も曖昧、未熟な対応しかできない。
一方、「深い質問」ができる人は、「奥深い答え」が得られ、人生に自信が持てる。賢い意志決定で最優先事項に集中でき、大人の対応ができる。

p.23

問いによって得られる答えが変わり、底の浅い質問をすれば底の浅い質問しか返ってこない。こんなことを繰り返していれば自信をもって意思決定もできず、現状を客観視するのも困難で、優先順位もわからなくなってしまう。まさに負の連鎖!ただ、質問が下手なだけなのに!

「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」を地で行ってしまう。「こんな初歩的なことを質問して良いのだろうか…」と迷って、自分の無知を隠すために質問のタイミングを失ってしまうことって……ありますよね(;´Д`) ジッとただ待っていると、回答が与えられるのは学校の勉強であって、それ以外のシーンでは自分から質問をしないと何も与えられません。

これって、反対に言えば、良い質問、素晴らしい質問ができれば、必要な答えが与えられるってことですよね!?これはこれで希望があります。

【「問題」に直面した時に役立つ質問】

・なぜ、この質問に突き当たったのか
・この問題を解決するには、どうすればいいか
・この問題を解決するためには、具体的にどういう手順を踏む必要があるか

p.24

リーダシップのある人の「質問力」

本書は『人を動かす人の「質問力」』というタイトルに和訳されていますが、原書のタイトルは『Good Leaders Ask Great Questions』。「優れたリーダーはすばらしい質問をする」といったところでしょうか。そう、日本語版のタイトルと、原書のタイトルの印象がちょっと違う!

読むと分かるのですが、本書は「リーダーシップ」について書かれた本です。「質問力」は優れたリーダーが持っているべき能力として紹介されているのですが、それが本題ではないんですよね。質問する力そのものを知りたい人が読んだら、もしかしたら目的と違った内容かもしれません。

しかし、優れた質問には、主体性があり意思決定力のある人物であることは、必須なようです。だって、質問って少なからず相手の時間と労力を奪うことですから、お互いに実りある「質問」でありたいからです。

「すばらしい質問」はチームを引き上げてゆく

質問をするには、羞恥心や見栄が邪魔をすると紹介しました。「こんなこと質問してバカにされないだろうか…」って“不信”が生れてしまうんですね。反対に言えば、人に良い質問ができる人って、人を信じているんですね。そして、他人の目を気にするのではなく、自分を信じているってことです。確かに、リーダーに必要な能力だ!

優れたリーダーはチームの仲間を信じ、互いが成長できる質問をする。すごい!そのためのリーダーシップ。そのための質問力なんですね。ですから、自分のことばっかり話す人は、良い質問者ではありません。相手の話の腰を折りません。

 有能なリーダーは、たとえ耳が痛いことでも、“聞く耳”を持っている。
マックス・デプリー(訳注 世界的家具メーカー、ハーマンミラー社の元CEO)は、「リーダーの果たすべき第一の責任は、現実を把握することだ」と言っている。
そのためには、たとえ耳が痛くても、イヤな気分になっても、「本当のこと」を聞き、それを受け止めねばならない。

p.72-73

相手への問いは「聞きたい答え」を引き出すために尋ねることがあります。しかし、返ってくる答えは自分の意図しない答えであることも多いですよね。その度にいちいちイラついて、ブチ切れる人までいます。これは……これほど愚かなことはないのですな……(-_-;)

優れたリーダーって、マジ人格者。

「質問力」は人間関係の基本のキ?

優れたリーダーシップのために必要な「質問力」ですが、これって誰だって必要なコミュニケーション能力じゃないかと思いました。リーダーシップも特別な立場の人だけでなく、誰もが持つべき事柄です。リーダーシップのある人は、自分で考え、自分で決断し、自分の責任のもと実行できる人物です。そのためには、他者に質問を投げかけます。しかも、素晴らしい質問を。

他人の手間や時間を奪ってしまうばかりの質問。あるいは、見栄や羞恥心のため質問できず成長できない人。どちらも、チームにとって困った存在になってしまいます。周りの能力をより引き出す「質問力」。レベル高ぇなぁ!

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人を動かす人の「質問力」 この「問題意識」が結果を出し、組織を強くする

  • ジョン・C・マクスウェル
  • 三笠書房
  • 2016/7/8

目次情報

監訳者のことば……「本質」をつかみ、情熱的に生きる。その要諦がわかる本

第Ⅰ部 理論編

1章 「鋭い質問」ができる人 できない人
……「深い洞察力」と「斬新な視点」が手に入る

なぜ「質問力」で人生に“差”がつくのか

1 人生では「投げかけた質問」の答えしか返ってこない
2 質問は「チャンスの扉」を開ける鍵
3 「関係性」を深める効果的な手段
4 「謙虚さ」が習い性になる
5 「質のよい会話」が生まれ、場が充実する
6 アイデア、思考に「磨き」がかかる
7 「独り善がりな思い込み」から抜け出せる
8 独創性は「なぜ?」から生まれる

「卓越した質問」で「見事な人生」を彫刻する

2章 「結果を出すリーダー」が自問していること
……この「問題意識」が自分を深める

成熟したリーダーになる「7つの質問」

1 自分自身に「投資」しているか
2 「人に対する関心」は純粋か
3 地に足が着いているか
4 「チームの価値」を高めているか
5 「得意分野」を活かしているか
6 今日という日を大切にしているか
7 自分の時間を「適切な人」に投資しているか

3章 「聞き方」一つで人の心は動く
……結束を生む、成長を加速する「この言葉」

「聞く耳を持つ」に、人はついてくる
「質問力」がつくほど、「成果」が上がる理由
「つい、自説ばかり話してしまう人」に効く質問
組織とチームの「潜在力」を引き出す質問

◆君はどう思う?
◆何を伝えるべきか?
◆このチャンスを「ものにする」には、どうすればいいか?
◆数字はいくつか?

「質問しやすい環境」をつくる方法
“自由な問答”がある組織にアイデアはあふれる
「壁」を乗り越えるための“答え”を見つけるには

第Ⅱ部 実践篇

4章 問いかける側には「資質」が求められる
……「人の上に立つ者」の自立心、気概、行動、習慣

他人を導くより、自分を導く方が難しいのはなぜか
エネルギー持続していくために、何が必要か
リーダーにとって「最も重要な価値観」とは何か
「人の役に立ちたい」と強く思うには、どうすればよいか
常に「さらなる成長」が必要な理由とは
なぜ人を導く時には「謙虚さ」が求められるのか
どの程度の「透明性」がリーダーには求められるか。がんなどの個人的な問題も知らせるべきか
人の上に立つ者の「孤独感」をどう克服すればよいか
優れた決断をするために「感情」はどの程度入れてもよいか

5章 「影響力」を高めるために
……困難の時に「真価」は問われる

有能なリーダーになる可能性は誰にもあるのか
「今のポジション」からリーダーを目指すための方法とは
リーダーシップの「究極の目的」とは何か
「人に任せる」と「責任放棄」との違いは
リーダーが果たすべき「最大の課題」とは何か
人を導きながら、同時に人に「奉仕する」ことは可能か
困難な状況が続く時、人を率いていくのに不可欠なスキルとは何か
「リーダーとして身につけるべきこと」は各年代でどのように変わるか

6章 「組織」としての力を強くする
……深く反省するから高みに到達できる

成功経験のない人間が自身のビジョンを確立し、賛同してもらう方法とは
「優れたリーダーになるためには、まず優れたフォロワーであれ」と言われるが、どの時点でフォロワーからリーダーからリーダーに変わるのか
内気な性格の人間が活発に「人とのつながり」を築く方法とは
「リーダーとしての第一歩」を踏み出す人へのアドバイスは
外部から責任者に任命された時、最初にすべきことは何か
「部下の指導」と「自身の成果を上げること」のバランスをどう取るか
「人の目」を気にする気持ちを克服して強力なリーダーになるには

7章 「懸案事項」をいかに解決するか
……「扱いの難しい人たち」への対処法

「言うことを聞かない人間」の態度を変えさせる手はあるか
平凡な結果に甘んじている人たちの「ハードルを上げる」方法はあるか
「やる気のない人」をやる気にさせる方法はあるか
「最後までやり抜く」に、どう対応すればよいか
「業績の上がらない人」に費やすエネルギーをどの時点で成長を目指す人に回すべきか
仕事は「給料のため」ではなく「自分のため」と認識させる方法はあるか
知識が豊富な人、優れた指導力のある人を監督していく際の心がまえは
「力を発揮できない人」のテコ入れに時間をどれだけ割くべきか
ぎくしゃくしない人間関係を維持するための方法をはあるか

8章 そこに何を残し、何を根付かせるか
……次のステップに進むために考えること

成功を収めたリーダーが「次に進むタイミング」はいつか
組織を成功に導く「変化」をもたらす方策とは
「プロデューサー的な考え」を「リーダー的な考え」に変える方法はあるか
急速に成長する組織では「組織づくり」と「人材の採用」のどちらに注力すべきか
失敗を経験したリーダーが、再び影響力を取り戻す方法は
後継者を育成できないことがあるのはなぜか
後継者の成功を確実にするために「前任者ができること」は
成功を収めたリーダーの「遺産」とは何か

9章 いかにして「次世代」を育成するか
……さらなる発展のために必要な人材とは

リーダーの「資質」を見分ける最善の方法は何か
自分の中の才能に気づかせ、自信を持たせるための方法とは
安全圏から出ようとしない人たちの潜在能力を引き出すには
人材育成にかける時間を、どのように決めればよいか
面倒を見ていた人から「手を引いてかまわない」のは、どういう時か
権限を与え、仕事を任せたものの、全く進捗が見られなかった時、どうすべきか
次期リーダーと目していた人が組織を去る時の喪失感をどう克服すればよいか
「リーダーの中のリーダー」になるために学ぶべき最も重要なことは
組織の「幹部」にふさわしいのは、どんな人物か

終わりに……優れたリーダーは、優れた「問い」を投げかける

ジョン・C・マクスウェル(John C. Maxwell)

アメリカで最も信頼されている「リーダーシップ論」の権威として、毎年25000人以上のビジネスマンを指導、「リーダーのリーダー」「世界一のメンター」と讃えられる。企業や組織のリーダー育成、ビジネスマンの能力開発を手がける企業「インジョイ・グループ」の創設者。フォーチュン500に選ばれた有力企業をはじめ、国際連合、ウエストポイント(米国陸軍士官学校)、NFL(アメリカンフットボールのプロリーグ)でも講演を行うなど、絶大な信頼を得ている。著作の累計は、全世界で2500万部を超える。
著書に『自分が変わるための15の成長戦略』『これからのリーダーが「志すべきこと」』『「戦う自分」をつくる13の成功戦略』『夢を実現する戦略ノート』(以上、三笠書房刊)など多数がある。

岡本 行夫(おかもと・ゆきお)

1945年、神奈川県生まれ。1968年、一橋大学経済学部卒、外務省入省。1991年退官。同年、岡本アソシエイ設立、代表取締役就任。総理大臣補佐官、内閣房参与、立命館大学客員教授及び東北大学特任教授。加えてマサチューセッツ工科大学国際研究センターシニアフェローに就任。いくつかの一部上場企業の社外役員も務める。国際問題の専門家として、豊富な経験と独自の情報をもとに、政府関係機関、企業への助言、コンサルティング活動の傍ら、講演や新聞、書籍、雑誌への執筆など幅広く活躍。
著書に『砂漠の戦争』などがある。

コメント

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