『図解でわかる!ファシリテーション』|新人君も!会議の交通整理

『図解でわかる!ファシリテーション』挿絵イラスト 30 社会科学

こんにちは。「ファシリテーション」の意味がよくわかってなかった あさよるです。知人でも「ファシリテーター」という肩書を持っている人がいたり、言葉は知っていましたが、意味を理解していなかった! 簡単に言えば、話し合いの交通整理役って感じの認識で良いだろうか……。

あさよるは話し合いの場でも自分の話を通そうとしてしまうことがあり、後から思い出して恥ずかしくなるから「ファシリテーション」の能力が身につけたいなあと思った。

充実した会議を自分がつくる!

本書『図解でわかる!ファシリテーション』は、会議をより充実したものにすべく、個人が取り組める改善点を教えるものです。それが「ファシリテーション」能力。

ファシリテーションとは、

会議、ミーティング等の場で、発言や参加を促したり、話の流れを整理したり、参加者の認識の一致を確認したりする行為で介入し、合意形成や相互理解をサポートすることにより、組織や参加者の活性化、協働を促進させるリーダーの持つ能力の1つ。

ファシリテーション – Wikipedia

会議の交通整理係みたいな感じでしょうか。みんなが活発に発言したり、面白いアイデアを引き出したり、会議の目的を見失わず、充実した時間を作るために努めます。

本書のポイントは、大概の会議室に設置されているホワイトボードを用いて、誰もがファシリテーション役を買って出られると紹介していることでしょう。本書では、新人の「田中くん」が目的のハッキリしない会議をなんとかしようと、意を決して「ホワイトボードに書き出してもいいですか?」と申し出る様子が紹介されます。

ファシリテーション役は、場の仕切り役でもないし、司会ともちょっと違う。自分の意見を押し通すワケでもないから、新人でも買って出られるんですね。

会議の交通整理役が登場したことで、会議が盛り上がり、楽しくアイデアを出し合い、その記録がホワイトボードに残されていきます。会議が終わったらホワイトボードを写メって、それぞれの部署へ会議の結果を持ち帰ります。会議は終わった後「報告することがある」と充実感を得られます。

退屈な会議から、楽しくて生産性のある会議に変身させられる「ファシリテーション」の技術を身につけましょう。

ホワイトボードを駆使する!

本書『図解でわかる!ファシリテーション』ではホワイトボードを駆使したファシリテーションの方法が紹介されています。ホワイトボードは大体の会議室に設置されているでしょうし、有効に使わないワケはありません。

本書は「図解でわかる!」とある通り、具体的にホワイトボードにどのように書き込んでくのかも図で紹介されています。まず、会議が始まる直前にホワイトボードに会議のテーマと、その日の会議の流れを書いておきましょう。例えば「お客様クレーム→理想の対応→今後の課題」なんて風に。

あくまで会議を充実させるためのホワイトボードですから、助手を頼んだり、みんなで立ち上がってどんどんホワイトボードに書き込んでゆく形式も良いでしょう。より活発に会議が進むよう、机やいすの配置まで工夫することもできます。退屈で形式だけの会議ではなく、楽しくて良いアイデアがどんどん飛び出す雰囲気づくりに努めましょう。

会議のタイムスケジュールを用意したり、違う意見の人や部署が歩み寄れる「余地」を用意するのもファシリテーターの役割です。ホワイトボードの右と左に違う意見を書き、真ん中に空白を残しておきます。この空白が歩み寄りの余地なのです。「お互いに歩み寄る」という抽象的な事柄が、ホワイトボード上で「見える」のはとても良いですね。

『図解でわかる!ファシリテーション』挿絵イラスト

読書とノートをつける習慣のない人へ

本書では、見開き左のページに文章、右のページが図解で、図解やイラスト満載の本です。パッと直感的に見て理解できる内容です。読書習慣がない人や、ノートをつける習慣のない人にオススメです。

特に、人の話を構造的に文章に書き起こしていくのには、訓練が必要です。本書のホワイトボードを使うワザも、慣れが必要でしょうが、具体的に図解されているので、真似をしながら進めるのが良いでしょう。

周りの人への気配りも忘れずに

本書『図解でわかる!ファシリテーション』では、会議での「振る舞い」についても触れられています。まず、本書では新人の「田中くん」がファシリテーターに名乗り出るところから始まるので、先輩や上司の顔を立てなが

「すみません。会議を見えやすくするために、ちょっとホワイトボードを使ってもいいでしょうか?」(p.9)

と発言するところから始まります。

声の大きい人の発言だけが採用されたり、最後にウヤムヤに結論付ける人の意見に偏ってはいけません。みんなの意見を引き出せるように「あなたの意見を聞いていますよ」というアピールも大事です。また、「アイツ何様?」「しゃしゃり出やがって」「仕切りたがりめ」と疎まれてもいけませんから、謙虚な姿勢が大事です。

会議の盛り上がりのための「演出」も大切です。採用された事柄に○、不採用に×とつけたり、文字の大きさや、声の抑揚をつけて、メリハリをつけましょう。クイズ形式にするのも盛り上がるかもしれません。

また、何気に大事なのが「ホワイトボードに字を書く役は、字が上手い人に任せる」というコツもw あとでスマホで写真を撮って保存するので、字が見やすい方がいいですね。会議の最後は参加者全員で集合写真を撮っておけば、会議のメンバーも一目瞭然です。

結構楽しそう!

ファシリテーション、使える

あさよるは「ファシリテーション」という言葉はよく見聞きしていたものの、どんな役割なのかわかっていませんでした。「ポストイット貼るやつでしょ?」程度の認識しかなかったデス(;’∀’)>

ファシリテーターの仕事について知ると、これは仕事や会議だけじゃなく、プライベートでも使える技術ですよね。家族での話を交通整理したり、仲間とレジャーの計画を練ったりと、役に立つスキルだと思います。

あと、反省することも多々。ファシリテーターは公平にみんなの意見をくみ上げるのが仕事ですが、同じような場面で自分の意志を曲げずに突っ張ってきたことがたくさんあったなあ……(遠い目)。ずっと「あいつが悪い!」と思っていましたが、本書を読んで「自分が人の話を聞いてなかった」と考えを改めました。フラットに、みんなの考えをくみ上げるって、難しいですね。あさよるも訓練が必要です。

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図解するシリーズ

図解でわかる!ファシリテーション

目次情報

はじめに
プロローグ~田中くんたち上がる!

第1章 会議の種類と課題

1-1 会議の種類とその課題
1-2 シナリオなしで進むダイナミックな会議
1-3 面白いアイデアや自由な意見を遠慮なしで出してくれ!
1-4 「会議のための会議」になりやすい定例報告会議!
1-5 行事としての会議
1-6 雑談・エレベーター会議
1-7 さまざまな会議に潜む課題(不明&不満)

第2章 会議ロスト

2-1 エアー・ロスト
2-2 自己中ロスト(略語&これそれ・ロスト)
2-3 タイム・ロスト
2-4 フレーム・ロスト
2-5 大事なことロスト
2-6 パワーポイント・ロスト
2-7 本音ロスト
2-8 冷静ロスト
2-9 納得ロスト

第3章 理想の会議

3-1 こんな会議がいいな(見える、残る、納得できる)
3-2 見える会議
3-3 残る会議
3-4 納得できる会議
3-5 楽しい会議
3-6 戻って報告しやすい会議
3-7 会議の質を決める四つの要素

第4章 会議ファシリテーター

4-1 司会者ではなくファシリテーターが必要
4-2 会議の目的を明確にする
4-3 会議進行をオーガナイズする
4-4 タイムマネジメントする
4-5 参加意識と共感を大事にする
4-6 議論を確認する
4-7 結論を確認する
4-8 ファシリテーター玉手箱

第5章 最強ツールはホワイトボード

5-1 ホワイトボードはなぜいいのか?(WHY)
5-2 どんな場面で使うのか?(WHEN)
5-3 何を書くのか?(WHAT)
5-4 どう見える化するのか?(HOW)
5-5 原因軸 vs 目的軸(HOW)
5-6 確認する(HOW)
5-7 その場で写真を撮ろう(ライブ議事録)
5-8 やはり、準備が肝心

第6章 ホワイトボード演出の技

6-1 ちょっと勇気が要るのです
6-2 さりげない気配り演出
6-3 奥ゆかしい演出
6-4 さっぱり! 演出
6-5 柔軟な演出
6-6 サポーター役の演出
6-7 聞き届けの演出
6-8 クイズの演出
6-9 配置の演出(椅子のみにする+配置を変える)
6-10 「1分前」にフレームを書く演出
6-11 「しつもん会議」で演出
6-12 みんなで立って一緒に書く
6-13 図解が有効
6-14 字の上手い人を使おう
6-15 発言を残す
6-16 構造的にまとめる

インターミッション~田名くん、君がいるといいね。

第7章 使えるツール群

7-1 アジェンダ・9マス
7-2 会議の流れ図
7-3 スケジュールライン
7-4 アイデア・ツリー
7-5 ペイオフマトリクス
7-6 図解
7-7 ToDoリスト、CKリスト
7-8 滝グラフ
7-9 ペン図
7-10 二つの線
7-11 ワールドシフト
7-12 矢印と関連
7-13 人の絵
7-14 色ペン、マグネット、ポストイット
7-15 ホワイトボードシート、簡易ホワイトボード
7-16 標語作り
7-17 写真と議事録

第8章 練習してみよう

8-1 会議前にフレームを準備する練習
8-2 デビュー前の練習
8-3 英語の会議で貢献する
8-4 カフェでボード会議
8-5 新人君や学生に経験を
8-6 いつもサポーターが重要

エピローグ~おい田中、客先でデモってこい!

索引

あとがき

松山 真之助(まつやま・しんのすけ)

大手航空会社に勤務しながら、ビジネス系書評メールマガジン「Webook of the Day」を発行し続け、国内外に1万人以上の熱い読者を持つ。
東京藝大非常勤講師、桜美林大学客員講師のほか、自立型の学びと成長の場を目指した活動「ジェイカレッジ」の校長も務める。
2010年、「ビジネスをアートにする研究所」を設立し、個人と組織を元気にする支援活動を開始。シンクタンク・ソフィアバンク(田坂広志代表)パートナー、公益財団法人「民際センター」アドバイザーボードなど、ソーシャル分野でも活躍している。

・主な著書
『バランススコアカードの使い方がよくわかる本』(中経出版)
『早朝起業』(祥伝社)
『マインドマップ読書術』(ダイヤモンド社)
『仕事と人生に効く100冊の本』(秀和システム)
・関連サイト:
Webook of the Day: http://webook.tv/
ジェイカレッジ: http://jcollege.jp/
寺子屋教室: http://bit.ly/TeraKOYA

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