かずのすけ『オトナ女子のための美肌図鑑』|知ったかドヤ女子力をハイ論破!

『オトナ女子のための美肌図鑑』挿絵イラスト 美容と健康

こんにちは。あさよるです。ゴールデンウイークいかがお過ごしでしょうか。今日紹介するのは、ブログでもお馴染みのかずのすけさんの『美肌図鑑』です。ブログでは化学者である かずのすけさんが、コスメの成分表を読んでコスメのたしなみ道を紹介してらっしゃって、あさよるも読んでおります。

本書『美肌図鑑』は、美意識の高い女子こそやっちゃってる、根拠のない美容法を紹介する本です。根拠がないどころか、逆に肌に悪かったりするから恐ろしいところ。なんとなくの思い込みや、販売員のセールストークはセールストークと割り切って、自分にぴったり合うものを選びましょう。

印象的なイラストは、現在炎上中『午後ティー女子』の「つぼゆり」さんです。

「ついやっちゃう」NG美容法

本書『美肌図鑑』は「自称美意識の高い女子」たちが、何の根拠もないのにドヤ顔でやっちゃってる美容法のホントノトコロを暴く内容です。

例えば、一番最初の話題は「無添加コスメ指名買い女子」。「あたし無添加なの使ってる~何入ってるかわからないの嫌~」と、人よりちゃんとしてる感を出し、ドヤ顔で人を見下していますw 特徴は「化粧品選びの基準は無添加かどうか」「目標は自然に優しいナチュラル生活」「お昼ご飯は手作り弁当」だそうですww

で、結局のところ「無添加」ってなに? それ大事なの? 答えはNO。なぜなら、「無添加化粧品」を定義する決まりがないので、言ったもん勝ちだからです。というかそもそも、ほとんどの化粧品は「無添加化粧品」と言えるそう。この世のすべての物質は化学成分でできています。水も「H2O」という化学式で表せます。「化学成分は肌に悪そう」という考え自体がおかしいのですね。

で、「無添加化粧品」についてのざっくりとしたまとめも紹介されます。

ザックリまとめると……

・旧表示指定成分などが1種類でも入っていなければ、「無添加化粧品」と表現できる。
・「天然成分」も中身あたくさんの化学物質。天然 or 合成という基準では化粧品を評価できない。
・すべての「合成成分」は天然の原料から作られている。どんな化粧品も「天然由来100%」。

p.14

まるで中学の教科書で読んだような内容ですが、今一度、化学物質について復習してみるのも良いかもしれません。お店で並ぶコスメたちは、みなそれぞれ「なんとなく肌によさそう」「理由は分からないけど肌に優しそう」な名前を名乗っています。

本書『美肌図鑑』で紹介される美容のNGの多くは、「なんとなく理由は分からないけど肌に優しそうだからやっている習慣」を指摘するものがほとんどです。他の例では「石けんは肌に優しそう」「身体をよく洗ったほうがキレイになりそう」「オーガニックは身体によさそう」「手作りコスメは安心できる」「食品を使えば安心」など、すべて誤り! という、ショックな人もいるかもしれません。

要するに、最低限のことだけやればいい

著者のかずのすけさんは、他にも『しない美容』や『オフスキンケア』という本も出版なさっていて、かずのすけ流美容法は「余計なことをしない」ことが美容につながると提唱されておられます。コスメも、美容効果の高いものを塗るというよりは、肌に悪い習慣を「やめる」ことが重要。

本書をザっと読んだ感じだと、気をつけたいのは「日焼け」。そして、セラミド入りの保湿剤を選ぶ。この二点くらい……?

日焼け対策はしっかりするのが、かずのすけ流美容です。そのために日焼け止めクリームの正しい知識を身につけて、〈必要最低限の日焼け防止〉につとめます。

あと、あまりに安すぎる化粧品は、材料のクオリティが低い場合があるそうです。500円~5000円くらいの価格層の化粧品は、値段とクオリティが比例している場合が多いと紹介されています。それ以外の値段になると、差が少なくなるそう。

じゃ、何をするの?が、わかりにくい?

本書『美肌図鑑』は、やっちゃいがちなNG美容法を紹介するものであって、正解の美容法を教えるものではないので、「結局のところ何をすればいいの?」がわかりにくいですね。

あくまで「自分が良かれと思ってやっている美容法」が、本当に効果があるのか。メーカーの謳い文句に乗せられているだけじゃないのかをジャッジするのには向いています。

また、巷では様々な美容法とともに「これは危ない」「これはダメ」「これは毒」など、過激な言葉で人を怖がらせ、商品を売ろうとする人もいます。その人たちの言葉を聞いて不安を掻き立てられてしまっているなら、とりあえず本書を読んで「そんなことはない」と落ち着いてみるのも良いでしょう。

中途半端な知識がアダとなる……

『オトナ女子のための美肌図鑑』挿絵イラスト

本書『美肌図鑑』は、あさよるもかつてやってた美容法がいくつも紹介されていました。

具体的には「石けん使用オンリー女子」。あさよるは肌トラブルが多く、洗剤を使うのも疑心暗鬼になってて「無添加の石けんだったら安心できる」と信じていたことがありましたw 本書でも紹介されていますが、石けんは洗浄力がとても高く、またアルカリ性の性質を持っているので、肌の弱い人が使うとますますトラブルを起こしてしまいます。

「恐怖!手作り化粧品プレゼント女子」もw 肌が弱いあさよるのために、手作りコスメを作ってくれる人がいましたw これも「無添加だから」と使ってた記憶があります。ユズの種が入っていて、今思うとあんなのよく使ってたなあと思うw これは「食品でスキンケア女子」に通じます。

「泥や火山灰に頼るテカリ女子」もあるあるですねw 鼻の黒住が気になって、ずっと炭や火山灰の洗顔料、使ってましたw

「化粧水で顔面ズブ濡れ女子」も、あさよるのことかとw 数年前までやってました。ハトムギ化粧水流行ったころね。安い化粧水でバシャバシャやるのですw

「30代から肌断食女子」は今まさに あさよるがやってるヤツじゃんw 肌断食ね~。乾燥してるときはクリームやジェルを使いますが、乾燥してなければなにもしません><

「365日“SPF50”女子」も、これ あさよるですねw SPF50もいらないそうです。30もあれば十分なんだって。

やってるやってるw

“オトナ女子のための~”のシリーズのノリについてこれるか?

本書『オトナ女子のための美肌図鑑』は「オトナ女子のための~」と銘打たれたシリーズもので、あさよるネットでも以前『糖質をやめられない オトナ女子のための ヤセ方図鑑』を紹介しました。

このシリーズ、すっごいバカな美容法に没頭している女性をバカにしきったイラストが魅力のシリーズなんですw

こんな感じ↓

『糖質をやめられないオトナ女子のためのヤセ方図鑑』ビジュアル資料

糖質をやめられない オトナ女子のための ヤセ方図鑑 (美人開花シリーズ) | 森 拓郎 |本 | 通販 | Amazon

女性が読む場合は、要は「自虐」ネタでケラケラ笑っちゃうんですが、このノリが苦手な方にはオススメしません(苦笑)。自分のバカでケナゲな努力を「自虐」で笑える方は、ぜひ一度お手に取ってみてください。「ああ、こんなヤツいるなあ」と笑えるし、なにより「これ自分のことやんw」と爆笑しちゃうw

関連記事

オトナ女子のための美肌図鑑

目次情報

はじめに

第1章 美肌作りで絶対に知っておきたいスキンケア

「無添加」が肌に優しいとは限らない!

無添加コスメと合成物質の実際
「化粧品基準」を逆利用した“防腐剤フリー”に注意

美白化粧品では肌は白くならない

肌が黒くなる原因は紫外線だけにあらず!
美白効果の真実とターンオーバー
これだけわかれば万全! 美白成分の3種類

合成界面活性剤は本当に悪者なのか?

化粧品は3要素でできている
界面活性剤の毒性はタイプによって大違い!

オーガニックコスメこそ毒があるという事実

ピュアなのは「天然」より「合成」の香料
「植物エキス」と「精油」はココが違う

ほとんどの肌トラブルは“洗いすぎ”を疑え

美肌を叶える洗顔料の選び方

石けんは洗浄力も刺激もパワフル

石けんって、そもそも何者?
石けんはメリットよりデメリットが多い

手作りコスメは不審物として警戒すべし

汚れ吸着系の洗顔料で「インナードライ肌」に!?

食べられるなら肌に塗って安心……なわけない!

油には「食用グレード」と「化粧品グレード」がある

クレンジング剤よはミルクより「油脂」が正解

種類別・クレンジングの特徴
油脂クレンジングの失敗しない選び方

化粧品は「浸透」しない→大半の成分は無効

化粧品の「浸透」と効果の真相

「化粧品たっぷり♪」は、肌と財布を苦しめるだけ

化粧品の蒸発を防ぐ「フタ」は必須じゃない

洗顔後のケアは基本これだけでOK

おさえておきたい化粧品成分100選

第2章 オトナ女子のためのプラスαケア

水道水はどのくらい肌への悪影響があるのか?

オイルでは「保湿」はできない事実

オイルの種類とそれぞれの長所・短所
「原液100%」は誇大表示! “原液商標”に注意

“何もしないスキンケア”挑戦する価値はある?

「美容液」よりも投資すべきはクレンジング

かずのすけ的おすすめ美容液成分リスト
かずのすけ的残念美容液リスト

安すぎる化粧品には怖~いワケがある

化粧品の値段と効果は比例するの?

殺菌剤がニキビ肌を泥沼化していく

ニキビができるしくみを理解しておこう

ニキビ薬に頼ると塗った場所にニキビが再発!?

ケース別 ニキビの正しい治し方

皮膚科でもらう保湿薬をコスメ扱いするべからず

パックは効果よりも刺激が勝ってしまう!?

角質ケアをするほど“イチゴ鼻”になる

角栓ができる原因は肌への刺激だった!

イチゴ鼻を解決するとっておきの方法

過剰なアンチエイジングで若いうちからオバサン肌に!?

シワ・たるみの原因はどこにある?

シワ・たるみは化粧品で改善できるのか?

私たちにできる老化対策とは

香料は体内に蓄積してアレルギーを発症するリスクが

香料でアレルギーを発症する理由

“クマ”は美白してもムダ! 改善のヒントは洗顔にあり?

ファンデーションはやっぱり肌に悪いのか?

ミネラルファンデvs普通のファンデ徹底比較
肌に優しいファンデーションの選び方

皮脂崩れを防ぐ化粧品で肌の調子が崩れていく……

皮脂崩れを防ぐ下地のデメリット
崩れにくいのにサッと落ちる下地(&リキッド)を選ぶコツ

ベビーパウダーをお粉として使うとニキビ肌に!?

日焼け止めの使い方で、数十年後の肌が変わる

紫外線&日焼け止め基礎知識まるわかり講座
紫外線吸収剤or散乱剤の使い分けがポイント
紫外線防止剤一覧
医療部薬品の有効成分一覧

着色料が肌に影響を与えることは?

BBクリームは万能コスメではない

KAZUNOSUKE COLUMN1
化粧品の保管場所は?

第3章 オトナ女子たちのヘア&ボディケア

お風呂上がりのボディに保湿剤は本来いらない

お風呂に入るだけで体の汚れはほとんど落ちる

ボディソープの洗浄力を少しずつ落とす方法

炭酸コスメはほぼ“偽モノ”で効果なし!

入浴剤はあくまで癒しアイテム

ピーリングで出てくる“ボロボロ”は角質じゃない!

どうなっている? ピーリングのしくみ

すべすべの足裏作りにクリームも軽石もいらない

赤ちゃんみたいなすべすべの足裏を作るコツ

美肌女子の好物はお肉♡ワイン♡コーヒー!

採るべき栄養素はタンパク質&ポリフェノール

スリミング系コスメで引き締まるのは、体ではなく皮膚!?

美顔器の実態は謎に包まれている

敏感肌こそ、ムダ毛処理は永久脱毛がベスト

剃ると太くなる? ムダ毛処理の知識とまとめ

ビタミンCは「点滴」ではなく「サプリ」で摂るのが正解

化学物質が体に侵入する「経費毒」の真相

桂皮毒のあるある勘違いポイント

シャンプーしなくても頭髪の汚れはお湯だけで落ちる!?

“ノンシリコン自慢”をするシャンプーがいちばん使えない

知っておきたい避けるべきシャンプーとは
正しいシャンプーの選び方

美容院の施術後は高額トリートメントは断るべし!

カラー・パーマ・縮毛矯正後のNG行動まとめ
髪のダメージは「修復」不可だけど「補修」はできる

ドライヤーのダメージは使い方次第で軽減できる!

ドライヤードライヤーの熱から髪を守るアウトバスコスメ

頭皮の健康にはオイルもクレンジングも不要!

KAZUNOSUKE COLUMN 2
シャンプーが原因で抜け毛が増える?

第4章 選ぶならどっち? 正しいスキンケア

ダブル洗顔ありとクレンジングのみ やるならどっち?

朝はお湯だけ洗顔と朝も洗顔料でしっかり洗顔 やるならどっち?

泡立てネットと泡立ちのいい洗顔料 使うならどっち?

手とコットン、化粧水を塗るならどっち?

洗顔はしめに冷水と最後までぬるま湯 やるならどっち?

普通の日焼け止めとロングUVA対応の日焼け止め 選ぶならどっち?

国産コスメと海外コスメ、選ぶならどっち?

おわりに

かずのすけ

美容科学者

1990年福井県生まれ。京都教育大学教育学部を経て、2016年に横浜国立大学大学院環境リスクマネジメント専攻を卒業(環境学士・教育学学士)。専門は有機化学で、大学では界面活性剤とタンパク質の研究、大学院では化粧品リスクと消費者教育に関わる研究を行う。現在は研究活動のかたわら、サイト運営や化粧品の研究開発、セミナー講師、執筆業などにも携わる。2013年9月よりブログ「かずのすけの化粧品評論と美容科学についてのぼやき」を運営。確かな知識を生かした化粧品解析のわかりやすいコラムで、肌・髪に悩む多数の読者の信頼を得ている。著書に『化学者が美肌コスメを選んだら…――じつは10秒で見抜けます』(三五館)、『間違いだらけの化粧品選び自分誌上最高の美肌づくり』(泰文堂)がある。

コメント

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