月に2,3回くらいのペースで図書館を利用します。
館内をフラリと一周。
普段、自分が興味がなくてスルーしがちな分野の本棚の間も歩きます。
地元の図書館はあまり大きくもないので、まんべんなく棚を見て回るには丁度よいです。
今はネットで図書館の蔵書を検索できるので、出かける前に「この本を借りよう!」と事前に目星をつけ、メモに控えてから出かけます。
ですが、館内をフラリと見て回っている間に、出会う本もたくさんあります。
未チェックの本とも出会える楽しみ
いつものように館内をフラリと見て回る内、“芸能”の棚でたまたま見つけた『狂言でござる』を読みました。
著者はウッチャンナンチャンの南原清隆さん。
「お笑い芸人の南原さんが狂言?」と気になって手に取ったのです。
狂言は御存知の通り、古くから日本に伝わる古典芸能です。
「能狂言」と呼ばれるように、お能とセットで上演され、狂言はコミカルでユーモラスな内容です。
このユーモラスな「お笑い」要素が、南原さんを惹きつけたようです。
なんとなく難しそうな古典芸能…
なんとなく古典芸能って「取っ付きにくい」「難しそう」なイメージがありますよね。
もしかしたら、学校の芸術鑑賞会とかで見たことある人もいるかもしれませんが、それも「勉強」って感じで良いイメージじゃないかもしれません。
そんな古典芸能である狂言に南原さんが出会い、新作狂言を上演するためにお稽古に取り組み、その中での気付きや発見をたくさん紹介されていました。
狂言の紹介本としても、著者が人気タレントのナンチャンですし、親しみがあってとても良い本だと思いました。
お笑いの計算されたセオリー
しかしそれ以上に、現在のお笑いやコントで芸人さん達がやっているテクニックやセオリーを少しだけ知れました。
漫才やコントには「ボケ」と「ツッコミ」の役が居ますが、「ツッコミ」はネタを見ている客の代表だということ。
ボケが変なことを言うと、客が内心思っていることを、ツッコミが代弁することで、笑いが起こるようです。
私が思っている以上に、お笑い芸人というのは、計算づくで「笑い」を生み出しているようです。
南原さんも、笑いを追求する内、疑問に思ったことを解決するために、様々なジャンルの達人たちに相談をしている内に、日本の芸能「狂言」へ行き着いたそうです。
真面目に取り組むべき「仕事」
更に、『狂言でござる』を読んで、南原さんの「真面目さ」に触れ、襟を正される思いでした。
南原さんは元々は俳優やダンサー志望でしたが、相方の内村さんと出会ったことで芸人としてデビューします。
しかし、南原さんは今でもダンサーとしてのレッスンや研究もされているようで、何事にも真面目に取り組む結果が、現在の人気に繋がっているのかなぁと思いました。
私も、何事にも真面目に向き合わないとなぁと思い至ったのです。
「仕事」を真面目にするのは当たり前かもしれませんが、「仕事」ってお金を稼げる仕事もあれば、お金以外の糧になる仕事もあるのかもしれません。
だけど、自分が「豊か」になるためには、どちらも必要なのかも。
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僕の「日本人の笑い」再発見 狂言でござる ボケとツッコミには600年の歴史があった
南原清隆
祥伝社
(2010)
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