丸島和洋『真田四代と信繁』|大河ドラマ『真田丸』をより楽しむために(^^)

NHK大河ドラマ『真田丸』を楽しもう!

『真田丸』の時代考証もされている丸島和洋先生の著書で予習&復習しよう^^

NHK大河ドラマ『真田丸』を楽しむために☆

あさよるは毎週、2016年の大河ドラマ『真田丸』をそれはそれは楽しみに見ています。

大河ドラマは例年、ちょこちょこと見る程度なのですが、今年はもう!堺雅人さんが主演とあって、毎週見逃せません(あさよるは堺さん大好きです)。

堺雅人さん目当てで見始めた『真田丸』ですが、これがむちゃくちゃ面白い!毎週ドキドキと笑いが満載で、夢中になっています。

あさよるは、戦国時代について、ほとんどなにも知りません。ホント、教科書に載っていた秀吉や信長、家康しか知らないと言っても過言ではないという……。

ドラマを見ていても、知らないことばかりなので、『真田丸』の時代考証もつとめる丸島和洋先生の著書に手を伸ばしました。

Twitterでおすすめされていた『真田四代と信繁』

『真田四代と信繁』はTwitterで、日本史ネタをツイートなさっているアカウントの方がオススメされていました。

そしてなんと、丸島和洋先生も、Twitterでも活躍されている方だったんですね。いつもRTされているツイートを拝見していましたが、まさかご本人とは!

ちょっと嬉しくなったあさよるでした^^

真田のルーツと歴代の賢者たち

真田信繁と「真田幸村」

本書のタイトル『真田四代と信繁』にある“信繁”という人物をご存知でしょうか。

この真田信繁こそ、後の時代に戦国のヒーロー「真田幸村」と呼ばれる人物です。

実はこの「真田幸村」という名前、全くの創作なんだそうです。信繁の没後、江戸時代に刊行された軍記物の書物に初登場します。後の時代に創作された名前が、江戸年間を通じて広まりました。

ついには、真田家の家系図にも「幸村と改名した」と誤った記載がされていたそうです。子孫ですら信じてしまうくらいに、通説がポピュラーになっていたんですね。

「幸村」と「大星由良之助」

有名な「忠臣蔵」では、例えば大石内蔵助を「大星由良之助」と呼び名を変えて、歌舞伎や文楽で親しまれていました。

忠臣蔵の赤穂浪士たちは、幕府の下した判決(浅野内匠頭の切腹、赤穂藩の廃止)が不服で、吉良上野介に仕返しをします。と言っても、あくまで判決を下したのは幕府なのですから、幕府にクーデターを起こすべきであって、吉良上野介には八つ当たりじゃないか?と思ってしまいますね(^_^;)

(さらに幕末には、その忠臣蔵をモチーフにした制服を、幕府側の見廻組や新選組が採用しているのも、ややこしい話だなぁと思います(^_^;)

いずれにせよ、天下の幕府が下した決定を不服とはけしからん!ので、「仮名手本忠臣蔵」は、赤穂浪士事件をモチーフにしながらも、人物はすべて仮名。事件も、違う出来事に上手いこと変更されています。

あくまで「フィクション」だと言い張って、人々に親しまれていたんです。

もしかしたら、「真田幸村」も、そういう理由があるのかなぁと思いました。真田信繁(幸村)も、大坂の陣で徳川家の敵方についた人です。徳川幕府から見ると、あまりいい気持ちではないでしょうしね。

伝説の人「真田幸村」から史実「信繁」へ

あさよるも創作に彩られた伝説の人「真田幸村」も好きなのですが、歴史上の「真田信繁」がどんな人物だったか気になります。

なにより、2016年のNHK大河ドラマ『真田丸』の主人公は真田“信繁”なんですから。

これまで知らなかった真田信繁の姿が知れるのが、なにより嬉しいです。

真田家のルーツ

真田家のルーツは、古くは清和天皇の孫が「海野(うんの)」を名乗り、後に真田郷に住んでいたので、「真田」を名乗るようになった。

と、江戸時代に称しているけれども、真偽は不明。どうもあまり信じがたい出自のようです。

真田家は、「海野氏の直系である」としたかったようですが、実際のところはどうでしょう。

『真田四代と信繁』によると、真田家は鎌倉時代初期に、海野氏から分かれた庶流家ではないかと提示しています。

「国衆(くにしゅう)」って?

NHK『真田丸』でも、「国衆」という集団が登場します。あさよるは、この言葉をドラマの中で始めて知りました。

国衆とは、戦国大名の領地内に、自治領を持っている自治領主のことです。

「戦国大名」は、戦国武将を束ねている家の当主のこと。

ちなみに、戦国武将とは、侍や武家の総称だと『わかっちゃう図解 サムライ』にありました(気がします/アヤフヤ)。

真田幸綱と信綱

『真田四代と信繁』では、「真田幸綱」と「真田信綱」いう人物にページが割かれます。真田初心者のあさよるは、どちらもはじめて知る人物です。

真田幸綱は、真田昌幸の父、真田信繁(幸村)の祖父です。この幸綱の母、あるいは妻が、海野から真田に嫁いだとされます。

綱吉は岩櫃城主として武田家に使えています。信綱の「信」の字は、武田信玄からもらっているのですね。これは昌幸の息子たち信幸と信繁にも引き継がれています。

「岩櫃城」はドラマでも登場しましたね。あさよるは信州にさっぱり土地勘がないので、大河ドラマに登場する地図のアニメーションがとても勉強になります(^_^;)

戦国時代きっての謀将・真田昌幸

そして時間が流れて、昌幸が真田家の当主になります。『真田丸』では草刈正雄さんが演じられており、超カッコいいんですよね。

草刈さんの甘いマスクとは裏腹に(?)、寝返りに寝返りを重ね、ウソや騙しもなんのその!の「策士」として描かれます。

「ドラマだから誇張してるんでしょう~」なんて思ってみていましたが、実際の昌幸はもっとめちゃくちゃな人だったようで、まさに事実は小説よりも奇なり。

幼い頃から、人質として武田家に差し出されており、川中島合戦では本陣を守っていたという記録がある。歴史的イベントに立ちあった、戦国武将です。

真田は、北条、上杉と戦国時代の覇者に囲まれ、その直ぐ側には織田、徳川が待ち構えているという四面楚歌!そこで、唯一頼りの武田家があっけなく滅亡してしまったのですから、目も当てられません。

上杉に付いたり、織田に付いたり、徳川に付いたり裏切ったり、豊臣に付いたり……とギリギリの外交を繰り返し、読んでいるだけでも胃が痛い……。

戦国の末期、真田家はこのピンチから、江戸時代を藩主として生き抜いたのですからアッパレ。

伝説の戦国武将・真田信繁

いよいよ我らが幸村……のモデルになった真田信繁の登場です。

幼いころより武田家の人質として甲斐で過ごした後、上杉や豊臣の人質になり、豊臣秀次の娘、大友吉継の娘を妻にします。この時点で信繁の運命は決まっていたのかもしれませんね(T_T)

第二次上田合戦のあと、信繁と父・昌幸は和歌山県の九度山に流されます。この九度山でも幸村伝説がたくさん残っていて、あさよるが近々遊びに行きたい場所でもあります。

ちなみに、大河ドラマのタイトルの「真田丸」というのは、大坂の陣で信繁が作った城の名前です。大阪では今でも「真田山」と呼ばれ、地名として残っています。

泰平の世を生き抜いた・真田信幸

ドラマ『真田丸』では大泉洋さんが演じる真田信幸(のちの信之)。

信幸はギリギリの外交の中、江戸時代を生き抜き、今に続く真田家の礎を作りました。しかも、めっちゃ長生き!

江戸時代になってからも、徳川家から頼りにされ、とても賢い人だったのだろうと思いました。

あさよるは、真田四代の中では、信之が好きだなぁと感じました。乱世を強く生き抜き、かつ、泰平の世でも役に立つ人物って……スーパーマンじゃないですか!?

『真田丸』を楽しむために、携帯しておきたい!^^

あさよるの拙い日本史の知識で、この本の面白さを表現できたとはとても思えないのですが……(;´Д`)

戦国時代オンチで真田家について無知、かつ、信州のこともわからず、右も左もわからない読書でしたが、じっくり読めば、きちんと内容が分かりました。

歴史&日本史は興味があるけど、戦国時代がわからないよ~って人でも、学校で習ったような知識があれば読み進められます。

そして、戦国好きな方も、最新の研究を知るのにいかがでしょう。著者は、『真田丸』の時代考証にも関わる丸島和洋先生で、複数の節を紹介しながら考察してゆく文体がいいなぁと思いました。

なにより、ドラマを楽しむために手元に置いておきたい一冊です!

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真田四代と信繁

  • 丸島和洋
  • 平凡社
  • 2015/11/16

目次情報

はじめに

一章 真田幸綱 真田家を再興させた智将

真田家の系図主張/滋野氏の発祥/滋野氏と信濃/海野氏の勃興/大塔合戦と結城合戦
真田「幸隆」の実名/海野棟綱との関係/「真田右馬助綱吉」とは何者か/海野合戦
武田信虎の追放と山内上杉氏の信濃出兵/幸綱の武田家従属/砥石城攻略と本領復帰
姻戚関係の構築/川中島合戦/西上野侵攻と岩櫃城将就任

二章 真田信綱 長篠の戦いに散った悲劇の将

正室「於北」と信綱の家督相続/四阿山信仰と真田氏/真田家当主・岩櫃城将として
長篠の戦い

第三章 真田昌幸 柔軟な発想と決断力

人質からの出世/正室山之手殿の出自/真田領検地/沼田城攻略/「北上野郡司」として
高天神崩れと新府城築城/武田家滅亡/織田政権への従属/本能寺の変
「天正壬午の乱」のはじまり/昌幸、徳川家に従う
徳川氏と北条氏の和睦――「天正壬午の乱」の集結/上田城築上/小県郡を制圧
第一次上田合戦/秀吉への接近/「表裏此興者」、豊臣政権への服従
信長・秀吉の「惣無事」/秀吉の「惣無事令」と「沼田領問題」の裁定/名胡桃城事件
小田原合戦のはじまり/鉢形城攻略と小田原合戦の集結/小山田茂誠の家臣化
豊臣政権下の真田氏と石田三成/朝鮮出兵の中の真田氏/関ヶ原の戦いへの道
政権奪取の布石を打つ家康/第二次上田合戦/高野山配流と死去

四章 真田信綱 戦国史上最高の伝説となった「日本一の兵」

実名と生没年/木曽での人質生活/越後での人質生活/豊臣政権と岳父大谷吉継
馬廻信繁の知行地とその支配/「秀次事件」と信繁/九度山での生活/大坂入場
真田丸築城をめぐる真相/大坂冬の陣と真田丸の攻防/信繁に仕掛けられた寝返り工作
講和の成立/大坂夏の陣へ/道明寺の戦い/信繁の討死/豊臣家の滅亡/信繁妻子のその後

五章 真田信之 松代一〇万石の礎を固めた藩祖

上野在城とふたりの妻/豊臣政権下の信幸/石田三成との交友
小県郡の知行改めと上田領の復興/藩制機構の整備/松代転封

あとがき

年表
主要参考資料

丸島 和洋(まるしま・かずひろ)

1977年大阪府生まれ。2000年慶応義塾大学文学部史学科卒業。05年、同大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。08年「戦国期武田氏権力の研究――取次論の視座から」で博士(史学)。専門は戦国大名論。慶応義塾大学非常勤講師などを経て、13年より国文学研究資料館研究部特任助教。著書に『戦国大名の「外交」』(講談社選書メチエ)、『図説 真田一族』(戎光祥出版)、編著に『論集戦国大名と国衆13 信濃真田氏』『同14 真田氏一門と家臣』(ともに岩田書院)、共編著に『武田氏家臣団人名辞典』(東京堂出版)など多数。

コメント

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