石井直方『痩筋力 確実にやせる筋トレ術』|確実に痩せたい人にしかオススメしません

こんにちは。食欲の秋を満喫している あさよるです。夏の間節制できてたのに、これじゃだめだ! 今からちょっと気を引き締めて、ついでにお腹も引き締めたいなぁと、石井直方先生の著書『痩筋力』を読み始めました。石井直方先生の本は過去に数冊読んでいて、筋肉のしくみについて全然何も知らなかったあさよるにとっては、石井先生の本に出会えたことで人生観が変わりました。それまで、ザ・昭和な非科学的な行為を「トレーニング」だと思っていたのでした……(-_-;)(-_-;)

ちなみに、あさよるを変えた石井先生の本は『姿勢の科学』でした。

石井先生の本は正論。マジぐう聖。だから、本当に自分の体を変えたい人以外にはおすすめしません。

筋トレだけで痩せる!

本書『痩筋力』は、筋肉をつけて痩せやすい身体をつくる利点と、その理由、そしてその方法が紹介されている親書です。タイトルの「痩筋力」とは「筋肉をつけて痩せる力」のこと。なんとも頼もしい言い方です^^ もちろん、痩筋力はダイエットのためだけではなく、健康習慣や、歳を取ったとき寝たきりになるリスクを軽減したり、肩こりなど身体の不良も緩和します。

速筋と遅筋

筋肉には「速筋」と「遅筋」という二つの筋肉があります。「速筋」は瞬発力を発揮する筋肉で、遅筋はマラソンなど持久力が必要な活動で使われます。

「痩筋力」では、瞬発力を生む「速筋」を鍛えます。速筋はエネルギーを燃やし、体を温める役割も担っています。だから、速筋がたくさんある人はそれだけエネルギー消費の多い人……つまり「燃費の悪い人」ということ。これは食糧難のときには大きなデメリットとなりますが、「ダイエット」という観点からは、エネルギーが燃えやすい=痩せやすいことなので、多くの現代人にとっては嬉しい力です。

「遅筋」も大事な働きをします。脂肪を燃焼するのは遅筋だからです。

今、糖質制限ダイエットが流行していますね。巷で言われている通り、糖質を「制限する」のは大事なことです。糖質はおいしいですから、食べすぎてしまうんですよね~。だけど「糖質抜き」にはリスクがあります。まず、身体は栄養不足になると「省エネモード」に切り替わります。「痩筋力」である、エネルギー消費増大モードとは真逆です。そして身体は、糖質が足りなくなると筋肉を分解して糖質を確保し始めます。筋肉はエネルギーを浪費する機関ですから、動物としての生き残り策としては、省エネに移行するのは理にかなっています(それが飽食の時代にはデメリットになってるんだけど)。また、食べ物がなくてストレスを感じると、ストレス時に分泌されるホルモンの影響で脂肪が作られやすくなるそうです。

つまり、糖質が足りないと、それはそれで「痩せにくい身体」どころか「太りやすい身体」へとモード変更されちゃうみたいです。気をつけねば……。

筋トレすればいい!

じゃあどうすればいいのか、ややこしいことはできない……と落ち込まなくても良いのです。なぜなら、筋トレすれば大丈夫だから!w

筋トレといっても、下手にやると身体を壊してしまいます。トレーニングマシンを使ったトレーニングが安全だとされていたこともあったそうですが、今ではマシンを使ったトレーニングも知識がなければ弊害があることが知られているそうです。

だから、安全安心で、手軽で、お金がかからないトレーニング……著者の石井直方先生は「スロトレ」を推奨しておられます。ズバリ『スロトレ』というDVDつきの本も出版されています。

「スロトレ」は「スロートレーニング」の略なのですが、決して楽なトレーニングという意味ではありません。むしろ、ある一定時間筋肉にジワっとゆっくり負荷をかけ続けるトレーニング、キツいトレーニングです。だから、石井直方先生は、トレーニングしたい筋肉を狙い撃ちできるトレーニングメニューを提案なさっています。スロトレ自体はキツいトレーニングだけれども、ピンポイントで負荷をかけることで、ゼェゼェと息が上がってしまうような疲労は感じません。……ただ、あさよるもスロトレやってますが、ジワっとびっしょり汗をかいて、心拍数と呼吸が上がってるのは感じます。気持ちよい汗ですね。

食事制限はキツイ! 筋トレのほうが楽かも……

あさよるも数十年生きていますとね、いろいろ学習しております。食事制限だけで体重を減らすのはムズイ。趙ムズイ。確かに、食事の量を減らせば最初はある程度減るんですよ。ただ、ある程度減るだけで、それ以上は減らないし、いつまでも食事をガマンするのはキツくて、我慢しきれずに食べちゃうと元の木阿弥……どころか、ダイエット前よりも体重が増えて、体脂肪率も増える……つまり不健康な感じで太ってしまうのがお約束。この「不健康な感じ」ってのが厄介ですよね~。見た目を気にしてダイエットしたいのに、不健康そうって一番目的から遠い( ノД`) 本書『痩筋力』でも、食事制限のリスクが紹介されていました。

一方で、「スロトレはデメリットがない」という指摘が目からウロコでした。筋トレはやり方を間違えると身体を壊すリスクもあるのですが、正しくやれば必ず成果が上がります。そして、例え途中で挫折してトレーニングをやめちゃっても、不健康になるわけじゃありません。単に、トレーニングをやめただけなんですよね。で、時間とともにまた体重が増えてきたり、筋力が落ちてきたかな~と思うなら、その時にまた再開すれば良いのです。筋トレにハマってとことんストイックに極めちゃう人もいますが、別にゆるーくやってもOKなのが筋トレのいいところ。

ただし、スロトレも、最初の3ヵ月は続けてやるよう指示されています。

筋トレは休み休みやる

筋トレって、毎日何百回も腕立て伏せをしたりするようなやり方はもう古いみたいです。本書『痩筋力』でも、トレーニングは2~3日おきくらいにやるのがいいと紹介されていました。また、100回も連続でやれちゃう負荷で腕立て伏せをしても、本当に効いているのは最後の10回くらいだそうです。そうじゃなくて、10回もやればもう限界なくらいの負荷でトレーニングをやって、1~3分ほど休んで、また10回もできないくらいのトレーニングをやって……と、10回くらいを1セットに、間に1分ほどの休憩を入れながらやるのが最も効果的だそう。

トレーニング後、筋肉を休めて回復させることで、筋肉は太くなってゆきます。

スロトレでは、2つのトレーニングをそれぞれ1セットずつ交互にやることで、片方のトレーニング中、もう片方の筋肉を休めるよう組まれています。これはさっき挙げた『スロトレ』のDVDと一緒にあわせてやってみてくだされ。

筋トレは適度な休息が必要で、毎日するより週に2、3回くらいがいいって、あさよるは石井先生の本に出合うまで知りませんでした。なんでも勉強しなきゃいけませんね。

ちなみに、腹筋と背筋だけは別で、毎日やってもOKだそうです。科学的な理由はまだわかっていないそうですが、特別な筋肉みたいですね。

今すぐ感じる効果もあるよ

本書『痩筋力』では、スロトレは最初3カ月感は週2、3日くらいのペースで続けてゆく必要があると書かれていました。しかし、ウエスト周りだけは最初の2週くらいで効果を実感する人もいるそうです。お腹の中は空洞ですから、筋肉を少しつけるだけでお腹が引き締まって、ウエストが細くなるんだそう。

これは、それまでトレーニングをしていなかった人ほど顕著に表れやすい効果だそうで、そう聞くとやってみたいと思いませんか?

そんなことを言っているあさよるも、スロトレを始めてすぐに身体が変わっていると実感しました。体を起こしているのが楽になるというか……なんか、違うんですよ、動作も、身体の感覚も。その最初の変化を再体験したくて、スロトレをやろうと原動力になっています(`・ω・´)b

本書に書かれていることって、すごく「普通」です。「○○するだけ」みたいな奇をてらったダイエット本ではありません。だから、本当に痩せたい、本当に健康や美容のために身体を鍛えたい人にしかおすすめしません。

関連記事

石井直方さんの本

痩筋力確実にやせる筋トレ術

目次情報

はじめに

第一章 痩せるために絶対必要な筋肉の力=痩筋力

痩筋力とは何か
筋肉の衰えが痩筋力の低下を招く
加齢の影響を受けやすい筋肉とは?
日常生活で使う筋肉の力=痩筋力
筋肉の衰えと肥満の関係
筋肉は安静時代謝量を左右する
筋肉は最大のエネルギー消費器官
速筋は痩筋力に大きく貢献する
マラソンランナーとスプリンターの痩筋力
筋肉が果たしている役割
あなたには筋肉が足りているか?
ダイエットのプライオリティ
「筋トレからスタート」の理由
筋トレだけでも痩せられる
食事制限のみではリバウンドは必至
無理な食事制限は筋肉を減らす
有酸素運動だけでは痩せない!?
日常の活動は有酸素運動
筋トレで痩筋力が鍛えられる
時間や場所を取らないことも筋トレの利点
トレーニングで筋肉の質も変わる
筋トレ後は即、代謝がアップ
有酸素運動の効果も上げる筋トレ
元気な筋肉は日常生活も活発にする
有酸素運動は10円貯金、筋トレは複利貯金
運動習慣のない人のほうが効果が高い!?
一度つけた筋肉は維持しやすい
中断しても“デメリットがない”というメリット

やってみよう! 痩筋力チェックリスト

1 腹筋
2 背筋
3 平衡感覚
4 歩行能力

第二章 科学的トレーニングで効率よく筋肉をつける

痩筋力で大事なのは筋肉量
筋肉を増やすには運動の強度が大事
限界ギリギリの回数を行う
腕立て伏せ100回やっても腕は太くならない
「もう1セット」で効果が大きくアップする
「強く吐く」だけで効果が上がる
筋肉はペアで鍛えることが大前提
トレーニングは2~3日に一度がベスト
週2時間より1日おきに10分のほうが効果的
腹筋と背筋は毎日鍛えてもいい
最低でも3か月は続ける
筋トレ前後にはウォーミングアップとクールダウン
メンタル面がトレーニングに与える影響

第三章 週2回、1日15分で痩筋力をみるみるアップ

原点は大腰筋トレーニング
スロトレは進化している!
スロトレの誤解
原理は筋肉を「錯覚」させること
加圧トレーニングにヒントを得たスロトレ
軽い負荷で短時間なのに効果は通常の筋トレと同じ
事故やケガの危険が少なく、安全、安心
スロトレは一度にたくさんの筋肉が鍛えられる
スロトレとマシントレーニングとの比較
「マシン+バランスボール=スロトレ」ではない
やり方を間違えると効果はない
効いているかどうかは筋肉に尋ねる
問題は回数ではなく1回、1回の質
「慣れない」工夫で効果もアップ
筋肉痛とのつき合い方
行う時間帯を考えればより効果が上がる
モチベーション維持の秘訣
小さな変化にも敏感になって評価する
おなかに効果が現れやすい、そのワケは?
スロトレのエッセンスが詰まった5種類の運動

実践 スロトレ・プログラム

ニーアップ(ニートゥーエルボー)
ニートゥチェスト
スクワット
足振りランジ
アームレッグクロスレイズ

確実に効果を上げるためのスロトレのコツ

ニーアップ(ニートゥエルボー)
ニートゥチェスト
スクワット
足振りランジ
アームレッグクロスレイズ

それぞれ5回~10回を3セットずつ行うのが基本
各種目を終えるごとにストレッチを行う
2種類をペアにして行うという方法もアリ
分割トレーニングのすすめ

第四章 日常生活で痩筋力をアップさせる

痩筋力には生活リズムが重要
朝30分のダラダラした時間もときには大事
運動の前の栄養摂取で効果がアップ
筋トレ後も痩筋力をつけるチャンス!
筋トレ後2時間の過ごし方で大きな差が出る
日々の食事から“筋肉の素”を積極的に摂る
筋肉運動に欠かせないカルシウムも存分に
抗酸化物質が筋肉疲労を軽減する
150kcalを操れるかどうかがひとつの鍵!
糖質を極端に減らすと筋肉も減る
食事の回数を増やした分だけ痩筋力がつく
食事を摂れば摂るだけ脂肪も燃える!?
適切な休養が筋肉を育てる
睡眠は痩筋力に影響を及ぼすか?
“悪影響”とのつき合い方
姿勢を正し、大股で歩くだけでもトレーニングになる
階段はチャンス! 一段飛ばしで筋肉を強化

第五章 リスクに備え、生きる力をつける痩筋力

痩筋力をつければ痩せる以外にもメリットがある
毎日を活動的に過ごせてよい循環が生まれる
肩こりや腰痛など体の不調を改善&予防する
痩筋力をつければ“若返り”も期待できる
脳が活性化させて気力に満ちてくる
介護予防のためにも筋肉が重要
生物としてのヒトの特徴は直立二足歩行にある
元気な高齢者は大腰筋が太い
痩筋力は“幸せに生きる力”
続けることこそ、最大の力

石井 直方(いしい・なおかた)

1955年東京生まれ。東京大学大学院総合文化研究科教授(広域科学専攻・生命環境科学系)。専門は身体運動科学・筋生理学。ボディービルダーとしても、2度のミスター日本優勝、ミスターアジア優勝、ボディビル世界選手権3位入賞など数々の実績をもつ。筋肉とエクササイズの専門家として雑誌、新聞などで幅広く活躍するほか、テレビ出演も多数。著書にベストセラー『スロトレ』(高橋書店)、『一生太らない体のつくり方』(エクスナレッジ)などがある。

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