『幕末気分』を読んだよ

歴史の時間の流れを時計の文字盤のイメージを描いたコピックイラスト 読書記録

時間が過ぎるのはあっという間で、更に歳を取るごとに年月の流れが早くなるなんて言います。
大人になって以降、本当に「あっという間」に終わってしまう一年もありましたが、とても長く感じる一年もあったように思います。

後に、過去を振り返ったとき、時間の長さに差を感じるのではないでしょうか。
日々変化が多く思い出す要因が多かった時期は、思い出す機会も多く、長い時間に感じます。
対して、同じような日常をひたすら繰り返し続けていた時期は、思い出す機会が少ないので、短く感じるように思います。

いずれも貴重で他に代え難い時間であったことは同じです。
変化の時期も大切ですし、継続の時期も同じように大切です。

日本の歴史と自分の生きた歴史を比べてみると……

自分の生きた歴史は、振り返ってみると、それでも「まだまだ短い」と感じます。
まだ私自身が何者にもなっていないせいでもありますが、あんなに長かったはずの幼少期や、鬱々と過ごした思春期ですら、今思い出すと、とても短く、貴重な時間でした。
振り返ると、感慨深いものです。

「近代」はほんの僅か。江戸時代はほんの少し前

人の一生の長さに感慨深くなっていると驚いてしまうのが、日本の「近代」の歴史の長さです。
「明治維新」「幕末」と呼ばれている、遠い過去のような話は、例えば桜田門外の変は1860年、大政奉還は1867年、戊辰戦争終結は1898年ですから、だいたい150年ほど前のことです。

自分のこれまで生きた年数と比べてみると、すごく明治維新は「最近」な気がするのですが、みなさんはどう感じますか?

明治期から現在までの時間は、とてもたくさんの出来事が日本列島内で起こり、社会システムが変わり、人々の生活も様変わりしたでしょう。
それだけの大きな変化が、「たった150年」の間に起こったと感じるからこそ、改めて驚きを感じます。

『幕末気分』を読んだよ

『幕末気分』を読みました。
先日読んだ『幕末不戦派軍記』で描かれていた弥次郎、喜多八、筒なし、関兵衛の四人組キャラクターが登場する元となった『在阪在京中日記』を扱った章があります。
『幕末不戦派軍記』は歴史小説風でしたが、『幕末気分』は小説風味はうんと少なめでした。

江戸時代も末期も末期、明治の近代化がもうすぐそこまで迫っている時代。
その激動の時代の中でも、名もない庶民たちはたくましく生きています。
躍動の時代ですが、ひたむきに生き延びた無名の姿に、現在の私も少しだけ、励まされるような気もします。

参考リンク

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幕末気分

幕末気分
野口 武彦
講談社
(2002)

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