面白い歴史小説は事実とフィクションの塩梅が絶妙
歴史小説の面白さに、歴史的事実の中にフィクションの出来事やキャラクターが溶け込み、どこまでが事実でどこまでがフィクションなのか分からない世界観を味わう楽しみがあると思います。
小説だけでなく、毎年のNHKの大河ドラマや、歴史を題材にしたマンガ作品も同じだと思います。
歴史小説はあくまで「小説」ですから、事実とは違うのですが、物語が歴史の世界を知るきっかけになれば、二重に楽しいですよね。
『幕末不戦派軍記』を読んだよ
弥次郎、喜多八、筒なし、関兵衛という徳川方の武具奉行四人組のお話です。
中西関次郎という人が書き残した『慶応元乙丑五月御進発御供中西氏ヨリ差下シ候道中并在京在阪中日記』という日記をモデルに、四人のキャラクターが生まれたそうです。
幕末、武具奉行の四人が大阪へ出張へ来て豪遊している内に鳥羽伏見の戦いが始まり、江戸へ逃げ帰ります。
上野戦争直前、武器を売って一儲けしようとしている内に、うっかり上野彰義隊に混じったまま上野戦争が始まってしまったり、北海道へ行き箱館戦争に巻き込まれます。
小説の所々に、先の資料から抜き出した箇所があるため、現実とフィクションが入り混じった面白い本でした。
著者の野口武彦さんの本を読んだのは初めてでしたが、他にもたくさんの著書があるようなので、続けて読んでみます。
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幕末不戦派軍記
幕末不戦派軍記
野口 武彦
講談社
(2008)
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