思考のバリエーションを手に入れる|『「思考」を育てる100の講義』

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眼から鱗?正論?極論?

思い込みの常識が、ハッと違った角度で見えるかも。

森博嗣さんのノンフィクションを読みたかった

森博嗣さんの『作家の収支』が昨年末出版されてから、アチコチで話題になっていましたよね。

あさよるも読んでみようと思ったのですが、たまたま売り切れ?なのか見つけられず……。代わりにと、同著者の著作を手に取りました。

あさよるは、森博嗣さんの小説しか読んだことがなかったので、それ以外の著作を読んでみたいと思いました。『「思考」を育てる100の講義』というタイトルに惹かれました。100もの森博嗣さんのエッセンスが知れたらいいなぁと期待しました。

思い込みの常識から脱却

“「思考」を育てる”とあるように、読んでいるだけで眼から鱗。常識や思い込みで凝り固まった「思考」に気付かされます。

あるいは、森博嗣さんの人生訓や格言っぽくも楽しめます。ボリュームがありますが、スラスラっと読めちゃうのがさすが。

一節一節が見開き2ページにまとまっていて、少しずつ、読みたいところから読んでゆくのもアリですね。パッと開いた場所を読んで、その日の話題作りや、自分の中のテーマを見つけたり。

耳の痛い話や、チクッと刺さる話。自分で読んで自分でウーンと唸ってもいいし、どうせなら、周りの人まで巻き込んで、思考のゲシュタルト崩壊を起こしちゃってもいいなぁ、なんて思います^^

的確すぎて、ヘビーかも…

と言いつつ、これまで森博嗣さんの小説しか読んだことがなかった身としては、ちとビックリ。

どの主張もどこまでも真っ直ぐで真っ当。それだけに、鋭く強い。だから、誰もあえて言わないこと、知っているけど見ないふりをしていることをズバズバと暴かれてゆくのが、心地良くもあり、不安でもあり。

元気な時に読まないと、しんどいかもなぁとも思う(-_-;)

知的コミュニケーションの参考に

話のネタ探しに、『「思考」を育てる100の講義』は役立つんじゃないかと思います。

これまでになかった発想や、「あ、そういうこと言ってもいいんだ」という発見は、普段の会話の中で生きるのではないか、と思うからです。

気心知れた仲間と馬鹿話するのも楽しい時間です。しかし、少し改まって、頭の体操ができるような会話も持ちたいものです。人の思考って、クセのあるものだと思うので、他者の考えを定期的にインストールして、考えの幅を広げたい。

森博嗣さんの、思考を取り入れてみることで、見えるもの、感じるもののバリエーションが増えるかも。

「思考」を育てる100の講義

「思考」を育てる100の講義 (だいわ文庫)

「思考」を育てる100の講義 (だいわ文庫)

  • 作者:森 博嗣
  • 出版社:大和書房
  • 発売日: 2014-09-12

目次情報

0/100 まえがき

1限目 未来を考え、現在に生きる「人生」論

1/100 明日死ぬと思って行動し、永遠に生きられると思って考える。
2/100 競争社会だというけれど、まずスタート地点が同じではない。
3/100 競泳なのか高飛びなのか、プールから上がったときにわかる?
4/100 歩き始めるまえが、一番疲れている。
5/100 若者は基本的に有利だ。時間という財産を持っている。
6/100 ときどき、自分は何を作り出しているか、と考えてみよう。
7/100 食べやすい、というのは料理に対する褒め言葉なのか?
8/100 芸術家というのは、過去の仕事に価値が生じる職業だ。
9/100 なにかの記念イベントで仕事が来ることが多いのだが、いかがか。
10/100 厭きられるか、期待はずれか、いずれかになる。
11/100 死に物狂いで頑張ろうとしているとき、大事なことは「引き際」である。
12/100 得意不得意というのは、他者との関係で決まるものである。
13/100 よく燃えるものは、早く消える。くすぶっているものは、長く燃えている。

2限目 思考の盲点をつくらない「知識」論

14/100 知識が災いすることは、知識が幸いを招くのとほぼ同じくらいの頻度。
15/100 水が何でできているかを知っていることは、やはり重要だと思う。
16/100 自慢ではないが、僕くらい非情に忘れっぽい人間があまりいない。
17/100 「演繹」という言葉は、なぜあまり使われないだろうか。
18/100 逆方向から考えても、論理的に導かれたものは同じになる。
19/100 今や、理由のないものが新しい。
20/100 意味を求めることの無意味さをときどき考えよう。
21/100 組み合わせると別物になる、という非常に多い。
22/100 上手くいかないときには、必ず理由がある。そsれが現実というものだ。
23/100 遂行というのは、失敗のリカバリィの連続、その積み重ねである。
24/100 「くよくよりないで頑張ろう」というのは消極的な姿勢である。
25/100 情報と広告は違うものか?
26/100 マスコミは、大きな社会的ムーブメントの切っ掛けになる夢を追っている。
27/100 最初に仕掛けた人は、「仕掛けよう」とさえ思っていない。
28/100 人工よりも自然を観察する方が、オリジナルが得られる。

3限目 なまった理性を研ぎすます「感情」論

29/100 はっきりしない人間になろう
30/100 他人の感情的評価に影響されることで、大勢が自由を失っている。
31/100 感情的になるな、というのではなく、感情で観察を遮断するな、である。
32/100 好きか嫌いかで選択ができる時代では、嫌いになることで避けられる。
33/100 「心に響く」ことがそんなに大事だったら、もっと響きやすい心を持ったら。
34/100 世の中の人が大好きなのは「確認作業」である。
35/100 日本は大丈夫だ、と書いたら、悲しいと書いてきた人がいた。
36/100 スタッドレス・タイヤを信じてしまえる人は怖い。
37/100 どうして年寄りになると風景が綺麗なことが嬉しいのだろう。
38/100 若いときには、何故こんな簡単なことがわからないのだ、と腹が立った。
39/100 自信をみなぎらせる技術者は信頼できない。
40/100 春は暖かさが楽しく、秋は涼しさが嬉しい。
41/100 偽善はいくらでも美しく見せられるが、優しさは飾ることができない。

4限目 疑問から本質に近づく「表現」論

42/100 「自己表現」って何だ? それ以外にどんな表現があるというのか?
43/100 たとえば、今一番欲しものは、三トンくらいの土である
44/100 「早く死なせてあげたい」という言葉が問題発言になるほど狂っている。
45/100 「命の問題だ」というのは、「多額の金の問題だ」という意味らしい。
46/100 なにか不満をいうとき、ついでに小さい方も言ってしまうのがいけない。
47/100 「知った顔」も「知らない顔」もいけないのだったら、どうすれば良い?
48/100 やればできる、という台詞は、言えば言える。
49/100 なにごとも経験、というが、経験は効率が悪すぎる。
50/100 ◯◯を眺めて一杯、という表現が多いが、飲まないと楽しさがわからない?
51/100 「十分な説明がない」とは、ただ「反論の糸口が欲しい」という意味である。
52/100 「私、ばかだから、わからな」と言う人が馬鹿である。
53/100 お前の話だ、と直接言われると、腹が立ってしまう。
54/100 「馬鹿に金棒」という諺がないのは、たぶん普通のことすぎるからだろう。
55/100 「それは成功したから言えることであって」って、当たり前でしょう。
56/100 今、本を書くなら、「持ち上げる力」とか、握る力が洒落ている。
57/100 文法的に間違っていても、それが正しいことは多い。
58/100 やば、やばすぎ、すご、すごすぎ、など、好きすぎる。
59/100 そのうち、「今から息を吸います」とネットで呟くようになる。
60/100 嘘をつくには思考力が必要である。
61/100 さじ加減というのは、妥協のことではなく、スパイシィさを求めることだ。

5限目 客観的思考を手にする「社会」論

62/100 謎の多い世の中だが、謎は多い方が面白い。
63/100 当たり前だが、原発よりも怖いものが沢山ある。
64/100 「集中豪雨」について、僕がいつも思い出すこと。
65/100 出版界は、この頃かなり刹那的になってきた。
66/100 水着の少女を本の表紙にするのはやめたらどうか。
67/100 猫派と犬派が分かれているように認識されているのがおかしい。
68/100 システムが不変であるという立場の人に、システムが悪いと指摘しても無駄か。
69/100 こっくりさんを初めて知ったときは、正直、凄いと思った。
70/100 人間もETCにしてほしい。
71/100 民主主義というが、民主は主義ではないだろう。
72/100 「政治に関心を持て」と命令形でいうほおどのことではない気がする。
73/100 小説が読むことが趣味だ、と言えるほど、文芸はマイナになった。
74/100 日曜コックという言葉がないのは何故か。
75/100 なにかというと印刷物を作りたがる。親睦会とかと同じなのか。
76/100 組織の寿命の方が短いことを、ときどき忘れがちである。
77/100 法律というものの成立ちが、僕はよくわからない。
78/100 つい最近、公の補助金をもらった。もっと使い道があるのでは?
79/100 躾が、個性を奪うことはない。
80/100 いつから体罰はいけないことになったのか、なんとなくだろうか?
81/100 自由を教えるには、まず支配すれば良い。
82/100 ニュートラルであれ。
83/100 平和な社会が、ほんの偶然で、ほんの一時のことだ、という感覚はある。

補講 思考に「遊び」をつくる森教授の視界

84/100 仕事をしないことがいかに健康的かわかった。
85/100 森博嗣は丸くなったのか?
86/100 思想家なんて呼ばれるようになったが、何のことだろうか?
87/100 インド的だとよく言われるけれど、インドのことをよく知らない。
88/100 最近、試験や問題集に著作が使われている。もっと使えるものがあるのでは?
89/100 森博嗣が映像化されない理由がわからない人が多い。
90/100 子供の頃はNHKばかり見ていた。
91/100 僕がコーヒーを毎日読んでいることについて。
92/100 最近、僕はキャッシュレスになった。
93/100 僕が蒸気機関を作ることに対して、僕の思っていること。
94/100 キャタピラのついたものが欲しいこの頃。
95/100 子供の頃、ロケットエンジンが作りたかった。
96/100 給料というのは、お小遣い感覚だった。
97/100 ひやしちゅうか、ひやしちゃうか、ひやかしっちゃうか、ひやかしちゅうか?
98/100 小学生のときは、会計という職務の大切さがわからなかった。
99/100 「台頭する妻たち」という本が書けそうな気がする。
100/100 この世で最も難解な文章は、税務署から入る封筒に入っている。

森 博嗣(もり・ひろし)

1957年12月7日愛知県生まれ。工学博士。某国立大学工学部助教授として勤務するかたわら、1996年、『すべてがFになる』(講談社ノベルス)で第一回メフィスト章を受賞し、ミステリィ作家としてデビュー。以後、小説に限らずエッセィや新書などで数多くの作品を発表し、絶大な人気を博している。

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