菅原洋平『すぐやる!「行動力」を高める“科学的な”方法』|「あとでやる」ができない!習慣を変えよう

こんにちは。YouTubeを見始めるとあっという間に時間が経ってしまう あさよるです。

アレしてコレして……と段取りしていたのに、あっという間に時間が過ぎ、気づけばもう深夜……なんてこともしばしば。

睡眠時間が確保できず、朝寝坊しちゃったりして……どんどん時間に追われる毎日に突入してしまいます……。

『すぐやる!』めっちゃインパクトのあるタイトルです。そして、すぐ、やりたい。

「すぐやる!」習慣

本書『すぐやる!』は「すぐやる!」ための習慣づけを行うためのノウハウ集です。

頼まれごとを後回しにしちゃったり、面倒くさいことを放置したり、忙しくて勉強ができなかったり、すぐに動けないことってたくさんありますよね~。

「自分の意思が弱い」とか「なんで自分はできないんだ……」と闇雲に落ち込んでも仕方がありません。すぐやれないのはすぐやる“習慣”づけなんです。

根拠が分かりにくい?><

副題に〈「行動力」を高める“科学的な”方法〉とあります。この“科学的な”というのが難しい。

著者は作業療法士の先生で、専門に学んでこられた方ですから、門外漢の あさよるにとっては全く分からない世界です。本書はあくまで、作業療法士的な観点から、行動を変化させてゆく簡単な方法を紹介するもの。『すぐやる!』ではあくまでエッセンスとして、事例を挙げ、その場合の対処法が紹介されています。

例えば、家に帰ってきたら、テレビをつけたりスマホやSNSに気を取られ、ああもうこんな時間。やることがあったのに、今夜も出来ずじまい……よくある話ですよね(苦笑)

一度テレビやSNSを見始めてしまうと、それを切り上げるためには“意志の力”が必要です。

 テレビを前にして、「テレビを見ない!」と宣言するのは、いったん脳を「テレビを見るモード」にしてから、無理にテレビを奪おうとする行為です。脳に対して、「見ろ」という環境をつくりながら「見てはいけない」と強いているのですから、無理があります。

p.36

脳にテレビを見るイメージを思い浮かばせてから、「それはしない」と命令するのですから、確かにツライですね。さらに問題はそれだけではありません。

「やってはいけない」と念じたことをやってしまうことで、脳はさらに「すぐやらない」ようになるのです。(中略)

「やってはいけないことをやってしまった」とき、(中略)まずは、罪悪感を抱くと思います。実はこの罪悪感が、「すぐやる」の天敵です。
 罪悪感を持つと、脳内の「両側内側前頭葉」という部位が活性化します。この両側内側前頭葉という部位には、期待感をつくる「ドーパミン」をキャッチする受容体が多く分布しているため、期待感が高まります。(中略)

では、罪悪感の高まった脳は何に期待するのでしょうか。それは、「罪悪感のあとにあなたが取る行動」です。あなたが罪悪感に基づいてとる行動を「とても価値あるものだ」と評価します。
(中略)
そう、「やってはいけないこと」をやることで、結果的に脳は満足感を得ているのです。

例えば、「やってはいけないこと」をやって人を失望させてしまったとき、その罪悪感をから必死で謝りますね。そして、相手に許してもらえたとき、とっても大きな満足感を得ます。脳はこの満足感を知っているのです。

罪悪感は、人に不義理を働いてしまった“理由”を良いもの・仕方がないものと思いたくなります。寝坊して遅刻したなら「朝起きれない“体質”だから仕方がない」とかね。

ですから、「テレビを見る」を想像してから「見てはならない」と脳に強いると、「やってはいけない」ことをやって罪悪感を感じ、それを克服したときの満足感が得たい。そして、そんな罪悪感を感じてでもテレビを見てしまったのは、「テレビが好きだ」「テレビは面白い」と思っていたい。脳はそう考えたがります。

人間の行動っちゅうのは複雑怪奇……。

「やらない言い訳」の正体見たり

「忙しいから試験勉強をする時間がない」「上司ができない人だから残業が多い」「人づきあいが苦手だから皆と距離を取っている」「朝はどうしても起きられない」「人から助けてもらってばかりの自分」「落ち込むと何もできなくなる」「気合いを入れないとやっていけない」

これみんな、本書『すぐやる!』に登場する“やらない理由”なんですが、確かに一旦「やるべきこと」をイメージし、「だけどできない」と罪悪感を持つ言い回しばかりです。

「やらない言い訳」ってこういうことだったのか。

行動の“入力”を変えていく

自分の思考のクセが、やらないorやれない状況を作ってゆく。じゃあ、思考の入力を変えれば、行動が変わってゆく。

先の、「テレビを見て時間を無駄に過ごしてしまう」例。

簡単なことです。リモコンを“いつもの手の届くところ”から移動させてしまう。たぶん、「よっしゃテレビを見たんでぇ!」と意気込んでテレビのリモコンを手に取ることはマレです。多くの場合は、いつもの習慣で、手元にあるリモコンでテレビをつけてしまっていませんか?

で、一度始めた行動を、やめるには強い意志が必要です。テレビを一旦見始めちゃうと、強い意志がないとOFFにできないんです。

ならば、最初っからテレビをつけない生活にシフトしてゆけばいい。「よっしゃテレビを見たんでぇ!」と意気込んだときだけ見ればいい。

「すぐやる」習慣って、強い意志を発揮するのではなく、そもそも自分の行動から変えてゆくこと。そのための、生活リズムや持ち物の配置、習慣を変えてゆく。

単に自分の“意思”の問題だと考えていましたが、自分の生活や家具の配置や持ち物が、今の自分の環境を作っているんだと気づきました。自分の行動を変えたいなら、環境ごと変化させてゆく。おお!

関連記事

すぐやる! 「行動力」を高める“科学的な”方法

目次情報

はじめに

序章 「すぐやる人」に共通するたった1つの習慣とは?

まず「脳の準備運動」から始めよう!

「すぐやる人」だけが持つ、この発想
だから、「やる気」がなくてもすぐやれる
行動力に差がつく「睡眠の法則」

1章 「やるべきこと」にすぐ手をつけるコツ

脳に「別のものを見せてしまった」ら手遅れ

ガマンなし、努力なしに「すぐやる」には?
なぜ脳は、たった一瞬で「すぐやらなくなる」のか?
病院や工場で重宝されている「あるルール」
「好きだからやめられない」は、脳が仕掛けていた甘いワナ

「テレビが好きで、つい見続けてしまう」……はずだった?

自分の脳を「すぐやる」に変える意識革命

「すぐやる」ための簡単エクササイズ1

パソコンモニターはこまめにオフ!/カフェでスマホを出さない/TO DOを付箋に書き出すのをやめる

2章 「ひとつのこと」を終えたあと、「次」にスムーズに取りかかるには?

「脳」と「体」、うまく連携させていますか?

「できる人」だけが知っている「脳の賢い使い方
「フィードフォワード型の脳」のつくり方

「忙しくて試験勉強をする暇がない」……はずだった?

「すぐやる」ための簡単エクササイズ

流し台に皿を置かずに洗う/バッグの口を最後まで閉める/出勤して最初にメールチェックしない

コラム スモールステップの効用

3章 すぐやる集団、すぐやらない集団……「すぐやらない」は伝染する!?

脳は「他人の真似する」ようにできている

脳の性質を逆手に取る方法
脳の働きをあの「優秀な人」に近づけるひと工夫
ふだんの仕事で「すぐやる」秘訣

「上司ができない人だから、残業が多い!」……はずだった?

「すぐやる」ための簡単エクササイズ3

一流の人のしぐさに注目する/「すぐやる人の動き」を言葉にする/腕組み、足組みをせず、座り姿勢を正す

コラム 他人のしぐさを「あえて真似しない」

4章 「脳が勝手にやる気になる」言葉の使い方

脳を「その気」にさせるキーワードとは?

脳を「スタンバイ状態」にセットしよう
脳が自分から動き出す「言葉」の正体
この発見が、リハビリテーションの常識を変えた!
「言葉」と「記憶」の切っても切れない関係性
「すぐやる環境」をつくる「雑談」テクニック

「人間関係は苦手だから、皆と距離を置いていた」……はずだった?

「すぐやる」ための簡単エクササイズ4

いちいち判断するのをやめる/「○○みたい」と言い換えてみる

コラム 「言葉」と「脳」

5章 「やればできる」という言葉でかえって「本気」が出せなくなっていた!?

その「やればできる」はマボロシだった

「すぐできるコツ」なんて本当は存在しない!?
こんな「自分についたウソ」には要注意
欺かれた脳は、自分自身を否定する

「自分はどうしても朝起きられない」……はずだった?

「すぐやる」ための簡単エクササイズ5

他人の「できた」を脳に見せない/「望まない状態」を言葉にしない/取り組む課題にレベルをつける

6章 「すぐやるスイッチ」をすぐ入れる簡単な方法

「臨機応変な対応力」の高め方

「言葉を変えると思考が変わる」~脳内文法の書き換え方

「助けてもらっている一方の、ダメな自分」……なはずだった?

「すぐやる」ための簡単エクササイズ6

未知の分野の人同士の話に聞き耳を立てる/国語辞典を読んでみる

コラム メンタル文法のつくられ方

7章 行動力が劇的に上がる「触る力」活用法

「感触」は脳活性化の強制スイッチ!

触覚は五感で唯一「ブロックできない」
脳が無条件に信じてしまう!?「触覚」の驚異的パワー
脳が「動きたくて仕方なくなる」こんな理由
「触る」か、「触られるか」――それが脳にとっての大問題

「気分が落ちているときには何もできなくなる」……はずだった?

「すぐやる」ための簡単エクササイズ7

筆記用具を反発力で選ぶ/手が汚れる作業をする/爪を整える

コラム 触覚を感じるしくみ

8章 「なんとなくいつもネガティブ」の原因は、「脳の慢性疲労」にありました

溜まった「脳の疲れ」に気づいていますか?

「すぐやる」パワーを貯めておく「脳の省エネ戦略」
「心地よい生活づくり」が脳の一番の敵だった!?
脳の負担を軽くする簡単な工夫とは?

「気合いを入れないとやっていけない」……はずだった?

「すぐやる」ための簡単エクササイズ8

自分がふだん使っている道具をよく見て、省エネポイントを探す/「目を閉じて片足立ち」で今日のコンディションを知る

おわりに 「すぐやる」だけで、毎日がぐんと自由で快適になる

菅原 洋平(すがわら・ようへい)

作業療法士。ユークロニア株式会社代表。
1978年、青森県生まれ。国際医療福祉大学卒業後、作業療法士免許取得。
民間病院精神科勤務後、国立病院機構にて脳のリハビリテーションに従事。その後、脳の機能を活かした人材開発を行うビジネスプランをもとに、ユークロニア株式会社を設立。現在、ベスリクリニック(東京都千代田区)で外来を担当する傍ら、企業研修を全国で展開し、その活動はテレビや雑誌などでも注目を集める。
著書には、13万部を突破した『あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社)など多数がある。
本書では、脳の機能に基づいた「やるべきことを面倒くさがらずにやる方法」を提案。簡単なコツで、誰でも今すぐ行動力を上げることができる。やるべきことをすぐできないのは、性格ややる気の問題ではなく、脳の使い方に原因があることを、科学的根拠と最新の脳科学から読み解く。

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