古代ギリシアについて書かれた本などを読んでいると、素朴で、野蛮で、どこかコミカルで、なぜだか爽やかな風が吹き抜けているようなイメージを感じます。
大らかで、やたらと美味しそうな食材をかきこみ、ワインを豪快に飲み、小難しい顔をして、議論を交わしているようなイメージ……。
このイメージは一体、どこで仕入れてきたものなのでしょうか。
壁画 『アテナイの学堂』に釘付け!
ルネサンス期の巨匠ラファエロが描いた『アテナイの学堂』というフラスコ画があります。
有名な壁画なので、本やテレビで見たことがある方も多いかと思います。
私も、本物は見たことがないのですが、この絵がとても好きです。
左右対称の構図でどっしりと構えており、当時最新の技法だった「一点透視法」でどこまでも奥行きがあるかのように描かれています。
アーチ状の天井のある建物内のようですが、明るく、とても開放的な空間です。
実際にアーチ状の建物の壁に描かれた絵画でなので、だまし絵のように見えるのかもしれません。
そこへ、たくさんの人々が描きこまれています。
描かれているのは古代ギリシア時代の哲学者たちです。
アカデミックの一端に触れる!?
私はこれを見たび「すごくアカデミックな感じー!」と思い心奪われます。
私の「アカデミック」なイメージは『アテナイの学堂』なわけです。
そして、自分がアカデミックな学問に触れたとき、まるで自分も『アテナイの学堂』と地続きの場所にいるような気がします。
それは、絵の中に描かれているソクラテスやプラトン、アリストテレスなど、超絶歴史的有名が生きた世界の延長の、同じ地球の隅っこで自分も生きているんだなぁと、実感できるような気がします。
日常で使う言葉にも、古代ギリシアの面影が
「アカデミック」「アカデミー」という言葉も、古代ギリシアの偉人プラトンに由来しています。
アテネの郊外「アカデミア」という土地にプラトンが学園を創立したことが由来です。
『ソクラテス最後の晩餐』ではプラトンの学園「アカデミア」での、学園生活や、婚姻、子育て、教育、徴兵、など古代ギリシア時代の風俗やお祭り、文化がたくさん紹介されていました。
途中、解説文から物語のような文体を交えながら、優しく噛み砕かれた内容でした。
普段あまり意識をせずに使っている言葉の中にも、古代ギリシアに由来する言葉や、諺などがあるようです。
古代ギリシアの文化は、ユーラシア大陸の端っこの列島までも、想像以上に大きな影響を及ぼしているのかもしれません。
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ソクラテスの最後の晩餐―古代ギリシャ細見
ソクラテスの最後の晩餐―古代ギリシャ細見
塚田 孝雄
筑摩書房
(2002)
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