西田正規『人類史のなかの定住革命』を読んだよ

コンパクトな家財道具をどこへでも持って移動できるイメージをコピックマーカーで描いたイラスト 読書記録

最近の私はずっと、部屋の片づけに取り組んでいます。
ノリノリで物を処分し掃除をしているときもあれば、前へ進めなくて悩んでしまうこともあります。

すでにかなりたくさんの物を手放し、ほんの半年前とは全く違う空間で日々を過ごしています。
物を手放すと、肩の荷まで下りたようで、気持ちの負担もとても減りました。
すでに、新たに手に取る物は、選び方の基準にも変化が起こっているように思います。

これまでは「高いか安いか」「得か損か」でしか物を選べませんでした。
今は「こんなのが身近にあったらいいなぁ」「これからこんな生活をしよう」とワクワクしながら選べるようになりました。

人間はもともとミニマリスト?

『人類史の中の定住革命』を読みました。
類人猿の中からヒトがどのように枝分かれし、今日の繁栄に至る過程で起こった「定住革命」について書かれています。

類人猿は一箇所に定住せず、群れで移動をしながら生きているそうです。
人類も同じように、次から次へと引っ越し続けていたんですね。

定住しないので、いつも食べ物のある場所へ移動します。
排泄物の処理も必要なく、その場所が汚れればよそへ移ります。
仲間が死んだり、病人が出ても、どんどん住み家を移してゆくことで衛生状態も確保できます。
自然災害が起こっても、移動すればいいのです。

現在でも定住せず、移動しながら生活をしている部族があるらしいのですが、彼らの家財道具はとてもコンパクトで、5分もあればすべての荷物を抱え、村ごと引っ越してしまえるそうなんです。
超ミニマリストですね。

片づけの悩みは人類が定住し始めたから?

ヒトは定住することにより、他の類人猿たちと違う道を歩み始めました。
定住に社会は大きく膨らみ、文明が生まれ、現在のヒトの活動範囲は地球の隅から隅まで広がりました。
しかし、もともとは移動しながら生きている種族です。
定住生活に慣れるまで、かなりの時間がかかったようで、現在でも定住することによるリスクや不便も抱えています。

そして、私がこんなにも持ち物に悩まされる原因も、定住生活によるものではないかと考えました。
定住せず、住み家を次々と変えてゆく生活では、常に警戒心や注意深さが必要です。
しかし、一箇所に定住をし、村を作り、社会が形成されると、外敵から身を守るコストがうんと減るので、警戒心や注意深さも軽減されます。
外敵から身を守ろうとする本能は、「好奇心」や「探究心」に変わりヒトが人間らしく変化してきたというのです。

家財道具をコンパクトにしたい!

私がこれまで抱えていた大量の家財道具は、自らの好奇心や探究心を満たしたいがために集めに集めた物たちでした。
実際には「物を所有する」だけで好奇心が満たされるわけでもないので、不要なものはどんどん手放してみようと思っています。

好奇心を満たしたい欲求と、移動生活による警戒心が同じものだとすれば、家財道具をコンパクトにまとめ、いつでも引っ越せるような状況を作ることでも、自分の欲求は満たされるのでしょうか?
興味がわきました。

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人類史のなかの定住革命

人類史のなかの定住革命
西田 正規
講談社
(2007)

コメント

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