こんにちは。ブームがちょとっ遅れてやってくる あさよるです。
超今さらですが、少し前に2014年公開のディズニー映画『マレフィセント』を見ました。みなさまもご覧になられたでしょうか。
『マレフィセント』は、同じくディズニーの1959年に公開された『眠れる森の美女』のスピンオフ?と言えば良いのでしょうか。『眠れる森の美女』で語られなかった裏話的なお話でした。
はてさて、そんなつながりで、シャルル・ペローの童話集『眠れる森の美女』を手に取ったのでありました。
大人の、女性向けの物語
シャルル・ペローは1628年から1703年まで生きた、フランスを代表する童話作家です。シャルル・ペローは土地に伝わる民話を集め、編纂しました。
「童話」といっても、その当時「おとぎ話」は宮廷の女性たちが楽しむものでした。ですから、本書『眠れる森の美女』に収められている短編たちは「大人向けのおとぎ話」です。
そう思って読むと、これまでとお話の感じ方が変わります。
我々も良く知るお話は、表題の「眠れる森の美女」をはじめに、「シンデレラ」「赤頭巾ちゃん」「長靴をはいた猫」等でしょう。これら3つのお話は本書『眠れる森の美女』にも収録されています。
「教訓」が暗示するもの
本書『眠れる森の美女』に収録された短編物語の最後には「教訓」という見出しとともに、シャルル・ペローのひと言が付け加えられています。
ちなみにご存知「赤頭巾ちゃん」の教訓はこんな感じ。
教 訓
きれいで、スタイルもよく、やさしい少女たちが
どんな種類の人にでも耳を貸すのはとてもよくないことであり、
狼に食べられてしまう少女たちがこんなにたくさんいるも、
不思議ではないということでしょう。
(中略)
馴れ馴れしくて、愛想がよくて、穏やかで、
若いお嬢さんたちのあとを追いまわし、
家のなか、閏房のなかにまで付いてきたりするものです。
ああ、しかし、知らない人はいないでしょう、
そういうやさしげな狼こそ、あらゆる狼のなかで
もっとも危険な狼だということを。シャルル・ペロー『眠れる森の美女』/「赤頭巾ちゃん」p.42-43
「赤頭巾ちゃん」のお話はお馴染みのもの。おばあさんの元へお使いへ向かう赤頭巾ちゃんは、道中、狼に出会い、行先を聞かれ、これからおばあさんの元へ向かうことを告げます。
狼は先回りをし、先におばあさんを食べてしまいます。そして、後からやってきた赤頭巾ちゃんを騙し、ベッドに呼び寄せるのです。
このお話、あくまで大人向けに編纂された物語だという前提を考えると、お話の解釈が変わってきます。
平たく言っちゃうと、赤頭巾ちゃんはホイホイと狼と話をし、挙句、言葉巧みにベッドの中まで誘い込まれてしまいます。
教訓は、一見親切でいい人そうな狼もいるんだから、軽く口をきくなよ!ってところでしょうか。
童話の定番として捉えていましたが、性的なメッセージが含まれているとは……( ̄▽ ̄)ニヤリ
よく知っているお話、のハズが…
表題である「眠れる森の美女」は、先に挙げたディズニーの映画でよく知っていました。
しかし、シャルル・ペロー版を読むと、全然違う話なのです。びっくり!
仙女の呪いにより100年の眠りについた王女は、王子様がやってきて眠りから覚めます。ディズニー版のお話はここでめでたしめでたしですよね。
本書では、その続きの話があります。無事に王子様と結婚し二人の子供も生まれたものの、実は王子の母親は人食い鬼だった!というもの。
活きのいい子どもたちの肉を食べたいとねだる母親に、料理人は覚悟を決めて……ひぇーっ!!という展開。
というか、やたらと血なまぐさい話が多いなぁw
おとぎ話って、おもしろい!
今回、シャルル・ペローの童話集を読みました。感想は「おとぎ話、おもしろー!」
知っているようで知らないお話に触れられたのが、予想外ですごくおもしろかった!
あさよる的には「長靴をはいた猫」も、記憶の中の物語とは違っていて、幼いころに読んだお話がアップデートされたような感じがしますw
みなさまも、絶対にご存知のお話が収録されています。“大人の”物語を今、楽しまれてはいかがでしょう~
( ´∀`)bグッ!
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眠れる森の美女 シャルル・ペロー童話集
- シャルル・ペロー
- 新潮社
- 2016/1/28
目次情報
眠れる森の美女
赤頭巾ちゃん
青ひげ
猫の親方または長靴をはいた猫
仙女たち
サンドリヨンまたは小さなガラスの靴
とさか頭のリケ
親指小僧訳注
訳者あとがき
シャルル・ペロー [Charles Perrault]
(1628-1703)
フランスの詩人、弁護士。パリのブルジョア家庭に生まれ、ボーヴェ学院在学中から著述活動を始める。アカデミー・フランセーズ会員。同時代の作品とギリシャ・ローマの古典のいずれが優れているかという「新旧論争」の火付け役でもあった。
村松 潔(むらまつ・きよし)
1946年東京生れ。主訳者は、R・J・ウォラー『マディソン郡の橋』T・E・カーハート『パリ左岸のピアノ工房』T・ケイ『光の谷間』J・ヴェルヌ『海底二万里』I・マキューアン『未成年』など。
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