職業柄「その仕事なら◯◯に精通してるでしょ」思われている事柄があります。今日紹介する『「気遣い」のキホン』の著者は元・客室乗務員です。客室乗務員・CAはいかにも人心掌握術に長けていて、細やかな気遣いができる人だというイメージがありますね。
狭い機内長期間のフライトは乗客にとってもストレスですから、CAさんの気遣いに助けられます。旅行や仕事を滞りなく行うためにも、移動中も問題なく過ごしたいものです。気遣いのプロフェッショナルのCAによる「気遣い」の knowhow が収められた一冊です。
「気遣い」は当たり前で単純なもの…だけど
と言っても、本書で扱われる「気遣い」の心得は「当たり前」と思うものがほとんどです。相手を慮り、臨機応変に対応する。笑顔を絶やさず、相手の話をきちんと聞く。当たり前のことです。しかし、当たり前のことをどれだけの人ができているのでしょうか。少なくとも、私自身は、「できてないなぁ」「サボってるなぁ」と図星されることが多数ありました。
中でも、なにかを断ることや、言いにくいことを指摘しないといけないときなど、相手が喜ばない事柄を伝えるのはとても難しいです。相手を不快にさせず、伝えるべきことを伝える。こんなときに「気遣い力」が発揮されます。
言いにくいことを言ってもらうための「気遣い」
反対に言えば、相手も、断ったり言いにくい指摘をするとき、戸惑っているとも言えます。相手に「気遣いをさせないための気遣い」が必要です。また、自分の欠点や失敗を指摘されると、目をそらしたくなりますが直視しないと改善もできません。自分を成長のためには、ズバリ他人からの指摘が必要です。
言いにくいことを、どんどん言ってもらえる環境が、自分の成長に繋がるのです。周りに「気遣い」ができ、自分の欠点も指摘してもらえる人は、自分が成長できる環境にいると言えます。
デキる人は気遣いもできる
もっと言うと、デキる人ほど気遣いができると言い換えても良いでしょう。「当たり前」のことを当たり前にする。単純なことですが、単純なことほど、なかなか上手くできないものです。専門的な Howto やライフハックも大切ですが、一度、単純な当たり前の「気遣い」こそ、見なおしてみるべきでしょう。
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仕事も人間関係もうまくいく 「気遣い」のキホン
- 著者:三上ナナエ
- 発行所:株式会社すばる舎
- 2014年2月10日
目次情報
- はじめに
- 第1章 「小さな気遣い」で仕事も人間関係もうまく回り出す
- 1 「気遣い」とは、相手の気持ちを少し想像すること
- 「遣」という字に込められた意味
- チーフパーサーが、笑顔を消して静かに挨拶するワケは?
- 一瞬のやり取りに違いが出る
- 2 「気遣い」ができるだけで、今の状況が好転する!
- 仕事はできるのに人間関係でつまずく
- 気遣いができないと、総合評価は「ゼロ」
- まわりから好かれると、やりたい仕事ができる
- 3 性格や才能ではなく誰でも手に入れられるスキル
- CA時代は、失敗だらけの毎日
- どうしたら上手な気遣いができるようになる?
- 最初から器用にできなくていい
- 4 ためらいすぎて、何も行動できないのは損
- 「声かけ」は、相手を知るための大事な手段
- 「早めに声をかける」と「早めの判断」ができる
- 「無関心」にだけはならないで
- 5 「気遣い」が空回りするのはどうして?
- 「やっておきましょうか?」の一言で変わる
- 本当の気遣いは自分も疲れない
- 「相手の不安を取り除く」ためのアクション
- 6 「気遣い」は「ない」とすぐに気づかれる
- いつの間にか「気がきかない人」になっている!?
- 自分のことで手一杯のときほど要注意
- 「気がきく連絡」を心がけよう
- 第2章 まずは身につけたい「会話」の気遣い
- 7 挨拶ひとつで、あなたのイメージは大きく変わる
- デキる人の挨拶には「3つの共通点」がある
- 相手が心地よくなる挨拶をするには?
- 「話しかけやすい人」になる
- 8 「ちょっとした一言」の積み重ねがまわりを動かす
- 感謝の言葉を惜しみなく
- 「もっと何かしてあげたい」に繋がる一言
- 普段からの習慣にしよう
- 9 「名前」を呼ぶと、心の距離がぐんと縮まる
- 「◯◯さん、どうぞ」と料理を出してくれるお店
- 「売る営業マン」は顧客を必ず名前で呼ぶ
- 下の名前で呼ぶときは「よろしいですか?」を添える
- 10 「すみません」は本当の気持ちが伝わりづらい
- 口癖になっていませんか?
- 使いやすいからこそ危険な言葉
- 別の言葉で言い換えてみよう
- 11 雑談は、相手にとって「意味のある話」が大前提
- お得になる情報をプレゼント
- ブログやサイトは貴重な情報源
- 「あのときの話」が次の雑談に繋がる
- 12 質問は、「私が知りたい」より「あなたを知りたい」
- 会話が盛り上がる質問の極意
- 「ぜひ教えて下さい!」で心を開いてくれる
- 13 「聴いてますサイン」は相手にわかるように出す
- 理解しているか不安になるもの
- 「3つのポイント」を押さえておこう
- 会議の席でも同じように「サイン」を出す
- 14 「同感」と「共感」を混同しない
- 「それはひどい奥さんですね」で上司を怒らせる
- 同感しない。否定しない。共感する
- 「相手の気持ち」をそのまま言葉にするだけ
- 15 相手に「求める」のも気遣いのひとつ
- 求められると言いやすい
- 「ぜひアドバイスをお願いします」が成長を促す
- 16 上司への気遣いの基本は、こまめな報告
- 報告の有無は、信頼の有無
- 「細かさ」よりも「結論」を再優先
- 相手が安心する「報告の形」とは?
- 17 「力になろう」と思ってもらえる相談のしかた
- 「丸投げ」はやってはいけない
- 「結果報告」を忘れないで
- 18 気持よく支持を受けるポイント
- 部下としてかわいがられる人の共通点
- 返事は明るく、復唱を忘れずに
- 第3章 相手の印象に強く残る「見た目」「声」の気遣い
- 19 周りの人がよく見ているのは、あなたの素顔
- 何気ないとき、どんな顔をしている?
- 人と接していないときほど「表情管理」を
- 20 「気持ち」は「立ち居振る舞い」に必ず表れる
- 手を動かしながら、横目で挨拶
- 鼻先、心臓、つま先を相手に向ける
- ほんの一瞬のしぐさで印象は決まる!
- 21 見えない相手に「お辞儀」ができますか?
- 3秒でできる最上級の気遣い
- 誰も見ていないところでは、手を抜きがち
- 電話の声だけで本音は伝わってしまう
- 22 「身だしなみ」と「おしゃれ」を間違わない
- 「身だしなみ」は相手が判断するもの
- 注意したい3つのポイント
- 23 シーンによって「色」を使い分けると、印象がアップする
- 身の回りの「色」を気にしたことがありますか?
- 服の色に「熱いメッセージ」を込める
- 相手目線で選ぶことを忘れないで
- 24 「声の出し方」も気遣いのひとつ
- 「小さい声」は信頼性に欠ける
- 腹式呼吸で声が生まれ変わる!
- 堂々とした声は「自信」に繋がっていく
- 第4章 絶妙なさじ加減で、気遣いができるようになる方法
- 25 自分も相手もストレスにならない気遣いをしよう
- 気を遣いすぎていませんか?
- 「私」を主語にして伝えればいい
- YOUメッセージは反発を生みやすい
- 26 自分の気持を「正直に話す」のもひとつの気遣い
- 何も言わないほうが無難?
- 「余計なことかもしれないけど」の一言でうまくいく!
- 本音を隠さないことが真の思いやり
- 27 相手を傷つけずに「言いにくいこと」を伝えるコツ
- 「話す順番」が何より大切
- 会話の最初と最後は、印象に残りやすい
- 28 気のきく褒め方なら「おせじ」にならない
- 褒めるのではなく、事実を伝えるだけ
- 目上の人には、「教えてください」のニュアンスで
- 部下には、「感謝の言葉」を必ず添えて
- 29 「相手のタイプ」に合わせた気遣いのポイント
- 4つのタイプを知っておくと便利
- リーダータイプ/お笑い芸人タイプ/お母さんタイプ/学者タイプ
- 30 身近な人にこそ、ためらわずに気遣いを
- 忘れがちな「ありがとう」の一言
- 感謝の言葉が増えると、一緒にいる時間も増える
- コラム 気遣いは時間もお金もかからない
- 第5章 一歩先の気遣いで「誰からも好かれる人」になる
- 31 「お菓子配り」とは「心配り」をすること
- お菓子に隠された「本当のメッセージ」
- CAが機長を身近に感じる瞬間
- 手渡しでしか伝わらない「心」がある
- 32 小さなお願い、些細な約束ほどちゃんと守る
- 「今度ご一緒に」を社交辞令にしない
- 断るときほど丁寧な気遣いが必要
- 33 気遣いとはつまり、「想像力」のこと
- ボディクリームとお手紙、2つのプレゼント
- 一流の人は、まわりに広がる気遣いをする
- 「この人のために」という思いに繋がる
- 34 タクシー運転手から学んだ究極の気遣い
- アクシデントで予定時刻ギリギリに
- 「同じ気持ち」になって言葉をかけてくれる
- 気持ちは表現しなければ伝わらない
- 36 「お客様」の立場に鳴っても気遣いを忘れない
- 案内メールに返信したのはたった2人
- 身近な人と関わるときの気持ちで
- 37 美しい気遣いは「型」にはまらない
- 「上座」は状況によって変わる
- メールで「!」を使うのは間違いじゃない
- おわりに
著者紹介
三上 ナナエ(みかみ・ななえ)
大学卒業後、ANA(全日本空輸株式会社)に客室乗務員(CA)として入社。失敗ばかりの日々を経験し、その中で自分なりの「気遣い、気配り術」を見出す。その後、チーフパーサー、グループリーダー、OJTインストラクターを経験し、後輩指導にも当たる。仕事ぶりが評価され、社内パンフレットや空港イベント要因にも抜擢される。フライト数は、のべ 4,500回にも及ぶ。
ANAを退社後は、イメージコンサルタントとして活躍。「JCCA カラーコミュニケーション協会認定コンサルタント」「セブンシーズン認定カラーリスト」「日本パーソナルカラー協会上級資格」などの資格を持つ。
現在、セミナー講師として活躍中。独自の切り口で行う接客・接遇・コミュニケーション力向上セミナー、ビジネスマナー・第一印象アップ講座、プレゼン能力アップ研修などは、官公庁や商社、大学など多数で採用され、受講者総数は 14,000人以上。年間 80社以上の企業研修を任されている。本書が初著書。
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