『お父さんが教える 自由研究の書きかた』|これで「知った顔」で教えよう

こんにちは。夏休みの宿題をろくにやらずに始業式を迎えていたあさよるです……。ですので、「自由研究」を宿題に出された記憶がないのですが、やらなかったのか、なかったのか定かではない(;’∀’) しかし、一回だけ、「通貨」の歴史を調べて提出したことがあります。

あの時勉強した知識は今でも役立っているので、「やっぱ勉強はするもんだなぁ」としみじみ思います。そして、やはり〈レポートにまとめる〉って大事なんでしょうね。ただ調べっぱなしではなく、自分なりにでも考えてまとめるステップは、大人になっても試されている力なんでしょう……。

『お父さんが教える 自由研究の書きかた』は、親が子に自由研究の書きかたを教える際の教材として使えます。しかし、大人のあさよるにもこれは必要だと思い、手に取った次第であります。

お父さんが「どやぁ」とできる本

『お父さんが教える自由研究の書きかた』は、取り扱い方法があります。それは、自由研究に取りかかる子どもを前に、親が先に本書を読み、そして「どやぁ」と知った顔でレクチャーしましょう。

この本は原則、見開き1テーマで構成されています。読んでそのテーマがわかったら、お子さんには、まるで自分が考えたような顔をして教えてやってください。そして次のページのテーマにお進みください。

p.6

「自由研究の宿題をやりなさい!」と指示するのは簡単です。しかし、「研究ってなに?」「何をすればいいの?」という素朴なギモンに答えられる大人は、そんなに多くはないでしょうか。

大学でも専攻によっては、レポートをガシガシ書くところとそうでないところもあるし、卒論も必須じゃない学部もありますね(あさよるもレポート書く機会は少なかった)。

子どもと一緒に読みながら

大人が先に本書を読んでおいて、しかし教材として、一緒に見ながら研究の手引きとなります。「ほら、ここにも書いてあるでしょ」と知った顔で進めていきましょう。

低学年の子でも、大人と一緒に読めるように書かれています。言葉の意味の説明も、簡単に短くまとめて書かれています。

「研究する」ってどんなこと?

自由研究をあなどるなかれ!「研究」という意味では、難し~い研究と同じ!だから、研究のまとめ方にはやり方があるし、ルールもある。「自由研究」と言っても〈やりたい放題〉ではないんですね。

作戦をたてる!

まず自由研究を完成させるための作戦をたてます。「自由研究」だから、テーマは自由。事前に「これを調べたい!」って決まっている人はそれでOK。

「え、何をしていいかわからないよ…」って人は、身近なところや、好きなことからテーマを探します。家族やお友達とお出かけや遊びの約束の中から探してもいいですね。

そして、テーマを絞り込んでいく!これは大人も参考になります。

  • まず、大きなテーマを決める。例・魚
  • 次に、中くらいのテーマを決める。例・魚>サメ
  • 更に、三つ目のテーマを決める。例・魚>サメ>歯

最初「魚の研究をしよう」と決めただけでは範囲が広すぎますから、絞り込んでいくんですね。この絞り込みを3回することが大事だと紹介されていました。

情報の探し方・図書館で、インターネットで

研究のテーマが決まったら、さっそくテーマについて調べます。子どもの自由研究ですから、方法は主に二つ。

まず、図書館で資料を探すこと。そして、インターネットで検索すること。

図書館では、百科事典を使って調べてみようと案内されています。事典の引きかたも紹介されています。が、これは大人がさらに詳しく解説すると、よりよさそう。

図書館では、分からないことは司書さんに尋ねれば、資料探しを手伝ってくれたり、レポートの書きかたも教えてくれます。心強いですね。閑話休題的な感じで、図書館が何をするための施設なのかも紹介されています。

ネットでの資料の集め方

そして、現代はインターネットで調べごとをする機会がほとんどです。

気になるのは、ネットの情報って信用に足るの?研究資料として使えるの?ってこと。結果を先に言うと、ほとんどのWEB情報は研究の資料にするのは難しそう。WEBページは明日消えてなくなるかもしれないし、誰が書いているのかもわからない情報が多いからです。

研究に使えるデータとして、国や自治体が出しているデータが挙げられていました。もしこの情報が間違っていたとき、自治体に責任があることが明確です。

そう、WEB情報って、間違っていた時の問い合わせ先や、責任の所在が分からないのがネックなんだそう。これはインターネットリテラシーの話ですので、大人から子どもへ伝えておきたい部分ですね。

自由研究、レポートにはルールがある

自由研究がいくら〈自由〉とはいえ、やりたい放題やっていいわけではありません。

自由研究で守るべきルールは、まず情報の出どころ、参考文献や引用元を記すこと。そして、書きかたも決まっていることです。

引用、参考文献の扱い方

本で読んで調べた情報は、勝手に自由研究に使っていいものではありません。本に書いてあることを写すときは、誰のどの本に書いてあったのかきちんと明記して、誰が見ても分かるようにします。

研究するにあたって読んで調べた本も、参考文献として明記します。

理科の研究は、誰がやっても再現できるように

理科の研究では、実験をして確かめることもあります。このとき、実験の結果は誰がやっても同じ結果が得られないといけません。「自分がやったとき」と「友だちのAくんがやったとき」で結果が異なっていては、検証できません。

結果だけでなく、実見の手順もよく考えないといけませんね。

清書するときのルール

いざ!自由研究を清書するときも、書式にルールがあります。

まず、鉛筆ではなく消えないペンで書くこと。あとから改ざんされないように。

そして、大まかに序論→本論→結論の順に書きます。

序論は、調べたいと思った理由と、テーマをわかりやすく。本論は調べたことを書きます。ここでは感想は書きません。そして、結論で、自分の考えを書きます。最後は、完成した原稿のホッチキスの止め方まで紹介されています。

大人も使える?少なくともブログでは使える!

さて『お父さんが教える自由研究の書きかた』は、小学生の子どもとその親を対象にした本です。が、これ、意外と大人も役に立つかも?と思ったのがあさよるの感想。

先にも書きましたが、レポートや論文を書きなれている人はいいですが、そうでない人にとっては「自由研究」であっても謎が大きいですよね。かなりわかりやすく、子どもでも分かるように本質的な話がなされていて、いい本だなと思います。

「マジメ」な本なんです。でも、やわらかい文体で読みやすい。

お子さんの宿題の応援にも最適ですが、ブログを書いている人にも役立つかもと思いましたw 当あさよるネットも、少しはマジメな感じになればいいのになぁ。

お父さんが教える 自由研究の書きかた

はじめに
この本の読みかた

第1章 研究するって、どうすればいいの?

そもそも“研究”するって、どういうことなの?
大きなテーマを決めよう!①
大きなテーマを決めよう!②
中くらいのテーマを決めよう
みっつめのテーマを決めよう
テーマの決めかたのまとめ
まとめのおまけ!
なんで百科事典を使うの?
百科事典の引きかた
子ども用の百科事典で“アンパンマン”を捜してみよう!①
子ども用の百科事典で“アンパンマン”を捜してみよう!②
子ども用の百科事典で“アンパンマン”を捜してみよう!③
百科事典を使って みっつめのことばを探す
なんで“最初は百科事典”なの?
“定義”が載っているのが百科事典です
テーマが決まった……だけど……
コラム どうして図書館に行くの?――図書館とは何か?

第2章 テーマを調べるのはどうするの?

戦略をたてます!
人に聞くときはどうするの?①
人に聞くときはどうするの?②
本で調べる
本が見つかったら
探している本が見つかったら どうするの?
本は必ずウラをとる!
著作権というものがあります
出典の書きかた
出典はどこを見ればわかるの?
インターネットを使う前に
優先順位を決める
インターネットで調べたことは使えない!?
ネットも必ずウラをとる!
ネットの中で使えるもの
じゃあ、ネットはいつ使うの?
ネットで捜してみよう!
“and検索”と“or検索”
ヒットしたら
“やってみる”ときは、どうするの?
やってみる……チェック!
コラム 論文・レポートのモデルをお探しの方に

第3章 報告書(レポート)の書きかた

社会の報告書(レポート)の書きかた
つぎは本論です
つぎは結論を書きます
目次を書きます
表紙を書きます
実験報告書(レポート)の書きかた①
実験報告書(レポート)の書きかた②
点検しよう!/できました!

索引

赤木 かん子(あかぎ・かんこ)

1984年、子どもの時に読んで、作者や題名を忘れてしまった本を、ストーリーの断片からお探ししましょう、という“本の探偵”でデビュー。最低3000冊は売れないと自分が読みたい外国の本は翻訳してもらえないからという、とても利己的な理由から、お客様確保のために児童文学の書評や紹介を始める。また、学校図書館をつくり始めて、欲しいのにない本があることに気づき、足りない本をつくり始め、いまでは半分編集者みたいになってしまった。『絵本子どもの本総解説』、『かならず成功する読み聞かせの本』、『自然とかがくの絵本総解説』(以上、自由国民社)、『子どもに本を買ってあげる前に読む本』など、著書多数。埼玉福祉会のホームページ(公式サイト)と、ひこ・田中さんがやっているサイト「児童文学書評」に近況が載っています。

コメント

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