『金継ぎをたのしむ 大切なうつわの直しかた』を読んだよ

金接ぎした器をコピックマーカーで描いたイラスト 読書記録

私は手元不注意で、パソコンの上にジュースをぶちまけてたり、勢い余って机の上にある物を思いっきりなぎ倒してしまうことも日常茶飯事です。
もう少しお淑やかに、大人しくなりたいものです……。

不注意で物を壊してしまうこともしばしばあります。
かなり気をつけていて、最近は減っては来ているのですが、手の届く範囲にはなるべく物を置きたくないと考えておきます。

修繕セットがあれば大丈夫?

物を壊しがちな私にとって、また、手作業が好きな私にとって、注目すべきは「金継ぎ」です。
金継ぎとは陶磁器やガラスなどの、欠けた部分を漆で接着し、金粉などで装飾する修復法です。
現在では、ネットで手頃に金接ぎセットも購入できるようです。

この金継ぎセットさえあれば、いつ何を割ってしまっても大丈夫!!……なのでしょうか。

金継ぎで生まれる「新たな価値」がおもしろい!

金継ぎは、壊れたものを接着して修理すると、修理する前よりも味や趣きが増すことがあります。
これが面白いと思うのです。

普通、壊れてしまったものは価値が下がったと感じますし、それを修理しても値打ちが元に戻ったとは思えません。
しかし、金継ぎは不思議なもので、お気に入りの器や、大切な製品を修繕すると、その金継ぎの模様が新たなデザインになり、新たな価値を生み出すのです。
割れ具合や、金継ぎの仕方次第では、壊れる前よりも愛着がわくこともあるでしょう。

壊れたものが良いなんて、不思議な感覚です。

大切にされてきた物を通して、人の営みを知る

実際に金継ぎされた器を見ると、まずはその、金で補修されたデザインのカッコよさに見惚れます。

そして、壊れてしまっても、丁寧に時間をかけ、補修をされるべき価値のある器だったのだろうと想像できます。
それは、他に手に入らない貴重なものだったのかもしれないし、持ち主にとって大切な思い入れのあるものかもしれません。
値段の高いものだったのかもしれないし、うんと古いものなのかもしれません。

いずれにせよ、修理されながら今日までその器があるということは、人が大切にしてきたということです。
物を通して、目には見えない人の営みに触れられたような気がします。

憧れの金継ぎを始めてみよう

金継ぎされた器を見るたび、その修繕方法への興味がつきません。
一時期、陶芸を始めようとしていた時期があり、その時、金継ぎが自分にもできることだと知りました。

その頃は、残念ながら金継ぎを実際に始める時間がなかったのですが、『金継ぎをたのしむ』を読み、かつて自分が心惹かれた手仕事を思い出しました。

『金継ぎを楽しむ』では、工程のすべてを大きな写真で分かりやすく紹介されています。
スパッと綺麗に半分に割れてしまった器など、割れ方によっては、初心者でもチャレンジできるかもしれないとワクワクしました。

実際には、なかなか難しいのでしょうが、やはり丁寧な仕事ぶりに惚れ惚れします。
あと、金接ぎしやすくスパッと割れた器も、そんなに都合よく存在しないのも難点ですね。

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金継ぎをたのしむ: 陶磁器・漆器 大切なうつわの直しかた

金継ぎをたのしむ: 陶磁器・漆器——大切なうつわの直しかた
黒田雪子/監修
平凡社
(2013)

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