大阪の街に建つ、古いビルを写真に収めて歩き回っていたとき、たまたま通りがかった美術館へ入りました。
湯木美術館です。
ビジネス街の中にある美術館で、小じんまりとした広さですが、落ち着いた雰囲気の美術館でした。
参考リンク:湯木美術館
日本の陶器の器や茶器が展示されており、そこで、織部焼の皿に施された金継ぎがとても美しく、「金継ぎをやってみたい」と思い始めるきっかけにもなりました。
現在に続く「お茶」の世界を築いた千利休
残念ながら私は、茶道や茶の湯への知識が全くなく、そこで用いられる用具への理解も乏しいと痛感しています。
しかし、それでもなお茶の湯で用いられる道具は美しく、無知な私の目から見ても魅力的に映ります。
現在、私たちが「茶道」「茶の湯」と聞いて思い浮かべるイメージは、千利休の流れの延長にあると聞いたことがあります。
利休が現れた頃、茶の湯にはもっと様々な世界観があったのかもしれませんが、利休の出現により一新されたというのです。
時を超えて今もなお、現代人の共通イメージとして認識されている「千利休」とは一体何者なのでしょうか。
アーティストとしての利休、商人としての利休
『利休の風景』を読みました。
作家である山本兼一さんが、歴史的事実と、小説家ならではの想像とを織り交ぜ、利休の人物像や思想を浮かび上がらせる試みがなされた一冊です。
豊臣秀吉や、長谷川等伯、山上宗二など利休と同時代を生きた人物との関係にも触れられています。
利休は、茶の湯の空間や茶器に「美」を見出したアーティストだったのでしょうか。
それとも、堺の商人として、茶の湯をビジネスや取引として成り立たせたのでしょうか。
「侘び」という思想を開花させ、数々の弟子を送り出した茶道の名人だったのでしょうか。
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利休の風景
利休の風景
山本兼一
淡交社
(2012)
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