齋藤薫『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』

年齢を重ねたとき、「美人」でいたい?

「オバハン」になりたい?

“これからの”女性像を知りたかった

以前、『ビジネスファッションルール 武器としての服装術』という本を読み、ブログでも紹介しました。

ビジネスの世界では、まだまだ女性の活躍は少なく、それにより、正しい女性の「ビジネスファッション」を誰も知らない問題が紹介されていました。

女性自身も、女性のビジネスファッションを知らない上に、上司や先輩も分からないから、新人にレクチャーができない。そのせいで、チャンスを逃している女性もたくさんいると言います。

ここでは、ビジネスシーンでの女性のお手本の話でした。

が、もっともっと、女性の生き方自体に、お手本ってあるのかな?と思い始めました。

あさよるの場合、両親とあさよるでは、時代が違いすぎて、生き方そのものが違います(あさよる母が、あさよるの年齢のころ、バブル真っただ中だったり…)。

自分の今後、年齢を重ねたときの、お手本になる「女性像」を知りたくて『“一生美人”力』を手に取りました。

歳をとっても「美人」の生き方

「美人」というものに、なにか定義や条件があるわけではありません。しかし、「美人」と思い浮かべる状態はありますよね。

お顔立ちが美人?凛とした立ち姿が美人?知的さ?センス?

どれも「美人」の条件ではないかと思います。

そして、それら多数の条件を満たした「美人」って、有能で美しく、凛々しい女性ってこと?と気づきました。

ただただ見た目が「カワイイ」だけで良かったのは、若い人の話。どんどん年月が流れ、歳を重ねてゆく中で、自らの「魅力」を熟成させてゆけたら……と思います。

『“一生美人”力』を読んで、襟を正される思いです。

40代女性の課題

『“一生美人”力』の想定している読者層は40代女性でしょう。それなりに身体の衰えや、肌や見た目の変化を乗り越えての内容です。

だから、どの項目も具体的。ですが、「若作り」とか「若く見られるための」とか、そういう薄っぺらいものは追い求めません。

40代には40代の魅力を見せないと。若い人のまねをしても、若い人になるわけでもなく、年齢を重ねた分の魅力を増さないと。そう言い聞かせられる気持ちでした。

来るべき50代を見据える

「今」だけではなく、「未来」もきちんと見据えます。50代という、次の年代を見据えた女性像。

「どう50代を迎えるか?」

特に現代の日本女性は、自分の将来像を思い浮かべづらい人が多いのが現状です。女性は、男性と同じように働き、生きています。しかし、まだまだエグゼクティブな地位に、女性は少ない……。

モデルになるような、自分が真似できるような、そういう立場の女性が、身近にいない人も多数ではないでしょうか。もし、これからの自分がなるであろう女性像が想像しづらいのであれば、書籍を手に取ってみてください。

そして更年期を迎える

女性にとって目をそらせない問題の一つが、「更年期」でしょう。繊細な内容だけに、あけっぴろげに語られることも少ないだけに、どう受け止めて良いのかもわかりませんね。

その時が来れば、否応なしにそうなるのでしょうが、きちんと「更年期」にも触れられていて、女性の「美人」には、欠かせない話だなぁと痛感しました。

それとコントラストをなすように、だからこそ、月の営みがとても大切なんだ、と、浮かび上がってくるようです。『“一生美人”力』でもそれを「排卵期が美しい」って書かれている。それって、健康であること。体の中が一定のリズムで動いていることそのものなんですね。

経験則からの「美人」力

根拠がないから、中身がない?

ハッキリと言うと『“一生美人”力』は、科学的根拠もなにもない話がズラズラと続きます。なので“心で感じるタイプ”の本ではあります。ただ、だからと言って、笑い飛ばせないのが、『“一生美人”力』の底力です。

マナー本や、ファッションについて書かれた本の類……と言えば良いのでしょうか。

科学的根拠はない。だけど、「そういうのあるよな」「そういうもんだよな」と納得や確信はある。経験的に見知っていることなのです。

「普通のこと」「ありきたりなこと」の列挙?

もう一つ『“一生美人”力』は、一見すると「それってフツーじゃない?」「あたりまえ」なことのオンパレードです。

突拍子のないことも書いていないので、「知ってるよ」「真新しさがない」と感じる人もいるでしょう。目次情報をご覧いただくだけで明白でしょう。

しかし、「じゃあ、どれくらいの人が“あたりまえ”のことができているの?」と問われると……。しかも、一つ一つの要素は確かに、あたり前だし、実践していることもあります。しかし、108もの要素が集まると……。

“一生美人”というのは、そういうことなのです。

「あたりまえ」のことを「あたりまえ」にやり通す。「突拍子もない」ということは「常識的」だということです。

一つ一つは誰でもできます。だけど、それをこれだけもの数を、平然とやってのけられる力が“一生美人”力であり、魅力ある女性なのです。

外見的「美しさ」の時代は終わった

外見的に「キレイ」「カワイイ」がすべてだった年代もありました。流行の服を着て、きれいな色に髪を染め、お化粧も塗りたいだけ塗りたくる。

そういうのが通用するのって、もしかして十代だけ……。遠い昔の話デスネ(;’∀’)

外見だけ、上辺だけ着飾っていれば良かったのって、本当に本当に若いときだけの特権です。その後は、それだけじゃ通用しない。

長い時間をかけて積み重ねる「女の魅力」の要素が詰まった『“一生美人”力』を参照することで、自分の“一生美人”力がいかようなものか?と確認することもできますね。

「歳をとる」用意、できていますか?

あさよるは30代です。『“一生美人”力』は40代をターゲットとして想定していますが、30代のあさよるにも、十分に響くものがありました。

「白いハンカチを持つ」「赤い口紅を塗る」など、具体的な行為を通して、「それを自分はできるのか?」と問い直す作業の連続です。

爪の先まで気を配り、豊かな髪と、スリムで凛とした立ち姿…。洋服はキリッと着こなし、笑顔でいたい。

これまで考えたこともなかった、「年齢を重ねた自分」。しかも「理想の自分」「なりたい自分」が浮かび上がってきます。

前を向いて、生きるということ

「前を向いて生きる」そういう言い回しを使うけど、前を向くとは、老いることです。「未来に希望をもって」と、そういう言葉は知ってるけど、未来というのは、老いた自分のいる世界です。

本当の意味で、前を向く。本当の意味で、希望をもつ。

それは、「老い」と向き合うことです。しかも、向き合った先に光がある。

扱いにくい話題や、言いにくいことも、さらりと軽々と触れながら、年齢を重ねる「魅力」、未来の自分にトキメク自分がいました。

こんな女に、なりたい!

(^^♪

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“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき

  • 齋藤薫
  • 朝日新聞出版
  • 2015/11/6

目次情報

1 「いつかやる」は、一生やらない。40を過ぎたら、すべて“いつか”は今!
2 あなたの印象を決めるものは、ほとんど“語尾”。だから、語尾をそっと置く
3 なぜ“捨てられる人”が美しいか。捨てると命が洗われて、ちゃんと生きるエネルギーが増えるから
4 あならはいくつになっても、将来を楽しみにできる人だろうか
5 “2キロ痩せ”こそ、キレイになったと人に言われる秘訣
6 歩き方は、生き方。“きれいに歩く”は若く長く生きること。口角を上げて歩くと、背筋も伸びる
7 幸せの死角、毎日の食事をもっとていねいに“やり直す”。10分で食べ終わらない工夫から
8 赤の口紅さえアンチエイジングにする。“老いない決め手”は清潔感!!
9 悪口を言うと、女は老ける。だから、悪口を持ちかけられたら上手にかわす
10 たとえば40代からは背伸びしてでも“一生もの”を買うべきなのは、自分も人生も整えていくため
11 次に使う人のために洗面台を拭けるのは品性の美容、「日本の美容」
12 自分を後ろ向きにさせない。それが“朝早く起きる”最大の効能である
13 肌に水を感じさせる人、肌の中に水がさらさら流れているように見える人、っているもの……
14 人生を折り返したら、女は“顔より髪”。「髪型が顔になる」と気づくこと
15 “素敵”は、真似で身につける。街で見つけた“小物づかい”をどんどん真似る
16 手の爪では清潔感を、足の爪ではエネルギーを、色にする。女は爪色通りの女になるから
17 自分のヨーグルトと出合うと、大げさでなく人生が変わる
18 凛とした美人印象を作るのは、むしろ首とアゴだった
19 あなたは本当の“癒やし”を知らない。鼻と目と耳とに同時に働きかけてこその癒やし
20 いつも“次の旅”を準備している。“非日常”で“日常”を活性化できるアンチエイジング
21 5年前の自分の写真を眺めていると、「本当に変わらないね」と褒められる
22 相手に心臓を向けること。そして、真っすぐ見つめること。それが自分をイキイキ見せるコツ
23 ハンカチは白しか持たないという選択は、女を清らかにする
24 涙には、良い涙と悪い涙がある。良い涙は、人を浄化し、力に変わる。だから思い切り泣いていい
25 コンプレックスも、紙に書くと消える。心が整う。自分へのメモが人を磨く。
26 成功している人、望みを叶えている人、そして明らかに幸せそうな人……
27 “ゆっくり動く”と生き方が変わる。忙しい女たちのアンチエイジング
28 否定形が多くなる。決めつける。人の話を聞かなくなる。それが、おしゃべりの三大老化
29 シワやたるみなどなくても「オバサン」と呼ばせる形はないけれど目に見える、2つのもの
30 幸せは“足腰”からやってくる。気品も、粋も、“足腰”からやってくる
31 「おはよう」「ありがとう」そして「ハイ!」…当たり前すぎるひと言が、人生を変える
32 ハイヒールとジーンズを脱がないこと。それは、もっともナチュラルな若返り
33 きちんと生きているのに、一生懸命にやっているのに、何だか人生うまく行かないという人には……
34 麗しきオタクは、歳をとらない!キレイも減らない!
35 「老けない人が、太らない」。それは決定的に揺るがない、大人の女の法則
36 3秒長く、相手を見つめると、あなたの存在感が2倍になる
37 ただ「きちんとする」だけで、人はたちまち10歳若返る
38  悩みごとは胸で悩まず、頭に押し上げて、頭のてっぺんから抜いていく
39 女は“7年ごと”に歳をとる?ならば、七転び八起きする
40 美しく歳を重ねる上で、いちばん大切なことは、“若さ”の代わりに何を増やすか?
41 日常生活がくすんできたら、ソファを少し動かしてみる。体の中に新しい空気が入ってくる
42 イスの背もたれに背中をつけない。その方がラクになったら、10歳若返る
43 相手の名前をクリアに呼ぶ。それだけで“あなたの存在感”がキラキラ伝わる不思議
44 年下とも年上とも付き合える、慕われる人は歳をとらない
45 シーツを毎日洗う人も、3ヶ月洗わない人も、シーツの快楽を倍にする方法
46 イライラしている時にネイルを塗ると心が落ちつく
47 これぞという映画は、3回観る。何度も見てしまう作品にこそ自分の課題が潜んでいる
48 人に招かれると“生活”が向上し、人を招くと家ごと自分が活性化する
49 食事のはじめに、野菜でまずお腹をいっぱいにする幸せ
50 家事が1時間時短になると、3歳若返る。閉まっていた扉が開くから
51 歳を重ねるほどに“人に道を譲れる女”になる。まさに「損して得とる」心の美容
52 “何でも調べる癖”にもアンチエイジング。好奇心が、心の代謝を高める鍵
53 服はいつだって、“着痩せする服”を選ばないと。それがすなわち「似合う」ということ
54 若さのスパイラルは少しの“筋肉”から始まる!筋肉は気持ちさえ上向きにする
55 ハッピーエンドの物語は、もちろん幸せな気持ちになるけれど、同時に思う。この幸せはいつまで続くの?……
56 母親を、10歳若返らせる。それが自分自身のアンチエイジングになる日
57 知られざる“ストレス解消法”。後ろめたさを取りのぞく…
58 3日に一度、10%ずつ自分を変えて、“飽きさせない女”になる
59 笑わない人は衰えが早い。不機嫌に生きるとたるみが早い?
60 「幸せは自分が幸せかどうか問わないことを言う」
61 「“ブランド物”が好き」ではなく、「“このブランド”が好き」。そこに、大人の知性がにじみ出る
62 「面倒くさい」こそキレイの大敵。億劫になったらサプリを飲む
63 街で知り合いと遭遇、とっさに気づかないふりをするのは、衰えの始まり
64 クローゼットが片づかない人は、片づけようとするから失敗する。まず上質な定番服を買い直す
65 自分は完成したと思ったとたん、老化が始まる。だから、学ぶことが、若返ること
66 “仲良し”同士で、お互いの趣味に誘い合う。“掛け算”の友人関係は、キレイに効く
67 節電こそアンチエイジング? 汗かきは、歳をとらない。体内が浄化されるから
68 自分を甘やかさない手っ取り早い方法は、毎年、水着を買うこと
69 “怒り”を一刻も早く消す、それもアンチエイジング。だから大切な怒りの“しまい方”
70 キレイな人に目をみはる、それは効果抜群のショック療法
71 人は忙しくないと歳をとる。でも無口になるほど忙しいと、もっと歳をとる
72 あなたはいつも30%しか笑っていない?80%の笑顔になると人生が変わる
73 家にいる自分を、あなたは大切にしているだろうか?外に出かける自分にばかり手間とお金をかけて……
74 センスの良い人に見られたいなら、“地味なのに派手”を目指す
75 出合い頭の感情、「あなたと会えて良かった」と思うだけの“若返り”
76 “今年の宿題”を3つ用意して自らに課すという年頭美容
77 “道具から入る”は人生を面白くする絶対のコツである
78 “生きがい”代わりの小さな感情。喜怒哀楽のどれかを1日1個ずつ!!
79 化粧品が“高いものほど効く”は本当。でも、安いものが効くと、3倍効く!?
80 一日でいちばん心穏やかにいるべきは、身繕いの“わずかな時間”である
81 声に“気”をこめると、全身に“気”がめぐる。不思議に、言葉まで整う
82 “下着と運動”で体はくずれない。だから歳をとらない
83 大きな失敗をしても、誰かに裏切られても、立ち直れないほど辛いことがあっても……
84 “自分の家のゴミは見えにくい”こと、人を招く前に思い出す
85 顔よりも、もっと些細な“カタチの変化”に年齢が出ることを知っておく
86 カッコイイか、カワイイか、50歳を過ぎたら、この二者択一が、老けない鍵
87 40歳を超えれば、全員が“老眼”になるからこそ、老眼鏡を使わないすすめ
88 体重計に、いつ、どう乗るか。ストレスの溜まらない、“心で量るダイエット”のすすめ
89 イザという時、ティッシュをさっと差し出せる女でいられること
90 月とともに生きてると、それだけで命がキレイになる。だから毎日、月を見上げる美容
91 黒は“一生美人”の色。だから女は生涯、3つの黒を着続けるべきである
92 “立ち姿”を意識するだけで、女は痩せる。例えばホームで電車を待つ数分間…
93 “褒められた日の自分”を忘れない。“褒められる理由”を必ず探しだして
94 人にとって最大のストレス原因は“人”。だから“許せる心”を養うのもアンチエイジング
95 朝起きると、ワクワクする……そういう人がいた。いつも前向き……
96 上へ上へ、魂を持ちあげる。そういう“つもり”だけで心身の痛みが消える?
97 “閉経”を恐れない。「そこで女が終わる」なんて誰が言ったの?女は生涯女!!
98 女はやっぱり“排卵期”がいちばん美しいって、知っておく。それがいちばん愛される日だって
99 雨の日も、心待ちにできる。そのために“やり残したもの”がある幸せ
100 内面を磨くって何をすること?だからたとえば“絵を見てキレイになる”方法
101 電話は、いつもの2倍感じよく、いつもの2倍美しい声で
102 食べ過ぎなければ歳をとらない。それは、命を洗うダイエット
103 少し“大きめ”を所有して身の丈を合わせていく。それが自分を進化させる。
104 人生のオプション、“年中行事”の多い女は、不思議と歳をとらない
105 街で見惚れるのは、白髪の70代女性…。そういう人が、美しく歳をとる
106 “ひらめき”こそ幸せの始まり。「思い立ったが吉日」を実行しないとアダになる
107 たとえば、髪を自分で切る。自分で切れる自信が若さを呼び込む
108 人はなぜ美しくなければいけないか。知っているだろうか?……
わたしが続ける心と身体、一生モノのケア習慣18
あとがき

齋藤 薫(さいとう・かおる)

美容ジャーナリスト/エッセイスト。女性誌編集者を経て現在、女性誌やネット媒体などに多数の連載エッセーをもつ。そのほか美容記事の企画、化粧品開発アドバイザーを務めるなど幅広く活躍中。エッセーでは時代のファッションカルチャーを切り取る鋭い視線と切れ味のよい文章が、「気持ちを前向きにさせてくれる」と多くの読者の指示を集めている。
代表作『されど“服”で人生は変わる』『あなたには“躾”があるか?』をはじめ、著書多数。

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