こんにちは。このブログを始めてから「人の体って面白いんだなぁ」と興味を持ち始めた あさよるです。
以前あさよるネットでも紹介した中野信子さんの『脳内麻薬』が面白かったので、同著者の本を選んでみました。
『脳内麻薬』も、誰でもわかるような入門編のような内容で、なんの知識もないあさよるでも楽しく読めたのでした。
脳につけるクスリ
『あなたの脳のしつけ方』は、雑誌連載の内容を加筆再構成された内容だそうです。ですから、「脳」にまつわるコラム集みたいに読めば、読みやすいかもしれません。
扱われているテーマは大きく8つ。
- 集中力
- 記憶力
- 判断力
- モテ力
- アイデア力
- 努力
- 強運力
- 愛情力
集中力、記憶力など、ふむふむと思うもの中に「モテ力」「努力」「強運力」「愛情力」という、なんじゃこりゃ?というテーマもあります。
不特定にモテる or 一人の人に長く愛される
「モテ力」では、“だめんず”がモテる理由や、結婚相手と恋愛相手は違う!というお話を、脳の働きから見てゆきます。
女性は、自分の産んだ子がさらにたくさんの子孫を残すように、たくさんの女性と関係を持つ男性に魅力を感じるそう。パパがヤリチンなら、子もヤリチン=子孫をたくさん残すってことっすなw しかし、ヒトは子育てに時間と労力が必要で、父親も側に置いておきたい。すると、複数の女性と関係を持つ男性は、不適当になってしまう。
だめんずはモテますが、結婚相手には相応しくないと判断されてしまうようです。
モテ話は、男性のモテテクニックが中心ですね。
努力は才能。誰もができるわけではない
「努力」とは、努力は誰でもできることではないという、ショッキングな話題から始まります。
努力ができる人は、生まれ持った脳の特徴に由来します。努力が得意な人は「これをやれば◯◯が手に入る」という脳の快楽の一部「報酬系」が働きます。
一方、努力ができない人は、「報酬系」の働きが弱く、さらに「やってもムダだ」とブレーキを脳が働かせます。
勉強や仕事など「努力すれば誰でもできる」と言っても、そもそも努力が誰にでもできることではないのです……。
(´・ω・`).;:…(´・ω…:.;::..(´・;::: .:.;:
……と!落ち込まなくても良いのです。
日本社会では、やたらと努力が賛美され、努力こそが尊いことのように語られます。別にそれも間違いではないでしょうが、努力だけが美徳というわけでもありません。
現に、「やってもムダだ」と努力をやめてしまう事柄は、大概それ以上やっても成果が出ないでしょう。
すなわち、努力ができない人は、冷静な判断が出来ているとも言えます。
努力を美徳とするからこそ、努力できないことは悪いことのように感じてしまいますが、別の視点から見れば、「努力に頼らない才能」があるとも言えるかもしれません。
この「努力」の考え方は、あさよるは考えたこともなかったので眼から鱗で、納得でした。
運のいい人はどんどん良く、運の悪い人はどんどん悪くなる
「強運力」も面白い話でした。
コインを投げてウラとオモテがでる確率は、無限に近い回数を投げれば投げるほど1/2に近づいてゆきます。
しかし、現実の「運がいい」「運が悪い」はコインのように1/2では起こりません。運のいい人はより運がよく、運の悪い人はより運が悪くなってゆきます。
それは一度ラッキーがあると、ラッキーな環境に身をおくので、次もラッキーが起こりやすい。不運な人はその逆です。
「勝ち癖がついている人」「負け癖がついている人」という、なんとも身も蓋もない言葉も飛び出します。けど、それが現実なのよね(-_-;)
で、勝率を上げる方法の一つが「知性」。もう少し詳しく言うと一つ目は「言語性知能」、教養です。勝ちの体験、成功体験を積むことも言語性知能です。もう一つが「非言語性知能」、ワーキングメモリを増やすことです。
さらに、負け癖のついてしまったゲームはやめて、自分が勝ちやすいゲームに変えてしまうのも手段の一つ。「みんなに必要とされていること」に目を向けてみる。
慎重さと恋愛力
恋愛力が低い、なかなか恋人ができないわという人は、それだけブレーキがよく効いている人です。
恋のパワーが炸裂して、後先考えずに燃え上がっちゃう人がいる一方で、自分の気持ちをセーブするよう脳が働く人もいる。
知能が高い人ほどこのブレーキが強いとも紹介されています。
恋愛力を上げたいのなら、ブレーキを弱めるしかありません。『あなたの脳のしつけ方』では、結構過激な方法が紹介されていました。それは、お酒の力を借りる、寝不足になるw
こんな方法が紹介されるってことは、反対に言えば、これくらいしないと脳の抑制が解除されないってことですね。
さらに、そもそも「人を愛せない」脳を持つ人もいるそうで、興味がつきません。
誰でも軽く読める、脳のクセ
コラム集ということで、サクッと読める読み物の割には、楽しく興味深く読了しました。
軽く読めるということは、深く読みたい人には不向きですね。根拠となるデータやムズカシイ話はすっ飛ばして、誰でも面白く読める話に特化しています。
さらにもう一歩深く知りたいのなら、別の本をあたってみましょう。
あさよるも『脳内麻薬』『あなたの脳のしつけ方』と続けて読んでみて、もう少しだけ専門的な内容も読んでみたいかも!と思い始めています。これから探してみます。
脳科学の入り口として、話のネタにも
『あなたの脳のしつけ方』は脳科学者による著作です。
脳科学の入り口の入り口のように読むことも出来ますし、軽い読み物としても、また、話のネタ探しにもぴったりです。
著者の中野信子さんはテレビでもご活躍されている方で、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
……あさよるは存じ上げなかったので(^_^;)、今後、中野先生もチェックさせていただきますm(_ _)m
あなたの脳のしつけ方
目次情報
LESSON 1 集中力のしつけ方
- 人はじつは集中しているときのほうが、キケン!?
- 集中を乱す敵を、視界から排除しよう
- いい“集中空間”を演出するには?
- “キリが悪い”ところでやめる――ツァイガルニク効果の応用
- スリープ状態をつくる――バックグラウンドで脳を働かせる
- “とにかくやり始める”と末梢からスイッチが入る
- あえて人目につく場所で作業してみる
- 集中できないのは、セロトニン不足かもしれない
LESSON 2 記憶力のしつけ方
- 元AKB48アイドルの神対応に学ぶ記憶術
- 「意味記憶」と「エピソード記憶」の違いとは?
- エピソード記憶に変換して覚えるテクニック
- 口に出すだけで、ただの文字が経験になる
- 年齢を重ねても記憶力そのものは落ちない
- データベースが大きいと検索に時間がかかる
- 生まれつき記憶力のいい人とは?
- それでも忘れてしまったときの対処法
- 脳がエピソード記憶を重視するのは、原始時代の名残り!?
LESSON 3 判断力のしつけ方
- 判断が速いけど間違えやすい脳の「Xシステム」
- 判断が遅いけど遅いけど合理的な脳の「Cシステム」
- Cシステムが働く人ほど成功する――マシュマロ実験による証明
- 目先の利益を隠し、イヤなことに目を向けてみる
- 睡眠が不足するとCシステムが鈍る
- 脳のゴミのウォッシュアウトは寝ているときに行われる
- “素敵な先延ばし”が正しい決断を生む
- 結婚に重要なのは勢い?それとも慎重さ?
- 決断力がある人は、信用できない?!
- 「直感」と「計算」は、どちらが正しいか
LESSON 4 モテ力のしつけ方
- ある1人に愛されたいのか、多くの異性に好かれたいのか
- 結婚したいのなら“誠実性”をアピールせよ
- 正義感の強い人が、いつの世もモテるワケ
- “なぜかモテる人”が必ずやっていること
- モテたいなら、ちゃんと話を聞かないほうがいい?!
- これができれば、誰でも100%モテる!
- 相手の“隠された一面”を見つけ出す方法
- あえて怒らせて印象を残すのも手
- 「セックスをすると女性は男性を好きになる」は本当?
LESSON 5 アイデアのしつけ方
- “右脳派”“左脳派”の話に科学的根拠はありません
- 新しいアイデアなんて、じつはどこにもない?!
- “アイデア脳”は、死ぬ直前まで伸ばせる!
- アイデアの源=データベースを増やす方法
- アイデアを学ぶための「コピー」のススメ
- アイデア力は「実行力」に等しい!
- アイデアが受け入れられる環境を作る=根回しも大切
- アイデアが次から次へと出てくる脳への仕掛け
LESSON 6 努力のしつけ方
- 「努力できること」は、生まれつきの才能である!
- 努力するに値するもの、値しないもの
- 「努力できないこと」も、1つの才能である
- 努力の苦手な人が、努力をする方法
- 努力を「ゲーム化」すれば無限に続けられる?!
- “努力中毒”に陥らないために
LESSON 7 強運力のしつけ方
- 人は必ず「幸運な人」と「不幸な人」に分かれる
- 運がいい人と悪い人の差は、どんどん開いていく!
- コインに重しをつけて表を出やすくさせる方法
- 運をよくするためにゲーム自体を変えてしまう
- 「勝てるゲーム」の見つけ方
- 「メタ認知」を鍛える“内観日記”のススメ
- 自分を変えるか、ゲームを変えるか
- とりあえずは入った会社で3年くらい働いてみるのも手
- “ツイてない時期”を乗り越える方法
LESSON 8 愛情力のしつけ方
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彼氏・彼女ができない人の脳の言い訳
-
脳の“恋愛ブレーキ”を麻痺させる方法
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生まれつき「人を愛せない人」もいる!
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「愛せる脳」と「愛せない脳」を証明した動物実験
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人を愛せない人が、人を愛するためのトレーニング
- 人を愛することが、あなたを幸せにする!
中野 信子(なかの・のぶこ)
1975年生まれ。東京都出身。脳科学者、医学博士。横浜市立大学客員准教授、東日本国際大学客員教授。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科医科学専攻修士課程終了(2004年)、同大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了(2008年)。その後、フランスの国立研究所サクレー研究所で研究員として研究員として勤務(2008~2010年)。現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。著書に『脳科学からみた「祈り」』(潮出版社)、『科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)、『脳内麻薬』(幻冬舎)、『努力不要論』(フォレスト出版)など。また、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)、「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、「有吉ゼミ」(日本テレビ系)をはじめ、多数のテレビ番組で活躍中。
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